2022.11.28.
関西学院大学災害復興制度研究所 2023年復興・減災フォーラム「関東大震災100年 われわれに遺したもの~帝都復興と人間の復興」

 関東大震災では、「帝都復興」の掛け声のもと都市計画-区画整理という都市再開発の手法が初めて実践された。このような復興の考え方は問題を抱えながらも現在に至るまで根強く引き継がれている。一方、これに対して、本研究所の理念としている「人間の復興」という被災者中心の考え方も提起された。さらにキリスト者や学生によるボランティア、関西への文化の伝播、被災者らの広域避難、そしてヘイトクライムという負の遺産まで、わが国の歴史に刻んだ。我々に遺されたこれらの産物をどう整理し、今後の災害復興に生かしていくべきなのか。「復興」という言葉が社会的に重要な意味を帯びて語り出された関東大震災から100年の節目に、あらためて「復興」について考えたい。

日 程

2023年1月7日(土)13:00~17:30  全国被災地交流集会「円卓カフェ」

2023年1月8日(日)13:00~17:00  シンポジウム

場 所 関西学院会館レセプションホール(兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155)
http://member.kwangaku.net/kwangakukaikan/access.html

【主  催】関西学院大学災害復興制度研究所
【共  催】日本災害復興学会
【後  援】朝日新聞社

1月7日(土)13:00~17:30 全国被災地交流集会「円卓カフェ」  

「関東大震災100年、あらためて『復興』を語り合う」 

所長の山泰幸が長年地域で実践を重ねてきた「哲学カフェ」の形態で「円卓カフェ」として実施予定。「哲学カフェ」とは、フランスのパリが発祥で、毎週日曜日の朝、カフェに人々が集まってコーヒーを飲みながら、自由にいろいろなテーマを議論する場のことで、現在、日本各地で開催されている。今回は、「復興」という言葉が重要な意味をもって語り出された関東大震災100年の節目に、哲学カフェ方式で、あらためて「復興」について語り合うことにしたい。

[第一部] 研究者が「復興」に関わるとは(13:00~15:10)

      溝口 勝  (東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
      秋光 信佳 (東京大学アイソトープ総合センター研究開発部教授)
      岡田 憲夫 (京都大学名誉教授・関西学院大学災害復興制度研究所顧問)
      郭 基煥  (東北学院大学経済学部共生社会経済学科教授)
      大矢根 淳 (専修大学人間科学部教授)
      宮本 匠  (大阪大学大学院人間科学研究科准教授)

  

[第二部] 被災者・支援者にとっての「復興」(15:10~17:00)

      古部 真由美(東日本大震災県外避難者西日本連絡会まるっと西日本代表)
      村上 浩司 (一般社団法人epoおかやま笑顔プロジェクト代表理事)
      槙原 聡美 (川辺復興プロジェクトあるく代表)
      出口 俊一 (兵庫県震災復興研究センター事務局長)
      磯辺 康子 (元神戸新聞編集委員、現あしなが育英会虹の心塾塾頭)
      津久井 進 (弁護士)
        

[第三部] 全体討論会(17:00~17:30)

 コメント:山中 茂樹 (関西学院大学災害復興制度研究所顧問)

 司  会:山 泰幸   (関西学院大学災害復興制度研究所所長・人間福祉学部教授)

  

1月8日(日)13:00~17:00 シンポジウム  

会 場 関西学院会館 レセプションホール
シンポジウム

 13:00~13:10 開会挨拶  中道 基夫(関西学院院長)
                  村田 治 (関西学院大学学長)

 

13:10~14:00 特別講演 「今どこでも起きうる災害の復興を先人たちに学ぶ
                     ~賀川豊彦とその妻の関東大震災~」

玉岡 かおる(作家)

  •  作家。大阪芸術大学教授。神戸女学院大学卒業。
  •  平成元年、神戸文学賞受賞作『夢食い魚のブルー・グッドバイ』(新潮社)で文壇デビュー、15万部のベストセラーとなる。
  •  『天涯の船』、『天平の女帝孝謙称徳』(新潮社)、『ウエディングドレス』(幻冬舎)、『姫君の~千姫流々』(PHP研究所)
  •  など著者多数。TVドラマ化・舞台化された話題作『お家さん』(新潮社)で、第25回織田作之助賞を受賞。
  •  ’22年、『帆神~北前船を馳せた男・工楽松右衛門』(新潮社)で第41回新田次郎文学賞を受賞。
  •  最新作は『われ去りしとも美は朽ちず』(潮出版)、『春いちばん~賀川豊彦の妻ハルのはるかな旅路』(家の光協会)を今秋
  •  2冊連続出版。

 

14:00~14:50 基調講演「歴史の陰翳と人間復興

中島 隆博(東京大学東洋文化研究所教授

  •  東京大学大学院総合文化研究科の准教授、東洋文化研究所の准教授(2012年10月)を経て、2014年4月より同教授。 2016 年4月
  •   から2018年3月まで東洋文化研究所副所長を務める。
  •  主な著書に、『中国哲学史――諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで』(中公新書)、『危機の時代の哲学――想像力のディス
  •  クール』(東京大学出版会)、『全体主義の克服』(マルクス・ガブリエルとの共著、集英社)、『世界哲学史』全9巻(編共著、
  •  ちくま新書)、『日本を解き放つ』(小林康夫との共著、東京大学出版会)、『思想としての言語』(岩波現代全書)、『コスモ
  •  ロギア――天、化、時』(編共著、法政大学出版局)、『悪の哲学――中国哲学の想像力』(筑摩選書)、『共生のプラクシス―
  •  ―国家と宗教』(東京大学出版会、第25回和辻哲郎文化賞受賞)、『ヒューマニティーズ 哲学』(岩波書店)、『荘子の哲学』
  •              (講談社学術文庫)、『残響の中国哲学――言語と政治』(東京大学出版会)など多数。
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  • 15:05~16:55 パネル討論「関東大震災100年、あらためて『復興』概念を問い直す」
  • 《パネリスト》
     中島 隆博(東京大学東洋文化研究所教授)

  •  プロフィール等詳細は<基調講演>を参照
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 山中 茂樹(関西学院大学災害復興制度研究所顧問)

  •  1946生まれ、大阪府出身。朝日新聞神戸支局次長のとき、阪神・淡路大震災に遭遇。これを機に震災・防災担当の編集委員に転じ、
  •  震災10年にあたる2005年4月、関西学院大学災害復興制度研究所の創設に参加、主任研究員・教授に就任。2015年3月に退職する
  •  まで10年間、主任研究員を務め、2007年度には日本で初めての災害復興学講座を開講した。これまでNPO法人・大規模災害対策研
  •  究機構副理事長、(社)減災・復興支援機構副理事長などを歴任。日本災害復興学会特別顧問(終身)、東日本大震災県外避難者連
  •  絡会(まるっと西日本)顧問。専門は災害復興論、災害報道論。著書に『漂流被災者ー「人間復興」のための提言』(河出書房)
  •  『いま考えたい~災害からの暮らし再生』(岩波ブックレット)、『震災とメディア』(世界思想社)など。
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  •  杉浦 秀典(賀川豊彦記念松沢資料館副館長・学芸員)

  •  1964年生まれ 賀川豊彦記念松沢資料館 副館長・学芸員
  •  国立公文書館認証アーキビスト、日本アーカイブズ学会総務委員・登録アーキビスト
  •  2001年より同館の展示コンテンツの管理を手掛け、またアーキビストとして情報資源管理とコンテクスト調査および、目録・データ
     ベース構築を日常業務としている。さらにエデュケーターとして協同組合、労働組合向けの効率的な研修プログラムの企画・実施を
  •  行っている。また世界連邦運動協会執行理事として政策提言にも携わる。共著『協会アーカイブズ入門』、メディア出演:NHK『知
  •  恵泉』、BS朝日『昭和偉人伝』野方ウスレアン・メソヂスト教会主任牧師 西南学院大学神学部卒、同神学専攻科修了
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  •  趙 寛子(ソウル大学日本研究所副教授)

  •  ソウル大学を卒業し出版社に勤めた後、東京大学大学院総合文化研究科地域文化専攻コースにて日本思想史を勉強する。
  •  日本の国学、日韓ナショナリズムの連環を研究して博士(学術)号を取得する。中部大学歴史地理学科准教授を経て、現在、ソウル大
  •  学日本研究所に勤めている。反日・嫌韓の問題など、日韓ナショナリズムの衝突を超えられる思想課題を探り、同時代の社会問題を調
     べている。教育コンテンツの研究開発にも関心がある。単著に『植民地朝鮮/帝国日本の文化連環ーナショナリズムと反復する植民地
  •  主義』(有志舎)、『日本ナショナリズム思想史―戦時・戦後体制を越え東アジア思想課題を探る―』(ソウル大学出版会、韓国語)、
  •           共著に『知識人から考える公共性』(東京大学出版会)、岩波講座『動員・抵抗・翼賛』など。

 

  • 《コーディネーター》
     山 泰幸(関西学院大学災害復興制度研究所所長・人間福祉学部教授)

  •  関西学院大学災害復興制度研究所所長・人間福祉学部教授。
  •  持続可能な地域づくり、地域防災、減災まちづくり、災害復興をテーマに、住民・行政・NPO等と連携しながら、長期密着型のフィー
  •  ルドワークに基づく実践的な研究を行う。災害や過疎からの地域復興まちづくり、自主防災組織とコミュニティづくり、高齢者の社会
     参加のための場づくり等、取り組みは多岐にわたる。フランス留学中に「哲学カフェ」に出会い、帰国後、長年にわたり各地で実践を
  •  重ねながら、まちづくりにおける語り合う場のデザイン手法の開発に取り組んでいる。災害復興制度研究所には設立準備段階から関わ
  •  り、2016年4月から副所長を務め、2022年4月に所長に就任。京都大学防災研究所巨大災害研究センター客員教授、日本災害復興学会
  •  理事等を兼務している。

  

16:55~17:00 閉会挨拶 山 泰幸(関西学院大学災害復興制度研究所所長)

※1月8日(日)2022年度日本災害復興学会総会を開催します。
(会場:関西学院大学上ケ原キャンパス)

お申込み方法

参加ご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
https://forms.gle/JHy6zymX8i2KWWvAA
FAXをご希望の方は、参加申し込み用紙に必要事項をご記入の上、お申し込みください。
申込締切日:2022年12月20日(火)

※密集を避けるため、会場の定員を制限しております。座席数に限りがありますことをご了承ください。(先着順)
※ご来場の方全員にマスクの着用、出入り口でのアルコール消毒をお願いしております。また、当日受付の際、検温(非接触)を実施させていただきます。
※オンラインで参加の方は「Zoom」にてご参加いただけます。申込フォームにてお申し込みいただいた方に、1月6日頃オンライン参加用の情報をお送りいたします。
※参加申し込み用紙に記載された個人情報は本学の関連業務以外に使用することはありません。

参加申し込み用紙ダウンロード

チラシダウンロード

2023年復興・減災フォーラムチラシ