2023.03.03.
公開セミナー「トルコ・シリア大地震を受けて」を開催

関西学院大学災害復興制度研究所では、

2023年2月6日に発生したトルコ・シリアの大地震を受けて、地震国であるトルコについて学ぶために、ハイブリッド方式による公開セミナーを開催しました。

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

■日 時 :3月3日(金)15時30分~17時30分

■実施方法:ハイブリッド開催

■講 師:大志万直人先生(京都大学防災研究所元所長、京都大学名誉教授)

■演 題:「フィールドワークの地 トルコ・北アナトリア断層帯—過去40年をふりかえって—」

■コメンテーター:岡田憲夫(関西学院大学災害復興制度研究所顧問)

■司 会:山泰幸(関西学院大学災害復興制度研究所所長)

大志万直人先生(京都大学名誉教授)

大志万直人先生(京都大学名誉教授)

■講演概要:
1981年、大学院博士課程の学生として、トルコ・北アナトリア断層帯西部域での日本−トルコ共同研究による断層調査に参加して以降、2022年までの約40年間、長さ約1000kmにも及ぶ北アナトリア断層帯の西側地域での観測調査を行ってきました。

北アナトリア断層帯では、1939年に発生したエルジンジャン地震(M7.9)が東端地域で発生して以降、1942年M6.9、1943年M7.7、1944年M7.5(ゲレデ地震)、1957年M6.8、1967年M7.0と、右横ずれ断層運動によるM7クラスの地震が断層帯に沿って西方に移動傾向を示していたことに着目し、西部地域は大きな地震が発生するポテンシャルがありながら、まだ地震が発生していない、いわゆる「地震空白域」であるとの指摘が1979年にあったためです。

この指摘があってから20年後の1999年8月には、その空白域内でトルコ・イズミット地震(M7.4)が発生しました。この地震が発生した8月17日は、たまたま、現地で調査観測を実施しており、その地震の大きさを身を持って体験することになりました。このような体験も踏まえ、北アナトリア断層帯、トルコ周辺での地震テクトニクス、トルコ国内の建築の状況、また、トルコ国内の暮らしの様子などに関して、過去40年をふりかえりたいと思います。

会場の様子

会場の様子