人間福祉グローバル演習E(全学部生対象)

人間福祉グローバル演習E(全学部生対象)

 この科目では、学内での事前・事後授業とコロンビア(メデジン)での現地学修を行います。コロンビアにおける、不安定な社会情勢が引き起こしている貧困や格差などの社会問題や、青少年教育、地域の安全・人権保護に関する問題などに着目します。現地では、市民の健康増進や住みやすい街づくりを目指した、発展途上国コロンビアならではの多種多様で革新的な取り組みが進行している現状を視察します。アンティオキア大学の教員や学生たち、コロンビアで社会的活動を行っている人々との交流を通して、福祉・社会・文化・歴史を幅広く学ぶことを目的としています。 

プログラム概要

※本サイトに掲載している情報は2019年度の内容です。新型コロナウィルス感染症の影響等により今後変更が生じる可能性があります。

プログラムテーマ:「メデジン市における問題解決から学ぶ」
プログラム期間:2月上旬~中旬 

プログラムの特徴・授業内容

(1)本学での渡航前授業と渡航後授業(全7回)
(2)アンティオキア大学教員・学生との交流
(3)日本の社会的課題について大学で発表
(4)INDERのスポーツ振興のための取り組み見学
(5)日本人現地在住者との交流
(6)紛争後の取り組み拠点 第13地区視察
(7)Buen comienzo子どもの権利保護・子育て支援プログラム見学
(8)UVA公共空間構築プロジェクト見学

  

滞在形式

ホテル(コンドミニアム)

コロンビアでの1日の流れ

参加者の声

参加者の声

小松 桃香(Momoka Komatsu)

 第2言語で学んだスペイン語を活用して何か活動したいと思い、参加を決めました。この演習は本当に毎日が濃くて、全ての活動が鮮明に印象に残っていますが、コロンビアでの内戦の時代を生きた方々のお話を直接聞けたことや、「多様性」について日本とは異なる角度から学ぶことができたこと、現地の人と自分のたどたどしいスペイン語でもどうにか話して伝わって嬉しかったこと、些細なことから大きなことまで全てが印象に残っています。
 この演習を通して私が学んだのは、「現地で実際に見てみなければ何もわからない」ということです。今までは本やネットで調べたらある程度のことは知ることができると思っていましたが、それでは学んだとは言い切れないと気づきました。今学部で学んでいるソーシャルワークの理論や実践方法も、それを知識として蓄えた上で実際に実習に行ったり社会に出たりして、実践してはじめて活かせるものなのではないかと思います。また、消極的な性格なので、今までこのような研修プログラムに参加した経験がほとんどありませんでした。でも今回のように、きちんと目的を持って自分の意志で学びに行けたことで、成長できたかと思います。

永野 幸治(Koji Nagano)

 発展途上国で福祉について学べるということに強く興味を持ちました。街の歴史やそこに暮らす人々の思いを知ることで、その地域になぜ紛争や暴力が起こるのか考えることができました。コロンビアが歩んだLGBTに関わる歴史や貧困層の労働問題などについても現地の方にお話いただきました。また、実際に現地を訪れることで、学びを深めることができました。この演習を通して学んだことは「当たり前は当たり前ではない」ということです。今ある環境はとても恵まれていて、今ある悩みは贅沢なのだと強く実感したのを覚えています。メデジンを実際に見て感じる貧富の差は、とても大きなものでした。学校に行けること、安心安全な暮らしがあること、その他の日常もあたりまえではないということを実感しました。今ある環境に常に感謝し、福祉の仕事を通して一人でも多くの人に幸せを届けられる人になりたいと思います。
 大袈裟に聞こえるかもしれませんが、このプログラムは起きて寝るまでのすべての時間が学びの時間でした。「充実」この一言に尽きると思います。不安もあるかと思いますが、事前授業でコロンビアの現状を学ぶほか、危機管理についても皆で共有しながら準備を進めていきます。是非参加してみてください。

塚原 万尋(Mahiro Tsukahara)

 私は元から貧困問題に興味があったので、発展途上国であるコロンビア共和国の貧困問題を知りたい、自分で確かめたいと思い、参加を決めました。事前準備を含め、ハードなスケジュールでしたが、アクティブな先生と高め合える仲間のおかげで最後まで楽しく取り組むことができました。
 この演習で私が最も印象に残っていることは、現地の人々の「平和」に対する想いです。コロンビア共和国は、紛争という背景を抱えた国です。紛争により亡くなった方々が眠る場所に訪れた時、自然と涙が出ました。言葉では表せられないものを感じました。「忘れるという事は昔の過ちを繰り返すということ」。現地の方が仰っていた言葉です。辛い過去を繰り返さないように若い世代へ引き継ごうとしている方々、その想いを受け止め、平和について真剣に考え、私たちに伝えてくださる若い世代の姿が印象的でした。同じ地球で起きていることに関心を持ち、当事者の想いを知ることで新たな発見があると思いますし、自分の考え方や価値観が変わることもあります。この演習は私がグローバルな視点を持つきっかけになりました。ぜひ挑戦してみてください。

伊藤 由奈(Yuna Ito)

 この授業を通して学んだことは、広い視野を持つことの大切さです。
 コロンビアでは、街を歩いた瞬間に日本との違いを感じました。言語が違うことはもちろん、食文化、街の雰囲気など、何もかもが日本とは様子が異なりました。特に印象的だったことは、様々な人が生活しているということです。コロンビアには、大学へ通い第二言語を学ぶ人々もいれば、サトウキビを育てパネラ(コロンビアで普及している黒砂糖)を生産することで生活をしている人々もいます。また、コロンビア周辺の国々での紛争から逃れてきた人々にも出会いました。
 ちなみに、コロンビアには「エストラスト制度」という階級分けがあるそうです。これは貧困政策の一環で、階級によってし公共料金の支払い額、居住エリアが異なるといいます。日本は、収入に応じて納税額が異なりますが、こうした階級制度は設けられていませんよね。私たちが普段生活をする日本での「当たり前」が「当たり前」でなくなる経験ができたことは、私の大学生活の中でも大きな学びとなりました。今後、社会に出て生活していく中で、この経験を活かし、広い視野を持つよう意識したいと考えています。

募集概要