X線天文学研究室

平賀 純子 (ひらが じゅんこ) 教授

X線天文学研究室

研究分野:
科学衛星ミッション、超新星残骸、イメージング、スペクトル
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X線天文学

X線は病院の診断に使うレントゲンなど、身近なところでお世話になっているので、役に立つと共に危険だというイメージを持っている人も多いでしょう。そんな危険なX線が宇宙から降り注いでいることを知っていましたか?X線とは、とても波長の短い電磁波、つまり光の仲間です。夜空に星が輝くように、宇宙にはX線で輝いている天体がたくさんあります。危険なX線が空から降ってくるなんて危なくないの?と思うかもしれませんが、地球の大気が守ってくれるので、宇宙からのX線が地上に届くことはありません。その代わり、宇宙からのX線を観測するために、観測装置を大気圏の外に持っていかなければいけません。ですから私たちは、X線天文衛星を開発し、打ち上げて、オペレーションし、天体の観測データを得ることができるのです。
宇宙には、数百万~数千万度というとても高温のガス(プラズマと言います)がありますが、X線でしかこういった高温プラズマを調べることはできません。また、炭素、酸素、鉄、といった元素の種類を見分けることも得意で、星の内部で作られた元素が宇宙空間にばらまかれていく様子をX線が見えるカメラで撮影することで、宇宙の物質循環を1シーンを研究することができます。

宇宙をもっとよ〜く観たい

平賀研究室では、X線天文衛星に載せるための検出器の開発を行い、すでに打ち上がった衛星が観測した超新星残骸のデータから、高温プラズマの様子、元素合成のメカニズムを探る研究をしています。X線の画像とスペクトルを取得できる検出器は、世の中にあまりありませんし、とても低ノイズで動かす必要があり、自分たちで作ることになります。スマホやデジカメについている、CMOS・CCDセンサのような半導体のセンサーを購入し、周辺の電子回路の設計、検証、python,C++言語,標準ライブラリを用いたデータ取得、解析のためのコンピュータソフトなど、これまで開発したものを生かしながら、自分たちで装置を組み上げ、センサの性能を詳しく調べていく研究をしています。理学部っぽくない、と思った人はいませんか?理学部物理の学びと表面的には大きな違いがあるかもしれませんが、「物」の「理」についての基礎を3年間しっかり身につけることで、4年生で研究室に入って出会う、それまでと異なる学びに対し、柔軟に習得していけるのです。これが理学の力です。現在、何台ものX線天文衛星が稼働しており、観測データはあるルールに従って、世界中に公開されます。観測データに埋もれた宝を発見できるかどうかは、データの解析の仕方と基本物理の理解にかかっています。日々コンピュータをソフトウェアを格闘する日々ですが、解析の仕方の工夫が新発見につながり、その新発見を世界で最初に目にすることができるのが、研究の醍醐味です。装置の開発は、新たな目を人類に与ええてくれて、新たな目で観る宇宙に新たな発見がきっとあります。天文学は遠くの天体を観る学問です、決して現場にはいけませんし、宇宙は古よりそこにあるわけで、宇宙が変わるのではなく、人類の観る目が変わるだけなのです。ですから、新たな目をもたらす装置の開発は、とてもとても重要なことだと考えています。

研究室の雰囲気

一番大事なのは、主体性です。楽しく、アグレッシブに、自由にやっています。