2024.12.04.
関西学院大学災害復興制度研究所 2025年復興・減災フォーラム「阪神・淡路大震災30年、問い直そうー私たちの被災者責任・これからの被災地責任」

 「被災者責任」、あるいは「被災地責任」という言葉は、通常、庇護されるべき被災者、憐憫の視線を注がれるはずの被災地に「責任を果たせ」と迫る。被災者・被災地にとっての「責任」とは何か。責任を果たすべき「使命」とは何か。被災地KOBEでは、その問いに答えようとした人たちが少なからずいた。その人たちが果たした「被災者責任」とはどのようなものだったのか。また、果たせなかった「被災地責任」とは何だったのか。改めて過去に向き合い、未来に視線を投じて、二つの「責任」を考えることにより、わが国の災害史における阪神・淡路大震災の位置づけと、被災地KOBEがこれからの未災地に向けて果たすべき役割を考える。

日 程

2025年1月11日(土)13:00~17:30  全国被災地交流集会「円卓カフェ」

2025年1月12日(日)13:00~17:30  シンポジウム

場 所 関西学院会館レセプションホール(兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155)
http://member.kwangaku.net/kwangakukaikan/access.html

【主  催】関西学院大学災害復興制度研究所
【共  催】日本災害復興学会
【後  援】朝日新聞社

1月11日(土)13:00~17:30 全国被災地交流集会「円卓カフェ」  

「KOBEからのメッセージ 私たちが遺すべきもの」 

 所長の山泰幸が長年地域で実践をしてきた「哲学カフェ」の形態で「円卓カフェ」として実施予定。「哲学カフェ」とは、フランスのパリが発祥の地で、毎週日曜日の午前、喫茶店に人々が集まってコーヒーを飲みながら、自由にいろいろなテーマで議論をする場のことで、現在、日本各地で開催されている。今回は、「KOBEからのメッセージ 私たちが遺すべきもの」をテーマに、被災地KOBEがこれからの未災地に向けて果たすべき役割について語り合うことにしたい。

[第一部] 被災地KOBEからのメッセージ 私たちが遺すべきもの(13:00~15:00)

  

[第二部] これからの未災地に向けて果たすべき役割(15:10~17:00)

        

[第三部] 全体討論会(17:00~17:30)

     《登壇者》
      宇野 朗子  「避難の権利」を求める全国避難者の会共同代表
      高森 順子  情報科学芸術大学院大学産業文化研究センター研究員
      田中 純一  北陸学院大学社会学部教授
      出口 俊一  兵庫県震災復興研究センター事務局長
      中村 順子  認定NPO法人コミュニティ・サポートセンター神戸理事長
      野崎 隆一  特定非営利活動法人神戸まちづくり研究所
      朴 承賢   (韓国)啓明大学日本語日本学科助教授
      牧 秀一   元NPO法人よろず相談室理事長
      宮本 匠   大阪大学人間科学研究科准教授
      村井 雅清  被災地NGO恊働センター顧問

      司  会:山 泰幸   関西学院大学災害復興制度研究所所長・人間福祉学部教授
      解  題:山中 茂樹  関西学院大学災害復興制度研究所顧問
      解  題:岡田 憲夫  京都大学名誉教授・関西学院大学災害復興制度研究所顧問
      コメント:羅 貞一   関西学院大学災害復興制度研究所主任研究員 准教授

1月12日(日)10:30~11:30 関西学院大学災害復興制度研究所2025年復興・減災フォーラム連携企画  

阪神・淡路大震災30周年記念礼拝 

 1995年1月17日(火)午前5時46分に発生した阪神・淡路大震災から30年を迎えようとしています。関西学院でも在学生15名が亡くなるなど、大きな喪失を経験しました。あの日を覚え、2025年復興・減災フォーラムにあわせて、記念礼拝を行います。

 場所:関西学院会館ベーツチャペル

 *申し込み不要で、どなたでもご参加いただけます。

阪神・淡路大震災30周年記念礼拝チラシ

1月12日(日)13:00~17:00 シンポジウム  

会 場 関西学院会館 レセプションホール
シンポジウム
13:00~13:20 開会挨拶

 中道 基夫(関西学院院長)

 森 康俊(関西学院大学学長)

 来賓・井戸 敏三(公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構 特別顧問・元兵庫県知事)

《総合司会》 

 羅 貞一(関西学院大学災害復興制度研究所主任研究員・准教授)

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  • 韓国ソウル出身。専門は、コミュニティ・レジリエンス、被災者支援制度・災害復興、防災教育訓練。日本、韓国、インドネシアなどの地域コミュニティで被災と復興における住民参加型コミュニティレ・ジリエンスの向上のために取り組んでいる。2005年来日し、京都大学防災研究所研究生(災害リスクマネジメント研究室)、京都大学大学院工学研究科博士前期・後期課程修了。2011年博士(工学)を取得。鳥取大学工学研究科社会基盤工学専攻助教、(韓)忠北大学国家危機管理研究所消防防災センター長、(韓)全国災害救護協会災難安全研究所副所長(本部長)を経て現職。(韓)行政安全部中央災難管理評価委員、外交部災難安全事業評価委員等。
13:20~14:10 特別講演『「被災の思想、難死の思想」から「われ=われ」のサラダ社会へ』

玄 順恵(水墨画・作家)

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  • 水墨画家・作家。1953年、植民地時代に日本へ渡ってきた済州島出身の両親のもと、神戸市に生まれる。1982年に作家小田実と結婚。水墨画の他に、装丁、装画、挿絵の仕事を手がける。著書に「トラブゾンの猫」、「私の祖国は世界です」、「われ=われの旅」(小田実との共著。以上、岩波書店)。「おはなしハルマンさま」(文・元静美。新幹社)。訳書に「韓国食生活史」(藤原書店)がある。
14:20~14:30 基調報告『災害復興制度研究所20年の歩み』

山 泰幸(関西学院大学災害復興制度研究所所長・人間福祉学部教授)

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  • 関西学院大学災害復興制度研究所所長・人間福祉学部教授。持続可能な地域づくり、地域防災、減災まちづくり、災害復興をテーマに、住民・行政・NPO等と連携しながら、長期密着型のフィールドワークに基づく実践的な研究を行う。災害や過疎からの地域復興まちづくり、自主防災組織とコミュニティづくり、高齢者の社会参加のための場づくり等、取り組みは多岐にわたる。フランス留学中に「哲学カフェ」に出会い、帰国後、長年にわたり各地で実践を重ねながら、まちづくりにおける語り合う場のデザイン手法の開発に取り組んでいる。災害復興制度研究所には設立準備段階から関わり、2016年4月から副所長を務め、2022年4月に所長に就任。東京大学地震研究所客員教授、日本災害復興学会理事等を兼務している。
14:30~15:20 基調講演『震災復興の30年を検証する』

室﨑 益輝(神戸大学名誉教授・兵庫県立大学名誉教授・関西学院大学災害復興制度研究所顧問)

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  • 1944年兵庫県生まれ。京都大学建築学科卒業。工学博士。神戸大学都市安全研究センター教授、関西学院大学災害復興制度研究所長、兵庫県立大学減災復興政策研究科長などを経て現職。日本災害復興学会会長、地区防災計画学会会長、日本防災士会理事長、ひょうごボランタリープラザ所長、海外災害援助市民センター代表などを歴任。日本火災学会賞、日本建築学会論文賞、防災功労者総理大臣表彰、神戸新聞平和賞、NHK放送文化賞などを受賞。著書に「地域計画と防火」「建築防災・安全」「災害に向き合い人間に寄り添う」など。専門は、建築防火、都市防災、減災復興。
  • 15:35~17:20 講演&パネルディスカッション
           「阪神・淡路大震災30年、KOBEからのメッセージ 私たちが遺すべきもの」
  • 《パネリスト》

  •  中村 順子(認定NPO法人コミュニティ・サポートセンター神戸理事長)

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    • 1947年生まれ、短大卒業後、会社勤めを経て1982年から神戸市東灘区で、高齢になっても在宅で最後まで暮らせることを目標とした在宅生活支援ボランティアに従事。1995年1月に発生した阪神淡路大震災では、直後から地元で「水汲み」、「茶話やかテント」等の復興活動を先導し、1996年に民設民営の中間支援組織CS神戸を立ち上げる。「自立と共生を理念とした地域社会を目指し、自ら活動する人々を応援します」をモットーに、毎年40~50のグループを創出し続けている。他に行政や企業との連携で地域課題の解決にあたるプロジェクトを多数実施し、現在も継続的に取組んでいる。

     斎藤 富雄(関西国際大学名誉教授・兵庫県立大学客員教授・元兵庫県副知事)

    •  

    • 兵庫県生まれ。大震災時は兵庫県知事公室次長兼秘書課長、1995年西播磨県民局長、1996年危機管理全般を統括する初代「防災監」に就任し防災体制の再構築を担当する。2001年9月より兵庫県副知事、2009年9月退任。この間、ロシアタンカー重油流出事故、高病原性鳥インフルエンザ、台風、豪雨、新型インフルエンザなど様々な危機管理事案に対応するとともに、政府の地震調査研究推進本部専門委員、中央防災会議専門委員、佐用町台風第9号災害検証委員会委員等を歴任し、関西国際大学副学長、神戸山手大学学長を経て現在に至る。三重県南海トラフ地震対策検討委員会委員、関西学院大学復興制度研究所顧問。
    •  大牟田 智佐子(毎日放送報道情報局報道業務部部次長・兵庫県立大学外学院減災復興政策研究科客員研究員)

    •  

    • 毎日放送報道情報局でニュース映像のアーカイブを担当。同志社大学卒業後、1990年毎日放送入社。1994年テレビ報道の「地震専門記者」となり、以降、災害報道に携わる。1998年から12年間、ラジオの災害専門番組「ネットワーク1・17」プロデューサー。テレビ報道在職中の2019年、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科博士後期課程入学、2022年修了。働きながら書き上げた博士論文をもとに2024年『大災害とラジオ――共感放送の可能性』を出版、第48回井植文化賞受賞。博士(学術)。
    •  山中 茂樹(関西学院大学災害復興制度研究所顧問)

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    • 1946年生まれ。大阪府出身。朝日新聞神戸支局次長のとき、阪神・淡路大震災に遭遇。これを機に震災・防災担当の編集委員に転じ、震災10年にあたる2005年4月、関西学院大学災害復興制度研究所の創設に参加、主任研究員・教授に就任。2015年3月に退職するまで10年間、主任研究員を務め、2007年度には日本で初めての災害復興学講座を開講した。これまでNPO法人・大規模災害対策研究機構副理事長、(社)減災・復興支援機構副理事長などを歴任。日本災害復興学会特別顧問(終身)、東日本大震災県外避難者連絡会(まるっと西日本)顧問。専門は災害復興論、災害報道論。著書に『震災漂流者―「人間復興」のための提言』(河出書房)、『いま考えたい~災害からの暮らし再生』(岩波ブックレット)、『震災とメディア』(世界思想社)、『人間の復興』(関西学院出版)など。
    • 《司会》
       山 泰幸(関西学院大学災害復興制度研究所所長・人間福祉学部教授)

    17:20~17:30 開会挨拶

     岡田 憲夫(京都大学名誉教授・関西学院大学災害復興制度研究所顧問)

※1月11日(日)2024年度日本災害復興学会総会を開催します。
(会場:関西学院大学上ケ原キャンパス)

お申込み方法

参加ご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
https://forms.office.com/r/9iHtHAzgAY
FAXをご希望の方は、参加申し込み用紙に必要事項をご記入の上、お申し込みください。
申込締切日:2025年1月7日(火)

※オンラインで参加の方は「Zoom」にてご参加いただけます。申込フォームにてお申し込みいただいた方に、1月10日頃オンライン参加用の情報をお送りいたします。
※参加申し込み用紙に記載された個人情報は本学の関連業務以外に使用することはありません。

参加申し込み用紙ダウンロード

チラシダウンロード

2025年復興・減災フォーラムチラシ