2006.05.15.
7月2日~12月6日(全12回 1回のみの参加も可)市民のための防災・危機管理カルチャー講座「関西を再び大地震が襲うとき~あなたの備えは」関西学院大学災害復興制度研究所・朝日カルチャーセンター共催

関西学院大学災害復興制度研究所・朝日カルチャーセンター共催
◆市民のための防災・危機管理カルチャー講座「関西を再び大地震が襲うとき~あなたの備えは」
◆会場:関西学院大学大阪梅田キャンパス
◆住所:大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー(ホテル阪急インターナショナル)14階 TEL06-6485-5611
◆アクセス:阪急梅田駅 茶屋町口改札口より 北へ徒歩5分
◆スケジュール

第1回 7月2日(日)13:30-15:30 「危機管理」
室崎益輝(総務省消防庁消防研究センター所長、神戸大学名誉教授、中央防災会議専門委員)
第2回 7月12日(水) 13:30-15:00 「災害ボランティア」
村井雅清(CODE海外援助市民センター理事・事務局長、被災地NGO恊働センター代表)
第3回 7月26日(水) 13:30-15:00 「減災ゲームで学ぶ」
矢守克也(京都大学防災研究所巨大災害研究センター助教授)
第4回 8月9日(水) 13:30-15:00 「関西の地震」
安藤雅孝(名古屋大学大学院環境学研究科附属地震火山・防災研究センター教授、中央防災会議専門委員)
第5回 8月23日(水) 13:30-15:00 「災害情報の諸問題」
森康俊(関西学院大学社会学部専任講師、災害時における地方公共団体と事業所間の防災協力検討会(総務省消防庁)専門委員)
第6回 9月13日(水) 13:30-15:00 「防災と保険」
岡田太志(関西学院大学商学部助教授、日本保険学会評議員)
第7回 9月27日(水) 13:30-15:00 「防災マップづくり」
渥美公秀(大阪大学大学院人間科学研究科助教授、日本災害ボランティアネットワーク理事)
第8回 10月11日(水)13:30-15:00 「こころのケア」
池埜 聡(関西学院大学社会学部助教授)
第9回 10月25日(水)13:30-15:00 「マンションの問題」
永井幸寿(日本弁護士連合会災害復興支援に関する全国協議会WG座長、弁護士)
第10回  11月8日(水)13:30-15:00 「安全なまちづくり」
野崎隆一(神戸まちづくり研究所理事・事務局長、遊空間工房代表取締役、建築士)
第11回  11月22日(水)13:30-15:00 「被災者支援」
山中茂樹(関西学院大学災害復興制度研究所教授、元朝日新聞編集委員)
第12回  12月6日(水)13:30-15:00 「家庭の中から防災」
黒田裕子(阪神高齢者・障害者支援ネットワーク理事長、朝日社会福祉賞04年度受賞者)


◆趣旨
 関西に大地震はもう来ない。あなたはそんな迷信を信じていませんか。近い将来、必ず起きるといわれている東海・東南海・南海地震が同時に発生すれば死者2万8300人、全壊戸数96万棟という阪神大震災の5-10倍もの大被害が予想されています。さらに上町断層、琵琶湖西岸断層、有馬・高槻構造線、山崎断層、花折断層などいつ動いても不思議のない活断層が数多く存在する関西。地球温暖化に伴う異常気象や人為災害もますます増えると予想されています。とくに阪神・淡路大震災では経験しなかった津波や長周期地震による高層ビルの被害など、私たちが未体験の災害も考えておかなければなりません。格差社会、国・自治体の財政難。いったん被災すれば十分な公的支援を受けられない恐れもあります。いまこそ市民の危機管理・防災のための準備を始めなければなりません。この講座を、自分を、家族を、近隣社会を守る第一歩としませんか。

◆受講料:通しで2万2680円、一回分は2100円。
◆申し込み:朝日カルチャーセンター大阪
 トップページ:http://www.asahi-culture.co.jp/cgi-bin/lecturetable.cgi?cid=1&cose=fresh&cose=fresh&page=1
ホームページの講座案内から申し込んでください。
電話:06-6222-5222
Fax:06-6222-5221
◆受付開始:5月27日(土)~
◆問い合わせ:関西学院大学災害復興制度研究所(0798-54-6996)

【第1回】
開講式・関西学院大学災害復興制度研究所 主任研究員 山中茂樹(あいさつ)
講師:室崎益輝
演題:「これからの危機管理~あすの大災害に備える」
講演内容:21世紀はマルチハザードの時代。地震、異常気象、テロ、大事故、異常犯罪…。だが関西の人間はラテン系。各種世論調査でも「大地震は当分来ない」「備えをしても無駄」などといった回答が目立つ。本当に大丈夫なのか。自分だけは生き残る、という思いこみに警鐘を鳴らし、近づく危機の全容を概説するとともに、サバイバルのための心構え、身につけるべき基本的ことがらを指導する。
【第2回】
講師:村井雅清
演題「ボランティアが社会を変える!!~「防災」ボランティアの役割、国内外の事例から~」
講演内容:阪神・淡路大震災で私たちが経験しなかった最大の災厄。それは津波だ。スマトラ沖大地震でインド洋沿岸を襲った大津波の支援体験をはじめ、トルコ、イラン、インド地震など海外の、さらには阪神大震災、北関東水害、有珠山噴火災害、新潟県中越地震など国内の豊富な救援活動を通じて会得した被災者の、被災地の自立支援とは何かを考える。
【第3回】
講師:矢守克也
演題:ゲームで学ぶ減災対策
講義内容:災害時、私たちはパニックに陥り、ともすれば判断を誤る。危機に臨んだ際に迫られるのはマイナスとマイナスの選択。どちらがより被害を少なくするかだ。そんな判断力をゲームを通じて養おうというクロスロードゲーム(分かれ道のゲーム)。家庭、学校、地域社会ですぐに活用できる防災・減災学習ツールを紹介し、一部について、参加者同士で実際にプレーして理解を深める。
【第4回】
講師:安藤雅孝
演題:関西を襲う地震
講義内容:近い将来の発生が確実視されている海溝型(プレート境界型)地震は近代都市が初めて体験する巨大地震。沿岸部には津波が、山間部には地盤災害が、都市では超高層ビルに大打撃を与える長周期地震波が予想されている。これから関西を襲う地震にはどんなものがあるのか、どんな地震被害が起こるのか?東南海・南海巨大地震による津波や強震動による被害の危険が大きい関西で地震にどのように備えるか、少しでも被害を減らすことができるのかを考えたい。
【第5回】
講師:森康俊
演題:災害情報の諸問題
講義内容:災害時・緊急時には情報の有無が命を左右することになる。情報通信の諸問題について、ヒト・ハード・ソフトの3つ切り口から具体的事例をあげながら検討。?@国の危機対応スキーム(情報の観点から)?A自治体の危機対応(地域防災計画を読む)?B災害時のマスコミ報道?C安否情報と個人情報保護?D災害救急医療と情報システム?E緊急地震速報?FJ-Alert(全国瞬時警報システム)などにテーマについて考える。
【第6回】
講師:岡田太志
演題:防災と保険
講義内容:災害に対応するには自助、共助、公助のバランスが必要と言われる。自助の代表例が保険だろう。阪神大震災以降、地震保険の加入者は増えたのか。最近は被害を100%補償するという超保険の商品化も伝えられるが、巨大災害に保険は耐えられるのか。防災にかかわるリスクマネジメントの一環としての保険の利用可能性とその限界についてともに考える機会としたい
【第7回】
講師:渥美公秀
演題:防災マップづくり
講演内容:巨大地震が起きたとき、自宅周辺がどう姿を変えるか、想像されたことがあります。建物倒壊や火事、落橋で逃げ道が閉ざされる。近くに公衆電話はあったか。飲み物を買える場所は。避難所、警察、消防署、病院はつぶれず業務を始めているか。普段からこんな事態を想定し、自宅周辺地図に書き込んでおけばあわてずにすむ。実際の防災マップづくりをビデオで紹介し、指導する。
【第8回】
講師:池埜聡
演題:災害後の「こころのケア」の実際と課題
講義内容:阪神大震災から池田小事件まで、「こころのケア」という言葉が定着し、惨事ストレスを受けた被災者・被害者への心理的支援が展開されるようになった。こころのケアとは何をするものなのか。また支援を行っていくうえで課題となっている点を臨床、および制度の側面から概説する。
【第9回】
講師:永井幸寿
演題:マンションと地震問題
講義内容:姉歯耐震偽装事件以降、マンションに対する信頼は揺らぐばかりだ。阪神大震災で被災したマンションや建物の設計・施工者の責任はどうなったのか。マンションの補修と建て替えをめぐってどんな問題が起きたのか。耐震改修を促進していくためにはどんな支援があるのか。マンションを中心に地震と被災をめぐるトラブルなど法律面から安全・安心な建物について考える。
【第10回】
講師:野崎隆一
演題:地域の安全とまちづくり
講義内容:地震で被災すれば、街の再建にあたって都市再開発や土地区画整理など私権の制限が押し寄せてくる。地域の合意が得られなければ、個々の被災からの立ち直りも遅々として進まず、二重の被害を受ける可能性さえある。法律面の手続きも複雑で難解だ。阪神・淡路大震災の教訓を通じ、住民主体のまちづくりとは何かを「まちづくり」の事例を紹介しながら考える。
【第11回】
講師:山中茂樹
演題:被災地支援
講義内容:被災者支援の各種法律や支援策を知っておかなければ思わぬ損をする。支援制度は災害ごとに変わり、しかも国の省庁ごとに行われる縦割り行政。地方の市町村はすべての制度に熟知しているとは限らず、支援を受けるタイミングを失する事例も少なくない。住宅再建、生活支援、地域の再建支援にどんな制度があり、なにに気をつけておけばよいのかを阪神大震災以降の災害事例を交えて紹介する。
【第12回】
講師:黒田裕子
演題:あなたの家庭の中から防災・減災をしまょう。
講義内容:災害時あなたが、あなたの「いのち」を守る為には日常のなかで、どのような準備をしておけばよいのか。また、自分自身・家族に病人や障害者がいれば、普段からどのような態勢をとっておけば良いのかを教える。家庭の中からの防災・減災。さらには、けが人が複数いる場合、どの人の救護を優先するかを見分ける「トリアージ」の仕方も教える。