2011.03.28
山中茂樹「阪神・淡路大震災の教訓 漂流し疎外される被災者を生まない」

阪神・淡路大震災の教訓 漂流し疎外される被災者を生まない

 東日本大震災の被災地から県外に脱出する人が相次いでいる。家を失い、被災地での生活が困難になった人たちと、家は無事でも原発事故で避難を強いられた人たちだ。大半の人たちは一時避難の心づもりだろうが、16年前の阪神・淡路大震災では多くの被災者が心ならずも故郷との絆を断たれ、全国を“漂流”することになった。政府、被災自治体、そして受け入れ自治体は、かつての過ちを繰り返すことなく、初期段階から被災者たちを確実に帰還させるプログラムを立案し、情報・生活支援を整える必要がある。
阪神・淡路大震災で「戻りたいけど戻れない」といわれた県外被災者の実数はいまだに定かでない。兵庫県は5万4700人といい、内閣府の非公式資料は12万人ともいう。震災の年の9月に市民団体が創刊した県外被災者の支援機関誌「りんりん」は、愛する故郷を離れた人たちの切実な声を伝える。 。。

≪週刊エコノミスト 平成23年4月5日特大号 掲載≫

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