2023.03.30.
【特集】留学生として総政で学ぶ~留学生座談会②~

多くの留学生が所属する総合政策学部。今回は留学生の目線で総合政策学部の学び、また大学生活について語ってもらう座談会を開催しました。

なぜ日本に?総合政策学部ではどんな学びを?普段の生活は?などなど、留学生のリアルな話を、全3回にわけてお届けします!

進行役は総合政策学部での留学生サポート委員として、多くの留学生の学びを支えている牲川准教授です。

(出席者)※学年は取材当時
・ゲン アンチー 都市政策学科3年
・キム スンジェ 総合政策学科3年
・シンディ タン 国際政策学科4年
・牲川 波都季  准教授

part1はこちら

Part② 留学の心配事はあった?~日本語・生活~

入学や留学前に、何か心配なことはありましたか。

【シンディ】一番心配したのは、授業内容をちゃんと聞き取れるかどうかでした。入学前に日本語学校に通っていましたが、全員留学生なので、先生も日本語力を配慮しながら授業をされていたと思います。大学では配慮されないと思うので、授業内容をちゃんと理解できるかを心配していて、実際1年生の春学期は苦労しました。今まで日本語で専門的な授業を受けたことがないので、もしレジュメがなかったらほとんど聞き取れなかったと思います。レジュメで復習しながら授業を聞きました。録音もあまりせず、携帯で発音を調べながら授業を聞き、授業が終わったら単語を調べて、先生に聞いたりしました。



ゲンさんとスンジェさんも教えてください。

【ゲン】いろいろ不安がありましたが、今となっては思い出せないくらいです。シンディさんが言った通り、授業を聞き取れるかどうか少し心配でした。でも、2020年4月に入学して授業が全部オンラインになり、動画で分からないところがあったら繰り返し見られたので、留学生にとっては対面より少しメリットもありました。対面とオンラインが並行して授業が始まっても、1年間の聞き取り練習を踏まえて、2年生からは先生の喋り方やスピードに少し慣れました。

【スンジェ】僕も2人と同じ意見です。1年の1学期は、先生のスピードや関西弁が聞き取りにくくて、成績も悪かったし、いろいろ大変でした。今も毎週録音していますが、それでも理解できなかったり、音質が悪かったり隣がうるさいとすぐ聞こえにくくなるので、不便もあります。1年生の秋から授業も学校生活も慣れてきて、問題なく生活しています。方言については、僕は大阪の日本語学校出身ですが、日本語学校の先生は方言を使わずに話してくれていたので関西弁は少し苦手です。

【シンディ】1年生の基礎演習のゼミで知り合った友達と話す時に、関西弁がほとんど聞き取れなくて、かなり難しかったと印象に残っています。先生の方言よりも周りの人たちの方言の方が、若者言葉などもあり聞き取れなかった気がします。今でも正直、あまり聞き取れませんが、気にしません。雰囲気でなんとなく言葉を理解するという感じで。


生活の不安はなかったですか?日本での生活は、寮ではなかったら一人暮らしですが、期待の方が大きかったですか?

【シンディ】不安よりも期待の方が大きかったし、実際楽しかったです。マレーシアの生活とかなり違うので、一人で色々工夫しました。日本で一番好きなのは、交通がとても便利な点です。行きたいところに行きやすいのが一番いいなと思っていて、楽しいです。


神戸の日本語学校で受験勉強をしながら旅行も楽しめたのですか?

【シンディ】4月に入学して、10月頃から受験勉強で、N2、N1の勉強と、EJUの勉強に尽力して、1年目はあまり旅行には行けませんでした。

【スンジェ】知人が大阪に住んでいたので、僕も不安よりは全部楽しみという感情が大きかったです。


韓国にいる時も、日本に留学するための学校に通っていましたか?

【スンジェ】日本に来てから始めました。


日本の日本語学校で学ぼうと思った理由は?

【スンジェ】最初、日本語はカタカナとひらがなだけだと思って、これならいけるなと思っていました。でも漢字や文法も違って、日本語学校で2年間、一生懸命日本語の実力を磨きながら勉強して、関学に入学することができました。


ゲンさんは日本語学校に行く前の不安はありましたか?

【ゲン】17歳の当時、一人で海外で生活するのは、ある程度の大変さがあると予測できたので、逆に日本に来たらなんとなくいけそうな気がしました。


ある程度日本語ができてからのレベルアップが大変だとうかがいましたが、その後どうですか?

【ゲン】勉強すればするほど自信がなくなりますね。日本語力が落ちたかなという気持ちが今でもあります。


総政の日本語のクラスについて印象に残っていることなどあれば教えてください。

【ゲン】日本語授業で文法や単語を教えてくれると思っていましたが、実際に授業を受けると、文法よりコミュニケーション力やプレゼンテーション力について教えてくれました。でもその能力も、これからの日常生活や社会人になると必要不可欠な能力だと思います。

【スンジェ】日本語学校では、日本語の問題を解く能力を磨くための日本語を学びましたが、関学の日本語授業では、社会で生きる能力を学べました。レポートや作文、ディベート、グループ課題などを通じて日本語を勉強して、先生からコメントをもらいながらレポートを直したり、グループ課題をもっと良い方向に進めたりするのが記憶に残っています。


総政には1年生の必修科目で学術的なスキルや考え方を学ぶ授業もありますが、それとともに日本語授業が必修であることは、意味があると思いますか?

【スンジェ】留学生は、自分の意見を表現するために日本語を学ぶのが一番大事なので、必修科目にしたのではないかと思います。


日本語授業があることで、他の授業も安心して受けてほしいというのが、日本語コーディネーターとしては願っていることですが、いかがでしょう。

【シンディ】私は1年目が対面、2年目からオンラインでしたが、日本語授業は少人数の授業で、先生と留学生同士の距離が近い中でグループワークを進めることができたのが一番よかったです。発表や課題などを提出したら、必ず先生からコメントをいただけるのがいいところだと思います。コメントを読んで、文法の直しや上手な活用法を学べたので、かなり役に立ちました。


オンラインのレポート課題で、魅力的な人物を選んで対話をして、その結果をまとめるという課題で、シンディさんはアルバイト先のかなり年上の同僚を選んで紹介してくれて、面白かったです。あの課題について覚えていることはありますか?

【シンディ】コロナで学校にあまり来れず一番身近な方たちはアルバイト先だったので、そこでテーマを選ぼうと思いました。何人かの話を聞いて最終的にその方を選びましたが、かなり年上の方の話を聞くことができるから、自分の人生にも役に立つ良い課題だったと思います。発表も自由度が高くて、学生たちが進みたい方向に進められるから、大変役立ち、自分のやりたい分野が分かってくる気がします。

留学生座談会 part3はこちら