[ 経済学部 ]経済学部に入学を志望する皆さんへ
-大学で経済学を学ぶために-
経済学部の学び
「大学の学び」は「高校までの学び」とどこが違うのでしょうか。
高校までは先生が問題を提示し、答えがわからなければ、先生がいろいろと教えくれました。しかし、大学では自分で問題を探し出し、その問題について調べ、考え、そして自分なりの答えを導き出すことになります。したがって、自ら積極的に学ぶ姿勢が必要となってきます。
そして、社会に出てからも学ぶことはいろいろあります。当たり前のことですが、学びに終わりはありません。だからこそ、「学ぶ力」を大学4年間で鍛錬する必要があるのです。
さて、「経済学部の学び」は、次の4つの項目にまとめられます。
①現実の社会で起こっているさまざまな出来事のなかから、何が重要な問題なのかを選び取る。
②情報手段を利用して、その問題を整理する。
③その問題について論理的に考え、結論を導き、データなどとつきあわせて、検証してみる。
④導き出した結論を正確に他人に伝え、納得してもらう。
①については問題意識を常に持っておくこと
②については情報処理能力を身につけ、具体的な問題を抽象化できること
③については演繹的な思考とデータに基づく帰納的な思考ができること
④についてはコミュニケーション能力を鍛えることが重要です。
経済学部では、みなさんがこれらの「経済学の学び」を身につけられるように、経済学を中心とする様々な科目を提供しています。
入学までに取り組んでほしい学習 -経済学と数学-
大学で経済学を学ぶためには、高校で履修するすべての科目の基礎学力が不可欠ですが、とりわけ数学の基礎的な学力が必要となります。
一般に、経済学部は文系学部として位置づけられ、とりわけ私立大学の場合、入試方式によっては、数学を受験科目としなくても、その他の受験科目で合格すれば、入学することができます。また、経済学は高校の授業では『政治・経済』の一部になっており、勉強するにしても、「暗記科目」として教科書や参考書に書かれている内容をそのまま覚えることに終始してきたのではないでしょうか。
しかし大学で学ぶ経済学では、現実に生じているさまざまな経済問題(例えば、不況、貧困、失業、格差、財政危機、金融危機など)の原因やメカニズムを理論モデルや統計データによって論理的・実証的に分析し、問題の解決策を考えていきます。このような経済学の分析手法を理解し修得するためには、数学の基礎的な知識が不可欠です。
経済学で用いられる数学の多くは、高校で学ぶ数学が基礎となっています。したがって、経済学の学習をスムーズに進めるためには、高校数学の知識(数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学B)をしっかり身につけておくことが大切です。高校数学の教科書や参考書を使って学習することもよいですが、経済数学のテキストを使って経済学で用いられる数学を集中的に学習することも一つの方法です。
経済数学の入門レベルのテキストとしては、白石俊輔著『経済学で出る数学 ワークブックでじっくり攻める』(日本評論社、2014年)などがあります。より発展的な内容を含むテキストとしては、尾山大輔・安田洋祐著『(改訂版)経済学で出る数学』(日本評論社、2013年)などがあります。みなさんの学習の参考にしてください。