研究会

全体研究会

 災害対応は総合学です。自然科学や理学、工学だけで対応できるものではありません。阪神・淡路大震災の直後、作家の小松左京氏が朝日新聞に次のような主張を寄稿しています。
 「日本列島を襲う自然災害─地震や津波だけでなく、台風、噴火、洪水といったものを含めて─の基本的性格を、自然科学系に輪郭を与えてもらうだけでなく、工学系、社会学系、経済学系、医学系、政治学系、法学系、さらにはマスコミ・ジャーナリズム系も参加して、『総合防災学会』が組織されるべきではないか」復興も同じだと考えています。一つの都市、一つの村、一つの地域ごと多くの人生が壊されるわけです。社会インフラの復旧はじめ、住宅、生業、生活、こころの再建などに要する知恵、労力、資金力は並大抵のものではありません。
 全体研究会では、この同じ災害にかかわっていても活動分野、研究対象、支援手法の違う人たちが顔をそろえ、学際的交流を深めるとともに、専門外の知識を吸収する場でもあります。
 研究所にかかわる人たちはさまざまな知識・経験をお持ちの方ばかりです。ゲストスピーカーを呼んで、勉強するのも一つの方法ですが、研究員それぞれが蓄積されている知恵を共有する場でもあります。テーマ研究会が進めている研究の方向性や欠けている分野の調整もこの全体研究会で進めていきます。
 再び、小松氏の言葉を借りるなら、各界・各層で日夜、災害に対峙(たいじ)している人たちが「安全のための連帯」によって「生命社会の防衛組織」を構築していく。全体研究会が、そのことを確認する場となれば、と考えています。

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