「ディアコニア」とは、聖書に起源をもつキリスト教の概念であり、教会の中で奉仕・愛を実践へと導いてきた言葉です。たとえばエフェソ書4 章12節の「聖なる者たちは奉仕の業に適した者とされ」では、ディアコニア（奉仕の業）が人びとに委託されており、そのために備える、即ち必要な技能を身につける必要性が述べられています。
この言葉やイエス・キリストの言動に基づいて、教会は人びとをディアコニア（奉仕の業）に導き、その奉仕のための教育・訓練を行ってきました。この歴史が、関西学院のスクール・モットーである“ Mastery for Service（奉仕のための練達）＂の背景にあります。
このプログラムの特徴は、キリスト教に基づいた人間理解、いのちの理解を深め、多彩な現場においては、スピリチュアルケアについて体験・実践的な授業を行うことです。
神学部ではこのプログラムのために、キリスト教に基づいたスピリチュアリティ（霊性）についての考察を深め、また日本や多彩な文化を考慮したスピリチュアルケアのあり方を考えていく「キリスト教霊性論」、キリスト教福祉現場で働く講師陣と一緒にディアコニアについて考える「ディアコニア概論A・B」、現場で体験したことをアカデミックな場において分析する「キリスト教社会実習」、そしてお互いが交流を深め様々なテーマについて体験的に学ぶ「ディアコニア・ワークショップA・B・C・D」という科目を開講しています。
このディアコニア・プログラムは神学部の学生だけではなく、キリスト教社会福祉に関心のある他学部生、また社会福祉の現場ですでに働いておられる社会人の方々にも開かれています。様々な人達が出会い、顔と顔を合わせ、お互い立場が違う中で刺激し合えるblending community を作っていきたいと考えています。