バイオ物質科学研究室

橋本 秀樹

橋本 秀樹 (はしもと ひでき) 教授

バイオ物質科学研究室

研究分野:
光合成、人工光合成、超高速レーザー分光、非線形分光
研究室サイト

研究テーマ

光合成初期反応の機能解明と人工光合成による次世代燃料の創製
光合成・人工光合成の研究を通して世界に貢献する!

研究室のモットー:光合成・人工光合成の研究を通して世界に貢献する!
私たちの研究室では、物性物理学のニューフロンティアの開拓を目指して質の高い教育と研究活動を実践しています。生命現象(特に植物の光合成反応)を物性物理の言葉で語ること、これが私たちの提唱する「バイオ物質科学」の究極目標です。生命は39億年と言う長い年月におよぶ進化によって、光合成系という地球環境に優しくしかも光エネルギーを最適に利用し得る構造を獲得しました。例えば太陽光を上手く受け止める光捕集アンテナ色素タンパク質複合体は非常に美しい9回対称(場合によっては8回対称)の超分子複合体構造を持ちます。 その構造が有する光エネルギー捕獲・伝達・散逸の機構を解明することが次世代テクノロジー(バイオナノテクノロジー)を開花させるために必要不可欠です。そのために、光合成初期過程に重要な役割を果たすカロテノイド色素に注目して研究を行っています。カロテノイド色素分子を系統的に改変・光合成系に再構築し、X線結晶構造解析等から色素蛋白複合体の電子分布・分子構造を詳細に決定すると同時に、光エネルギー伝達機構および分子間相互作用機構を種々の物性測定を駆使して解明する研究を行っています。また、光合成研究の延長として、人工光合成による太陽光燃料(次世代燃料)の生成技術の確立にも貢献していきます。

具体的な研究活動

私達の研究室では、自然界には存在しない人工の光合成色素タンパク質超分子複合体を自らの手で創成し、光合成系の動作機構を解明することを通して、物性物理学の言葉で生命の青写真(自然の持つ巧妙さ)を解釈することを目的として研究を進めています。光エネルギー変換過程において従来の概念を打破した基礎概念の構築、高効率・超高速のエネルギー移動の基盤となる理論を確立、そして全く新しい物性物理を創出することを目指して日々研究しています。

研究室の雰囲気

研究内容は、生物・化学・物理の分野を融合した仕事となりますが、丁寧な指導を行っているので、研究室のメンバーは安心して研究活動に励んでいます。学生メンバーは、現在D3 (1名)、D1 (1名)、M2 (6名)、M1 (4名)、卒研生(9名)、留学生(1名)の総勢22名です。大人数ですが、それぞれの個人に適した研究テーマが与えられ、場合によっては4年生でも国際会議で発表するチャンスが巡ってくることもあります(昨年度は、英国グラスゴー大学に一緒に行きました)。また、ゼミを通して学問の研鑽を一緒に積んでいます。他大学との共同研究や合同セミナーも活発に実施しており、様々な研究者や学生とのふれ合いや研究に関する情報交換から自身の研究に新たな見解を見出す機会を設けています。課外活動(プロ野球観戦など)やゼミ合宿も研究室メンバー全員で一緒に楽しんでいます。

そのほかPRしたい点
 橋本研究室は、文部科学省 新学術領域研究「光合成分子構築の学理解明と時空間制御による革新的光ー物質変換系の創製」(人工光合成)の研究拠点となっています。世界最高性能の超高速レーザー分光計測システム等の世界最先端の研究機器に囲まれた恵まれた研究環境が整っています。橋本秀樹教授は、天然光合成及び人工光合成研究における世界の第一人者で、これまでの研究成果が評価され、2018年度兵庫県科学賞を受賞しています。人工光合成研究の最前線に関して、ホリエモンと対談を行っています。

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