2022.01.08.
関西学院大学災害復興制度研究所 2022年復興・減災フォーラム 地球異変と私たちの未来

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は2021年の第6次報告書で「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と言及し、その影響が複合的な極端現象の発生確率を高めていると指摘している。日本のみならず中国、ドイツを中心としたヨーロッパにおける大洪水などこれまで人類が直面したことのないレベルで危機的な気象災害が発生している。このような点から今年度の復興・減災フォーラムは「地球異変と私たちの未来」をテーマとする。個別テーマとしては初日の全国被災地交流集会「円卓会議」では「地球異変に立ち向かう~若者の挑戦・復興への課題」をテーマとし、2日目のシンポジウムでは「地球異変に立ち向かう~社会再生と人間復興にむけて」をテーマとする。
 昨今の豪雨災害においてこれまでの国土防災の常識は通用せず、新型コロナウイルスという全世界を脅かす感染症の流行で、応急対応―復旧・復興―防災という災害サイクルの各フェーズで、これまでにない発想と工夫が求められている。とりわけ「既定復興」と揶揄されているように固定化された災害復興のメニューでは復興は覚束ず、仮設住宅の生活が長期に及ぶなど人々の生活再建も滞ったままだ。東日本大震災を経験し、首都直下地震と南海トラフ巨大地震の襲来におびえる今日、われわれには、どのような戦略が必要なのかを考える。

日 程

2022年1月8日(土)13:00~17:30
全国被災地交流集会「円卓会議」

2022年1月9日(日)13:00~17:00
シンポジウム

場 所 関西学院会館レセプションホール(兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155)
http://member.kwangaku.net/kwangakukaikan/access.html

【主  催】関西学院大学災害復興制度研究所
【共  催】日本災害復興学会
【後  援】朝日新聞社

1月8日(土)13:00~17:30 全国被災地交流集会「円卓会議」  

テーマ:地球異変に立ち向かう~若者の挑戦・復興への課題 

 新型コロナウイルス感染症が収束をみない中、豪雨災害は今年も日本各地で発生した。気候変動の影響によって今後も豪雨災害は頻繁となる可能性が非常に高くなると予測されている。この毎年のように発生する豪雨災害に対して今こそ過去の被災地から現在の被災地へ経験の共有が求められる。第一部はボランティアとしてつながる若者らの声を聴く場とする。そして第二部では過去の被災地の今と現在の被災地をつなぐ。

[第一部] 若者円卓会議(13:00~14:45)
      ■遠隔で被災地を想う・足元をみつめる
       植田 隆誠、銭谷 早紀(関西学院大学)  
       堀田 ちひろ(神戸大学震災救援隊) 
       山口 伊吹、西井 優空、京本 真凜(西宮今津高校ING部) 

      ■被災地で支える
       山北 翔大(熊本学園大学社福災害学生ボランティアグループ代表)  
       林 智子(被災地支援チームOKBASE/佐賀県神埼市)
       外屋敷 優花、関 美慶(CDSTおれんじぴーす/熊本県玉名市) 
       松村 光河、酒井 奏恵、和久田 虹花(秀岳館高校/熊本県八代市) 

      ■コメント
       宮本 匠(兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科准教授) 


 

[第二部] 豪雨災害からの支えあいと復興(15:00~16:45)
       乾 耕輔(奈良県十津川村施設課長) 
       鈴木 隆太(一般社団法人おもやい代表理事/佐賀県武雄市)  
       岩崎 哲秀(熊本県球磨村ふるさと再生の集い事務局) 
       大迫 雅俊(NPO法人SKY協働センター代表/広島県坂町) 
       余田 明美(あじさいDREAMクラブ/兵庫県丹波市) 
       今井 頼子(丹波復興女性プロジェクト会ぽんぽ好/兵庫県丹波市) 
       矢野 正広(認定NPO法人とちぎボランティアネットワーク/栃木県宇都宮市)   
       
      ■コメント
       室崎 益輝(兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科長・教授) 
       山中 茂樹(関西学院大学災害復興制度研究所顧問) 
       宮原 浩二郎(関西学院大学災害復興制度研究所所長) 
       山 泰幸(関西学院大学災害復興制度研究所副所長) 

[第三部] 全体討論会(16:45~17:30)
       司会 斉藤 容子(関西学院大学災害復興制度研究所主任研究員・准教授)
 


 

1月9日(日)13:00~17:00 シンポジウム  

テーマ:地球異変に立ち向かう~社会再生と人間復興に向けて 

会 場 関西学院会館 レセプションホール
シンポジウム

13:00~13:10 開会挨拶  舟木 讓(関西学院院長)
                  村田 治(関西学院大学学長)


 

13:10~13:50 特別講演「Z世代が思う地球の今」

露木 志奈(環境活動家)

  •  2001年横浜生まれ、中華街育ち。「世界一エコな学校」と言われるインドネシアの「Green  School Bali」で高校3年間を
  •  過ごし、卒業。COP24(国連気候変動枠組条約締約国会議)in Poland COP25 in Spainに参加。
  •  肌が弱かった妹のためにShiina Cosmeticsを立ち上げる。
  •  2019年9月、慶應義塾大学に入学。現在は、環境講演を全国の小中高学校で行うため、休学中。
  •  
  •  

13:50~14:40 基調講演「災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候」

原田 憲一(前至誠館大学学長、前比較文明学会会長)

  •  1946年生まれ。1977年京都大学大学院博士課程修了(理学博士)、1978-79年独アレキサンダー・フォン・フンボルト財団
  •  奨学研究員(キール大学古生物学地質学教室)、1979-80米国ワシントン州立大学地質学教室客員講師、1980年山形大学理
  •  学部地球科学科助教授、1995年同地球環境学科教授、2002-12年京都造形芸術大学(教養教育担当)教授、2015-18年至誠館
  •  大学学長。2017-20年比較文明学会会長。1991-94年文科省重点領域研究「環境の変動と文明の盛衰」、1992-95年同「災害多
  •  発地帯における『災害文化』の研究」に参加し、災害が日本文明に与えた影響の研究を開始。著書は『地球について』(国際
  •  書院)、『地球環境と公共性(公共哲学9)』(共著、東京大学出版会)、 『平安京のコスモロジー』(共著、創元社)、
  •               『日本の聖地文化』(共著、創元社)ほか。
  •  
  • 14:55~16:55 パネル討論「水害から一人一人の復興を可能にする制度づくりへ向けて」

  • 《パネリスト》
     高林 秀明(熊本学園大学社会福祉学部教授)

  •  社会福祉学をベースに各地で生活問題調査に取り組んでいる。1996年、阪神淡路大震災の仮設住宅にて「孤独死調査」を実施。
  •  熊本地震では避難所運営のリーダーを担い、その後「みなし仮設」を支援しながら実態調査を行う。熊本豪雨の直後から人吉市
  •  にて学生と支援活動を続ける。主な論文・著書に「コロナ禍における災害ボランティア活動の課題と教訓」『復興』(日本災害
  •  復興学会、2021年)、『障害者・家族の生活問題』(ミネルヴァ書房、2008年)。公共政策学博士(熊本大学)。兵庫県社会福
  •  祉協議会主事、県立広島女子大学を経て2005年に熊本学園大学へ。国立民族学博物館共同研究員。
  •   
  •  

 小松 政(佐賀県武雄市長)

  •  1976生まれ、京都府出身。2001年、東京大学法学部卒業。同年、総務省入省。大分県庁、内閣官房、福岡市役所へ
  •  の出向等を経て2010年に退職。同年、武雄市役所へ入職。公益財団法人東日本大震災復興支援財団への出向等を経て、秘書課長
  •  等を務めた。2015年、武雄市長に就任。現在2期目。
  •  武雄市は2019年の豪雨災害に引き続き、2021年の豪雨災害と、2年で2度の大雨による大規模浸水被害を受けた。「床上浸水ゼロ」
  •  を目標に、頻発する異常気象の中でも、誰もが安心して住み続けられ、新たなにぎわいが生まれる気候変動に対応したまちの実現
  •     に向け尽力している。
  •   
  •  津久井 進(弁護士)

  •  1969年、愛知県生まれ。神戸大学法学部在学中に司法試験に合格し、阪神・淡路大震災の発生当時は司法修習生でボランティアを
  •  経験する。1995年4月より兵庫県弁護士会に登録。被災者の法的支援に携わる。兵庫県弁護士会会長(2021年度)、日本弁護士連合
  •  会災害復興支援委員会前委員長、近畿災害対策まちづくり支援機構事務局次長、兵庫県震災復興研究センター共同代表、一人ひとり
     が大事にされる災害復興法をつくる会共同代表、関西学院大学災害復興制度研究所研究員。
  •  主な著書は「災害ケースマネジメント◎ガイドブック」(合同出版)、「大災害と法」(岩波新書)、「Q&A被災者生活再建支援法」
  •  (商事法務)など。
  •   
  •  斉藤 容子(関西学院大学災害復興制度研究所主任研究員・准教授)

  •  大学卒業後、(特活)CODE海外災害援助市民センターにて海外の被災地での復興支援(アフガニスタン、イラン、スリランカ等)
  •  にあたる。2005年イギリス・ノーザンブリア大学災害と持続可能な開発コース理学修士課程を修了後、国際連合地域開発センター
  •  (UNCRD)防災計画兵庫事務所で研究員として勤め、アジア各国のジェンダーに配慮した防災対策事業を担当。
     2013年、関西学院大学総合政策学部博士課程修了。2012年よりひょうご震災記念21世紀研究機構・人と防災未来センター主任研究
  •  員を経て現職。立命館アジア太平洋大学非常勤講師、兵庫県立大学非常勤講師、神戸大学国際協力研究科非常勤講師、兵庫県三木市
  •  防災会議委員など歴任。

 

  • 《コーディネーター》
     金子 由芳(神戸大学社会システムイノベーションセンター教授)

  •  東京大学法学部を卒業後、日本輸出入銀行(現・国際協力銀行)調査役、広島大学国際協力研究科准教授等を経て現職。
  •  博士(法学)。専攻はアジア法・災害法制。アセアン諸国を主な研究フィールドとし、インドネシア・アチェ津波被災地シャクアラ
  •  大学との共同研究、ミャンマーのサイクロン・ナージスの復興調査等を継続し、大学院のゼミではアジア諸国派遣の留学生を多数指
     導。東日本大震災後、岩手県沿岸の被災地を中心に調査を重ね、岩手大学地域防災研究センター客員教授を兼務。
  •  著書として「神戸発・震災復興学」(ミネルヴァ書房)、「災害復興の法と法曹」(成文堂)、「Asian Law in Disasters: Toward a 
  •           Human-Centered Recovery」(Routledge)など。
  •  
  •  

16:55~17:00 閉会挨拶 宮原 浩二郎(関西学院大学災害復興制度研究所所長)

※1月9日(日)2021年度日本災害復興学会総会を開催します。
(会場:関西学院大学上ケ原キャンパス)

お申込み方法

参加ご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
https://forms.gle/NC2M4W1RgpNGeb8F8
FAXをご希望の方は、参加申し込み用紙に必要事項をご記入の上、お申し込みください。
申込締切日:2022年1月5日(水)

※密集を避けるため、会場の定員を制限しております。座席数に限りがありますことをご了承ください。(先着順)
※ご来場の方全員にマスクの着用、出入り口でのアルコール消毒をお願いしております。また、当日受付の際、検温(非接触)を実施させていただきます。
※オンラインで参加の方は「Zoom」にてご参加いただけます。申込フォームにてお申し込みいただいた方に、1月7日頃オンライン参加用の情報をお送りいたします。
※参加申し込み用紙に記載された個人情報は本学の関連業務以外に使用することはありません。

参加申し込み用紙ダウンロード

チラシダウンロード

2022年復興・減災フォーラムチラシ

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