ポーランド・ウッジ大学の学生と交流-藤井(和)・田中ゼミ

[ 編集者:経済学部・経済学研究科 2012年7月12日 更新 ]
プレゼンテーションの様子

ウッジ大学の学生たちは、ポーランドの経済・伝統・文化を英語で報告しました。

ポーランドは地理的には日本から非常に遠い国ですが、実は大変に親日的な国であり、若者を含めて日本に対する関心や知識は高いものがあります。一方、日本の人々がポーランドについて知っていることは限られています。この大きなギャップが、事前の学習で相手のことを知る機会を持つことの意味を高め、日本や日本人が他の国の人々からどのような目で見られているかを知る機会になりました。

ポーランドは現在、EU加盟国のひとつとして、旺盛な域内投資の対象となっており、EUによるインフラ整備の支援もあって、2008年以来の国際的な金融不安による影響と近年のギリシャの財政不安に端を発するユーロ危機に揺れるEU諸国の中でも、唯一といっていいほどの経済的安定と成長の実績を示しています。

しかし、その過去の歴史を振り返ってみれば、18世紀末以来の民族国家の消滅と、20世紀の二つの対戦で悲惨な運命を経験。さらに、共産主義体制から東欧革命を経て、民主主義の市場経済国家となった激しい変化と混乱を経験してきました。今回のプログラムで、実際にポーランドに渡航した日本人学生も、実際に国土に立ってみて、それらの歴史が今でも生々しく記憶され続けていることを感じたといいます。

今のポーランドの若者は、そうした歴史の上に立って、さらにEUという地域統合の可能性や効果とその不安定さを実感しながら自らとその所属する社会の将来を考えています。一方、繁栄とその後の停滞を経験し、安定と閉塞感のない社会に暮らす日本の若者は、その内向きの傾向が喧伝されています。

その両者の若者が直接出会って率直に意見を交換することで、ポーランドの学生にとっては成熟した社会がどのような課題を抱え、それに若者がどのように向き合っているのかを考える機会となり、日本の学生にとっては、厳しい歴史に現れた多様な文化や価値観の交錯するヨーロッパの中でポーランドの若者がどのような形で地域統合による社会と経済の活性化を担っているのか、またその中でどのようにその社会および自分自身のアイデンティティと主体性の確立を成し遂げているのか、を学ぶ機会となりました。

中芝で記念撮影

中芝であった“お菓子パーティー”前に参加した学生達で記念撮影。ウッジ大学の学生はポーランドのお菓子を持って、藤井ゼミ、田中ゼミの学生は日本でお馴染みのお菓子を持って参加しまたした。中には羊羹(ようかん)を持参した学生も!