[ 神学部 ]須藤 啓介さん(キリスト教思想・文化コース)

Q1.神学部に入学したきっかけは?
 私は高校生の時に倫理の資料集を読んで神学を知りました。当時、私は生きていくということが苦しいと強く感じるようになり、その悩みを解決したいという思いから倫理の資料集を読みふけっていました。その中でも特に放蕩息子の帰還の解説に書いてあった「無差別に注がれる神の愛」という概念に興味を持ちました。そうしたキリスト教の考えやその他の哲学に触れる中で、大学では人生を生きる上で自分を支えてくれるような思想を学びたいと思うようになりました。そして、もしかしたら神学が自分の人生を支えてくれる一つの考え方になるかもしれないと思い神学部に入りました。

Q2.現在神学部で興味を持って学んでいることは?
 「キリスト教と文学」という授業で学んだ、国を越えたアイデンティティの問題、そして「キリスト教と世界の諸地域」という授業で学んだドイツの教会にあるユダヤ人を揶揄する彫像「ユーデンザウ」の撤去問題などはとても興味深かったです。これらの授業からは一つの問題に対して様々な視点から考えるということを学びました。ゼミでは、私がかつて住んでいた香港で起きた民主化運動とその弾圧について様々な視点から考えていきたいと思っています。また、今まで学んできた神学の知識をそのような国際的な問題にどう生かせられるかということについても興味があります。

Q3.将来の夢や目標は何ですか?
 現段階では映画や映像に携わる仕事に興味があります。私は自主映画を製作するサークルで映像制作をしているのですが、歴史に記されることのない人々の苦しみといった心情をリアルに描き出すという点で映像は有効な媒体であると考えています。特に映画はおよそ1時間から2時間という時間の中で俳優の演技や様々な演出を通してそうした人々の生活や人生を表現します。映画を通して、私たちはそこで描かれている人間がどのような境遇にあったのか、どう感じていたのかなどをより深く理解できます。時代が揺れ動いてる今だからこそ、大きな視点では見過ごされがちな人々の心情を映像として表現することが重要であると私は思います。

Q4.神学部生、神学部入学を目指している受験生に対してメッセージをお願いします。
 関西学院大学神学部はクリスチャンだけでなく、様々な背景を持つ人々に門が開かれています。私自身も神学部に入ってからキリスト教を一から知っていきました。神学部ではクリスチャンもそうでない人も自分の意見や考えを発信し、その中で多様な考え方を学びます。私は神学部に入って自分の世界に対する視野が広がりました。神学部に興味はあってもキリスト教や神学がどういうものなのかわからないという方でも、学びたいという気持ちさえあれば心配はいりません。皆さんが思っている以上に神学は広く、そして深いです。キリスト教、神学に少しでも興味があるという方は関西学院大学神学部の門をたたいてみてはいかかでしょうか。

※本ページの内容は2022年11月現在のものです。