そうせいTIMES 第2号 ポスト3.11 エネルギーシフトと国際経済~フクシマ原発事故を世界はどうみるか~(2011/10/11 発信)

[ 編集者:総合政策学部・総合政策研究科       2015年6月11日   更新  ]

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◆教員のステータス、担当授業科目は、2011年10月11日発行時点。
◆加藤晃規教授は、2015年3月31日まで在職。

各教授陣

学生が見る原発事故と日本社会

加藤教授

加藤教授

3月11日に発生した東日本大震災の甚大な被害について、「想定外」という言葉が各所で聞かれました。学生からは「想定外とはどういうことですか。それで片づけてしまっていいのでしょうか」という質問を受けました。想定が不可能だとすれば、“それに対処する技術に限界があるのでは”と感じたそうです。

私は“想定外”の被害の実態を体験してもらいたいと考え、“百聞は一見に如かず”と話したところ、多くの学生が現地へと赴きました。そこで“想定外”を目の当たりにした学生たちは、その後も熱く議論を続けているようです。

園田教授

園田教授

総政では、1995年に入学した一期生から自主的にボランティア活動に取り組んでいて、今回も行動がとても自然でした。入学後まもない1年生も含め多くの学生が、先輩から伝統を受け継ぎ、学生として何ができるか考え実行する姿勢は、うれしい驚きでした。また、先進諸国のみならず150を超える国々から支援の申し出があったことに感銘するとともに、自然災害や原発問題が世界に与えた影響の大きさを実感したようです。

井上准教授

井上准教授

1年生が基礎ゼミで行った、「原発をどうしていくか」というテーマでのディベートでは、活発な議論が繰り広げられました。原発問題は、経済・技術・環境などが複雑に絡み合った困難な問題です。学生たちの間では、風力・地熱・潮流などのクリーンエネルギーを推進したいという意見が多く出されました。原発は、クリーンで低コストですが、ひとたび事故が起きれば今回のような被害へと繋がります。日本や世界全体を俯瞰して、幅広い学問を束ねながら考え抜くことが大切だという話をしました。

鎌田教授

鎌田教授

私たちの研究室では、メーリングリストを使用して積極的な意見交換を行っています。その中で、原発の是非とともに、メディアの在り方に大きな関心が払われてきました。例えば最近では、9月19日に東京で行われた脱原発のデモは、主催者発表で6万人もの人が参加する大きなデモでしたが、翌朝の朝刊ではカラーで大きく報じたのは全国紙五社では一社のみ、そのほかの紙面では、後ろの方のページに小さな枠で扱われるにとどまりました。中には原発運転再開に関する報道をより目立つ位置に置く新聞もありました。そのようなメディアの取り上げ方の違いが、世論形成に大きな影響を与えます。

メディアの重要性を認識するとともに情報を受け取る私たち自身も情報発信の背景を含めて自発的に評価・判断していくことが重要です。卒業生の中に、今回の原発事故につきっきりで取材に当たっている新聞記者がいるので、生の情報を取り入れながら学生と意見交換を続けています。