[ 人間福祉学部 ]人間福祉学部の特色

3つのCをはぐくむ人間福祉学部の学び
学びをさらに広げるカリキュラム

3つのC

豊かな「人への思いやり( compassion )」、柔軟で包括的な「幅広い視野 ( comprehensiveness )」、そしてさまざまな社会福祉学的あるいは健康科学的な課題に対してソリューションを導きだす 「高度な問題解決能力( competence )」。 SDGsの17目標のように、「人間」とその生活環境としての「社会」、そしてその両者の交渉関連として「交互作用」に関わる諸問題に対してソリューションを提供し、質の高い生活とよりよい社会の実現に貢献するために、人間福祉学部では、これら「3つのC」を身につけることが不可欠であると考えます。

「3つのC」の浸透と学際性の拡張をめざし、学科間の学びの相乗効果をさらに高めるため、2020年度にカリキュラム改正・充実化を行いました。さまざまな分野の事象が複雑に絡み合う現代社会の課題に新たな発想で立ち向かい、ソリューションを提案できる人材を育成していきます。

3学科に共通する専門科目の開講

人間福祉学部では、どの学科でどんな専門的知識や技能を学ぶにあたっても、学生が共通して「3つのC」を身につけることをめざしています。特に「3つのC」の獲得の土台となる科目を「3学科共通専門科目」として開講し、目的意識をもった学際的な学びを推進します。

共通専門科目(抜粋)

人間多様性論

社会の中で生まれる差別、抑圧、多文化主義などについて知識を深めます。マイノリティに焦点を当て、社会の多様性を理解し、自分自身の価値観だけがすべてではないことを認識することで、人間福祉を実践するうえでの基礎的な考え方を身につけます。
※「人間多様性論」の単位を修得した者のうち、希望者は「ユニバーサルマナー検定3級」、「LGBT対応マナー研修」、「認知症対応マナー研修」、「ユニバーサルワーク研修」、「ユニバーサルコミュニケーション研修」の認定証・修了証を取得可能。

社会問題論

資本主義システムは転換期にあり、地域社会や家族も変容する現代で、福祉や雇用、社会的排除の社会問題の本質を考察します。グローバルな視点から、日本と世界の貧困・格差社会に対する問題意識も高めていきます。

人間福祉グローバル演習E

コロンビアでは、不安定な社会情勢が貧困や格差などの社会問題を引き起こしています。特に、内戦が終結したことにより今後ますます必要となってくる青少年教育や地域の安全、人権保護に関する問題は、発展途上国であるコロンビアならではの課題といえます。この授業では実際に現地へ赴き、これらの課題を解決するために実施されている革新的な取り組みの現状を視察。アンティオキア大学の教員や学生たち、現場で活動する人々との交流を通して幅広く学びます。
※新型コロナウイルス感染症の影響で海外渡航が困難な場合は不開講になります。

人間福祉海外フィールドスタディⅠ【2021年度新規開講】

海外での実習に備え、基礎知識を身につけ、具体的イメージを描く

海外でフィールドスタディを行うための基礎知識を身につけます。また、その国の人口や社会情勢、経済状況、教育環境などについてリサーチし、クラス内で発表を行い、フィールドスタディの具体的なイメージを描きます。 ​

「人間福祉海外フィールドスタディ」を詳しく見る

『人間福祉海外フィールドスタディ』は、2021年度にⅠ・Ⅱが、2022年度にⅢがそれぞれ開講の新設科目です。Ⅱを履修するにはⅠを、Ⅲを履修するにはⅡの単位を修得する必要のあるプログラム。プログラム最終のⅢでは、海外の様々な社会的課題に取り組む機関や、体育・スポーツ関連組織(社会的企業、NPO、NGO、国際機関、福祉機関、市民団体、ボランティア団体など)において200時間以上の実習を行います。
2021年度開講の「人間福祉海外フィールドスタディⅠ」は溝畑潤教授と森重裕子助教の2名で担当。全14回の授業を第1期(第1~4回)、第2期(第5~10回)、そして第3期(第11~14回)の3期に分けて実施しました。
第1期は、「人間福祉国内フィールドスタディⅠ」の履修者との合同授業形式で、フィールドスタディに関する基礎的な理解を深めました。 続く第2期では、ルワンダ、ネパール、ニュージーランド、フィリピン、オーストラリアの現地在住で、Ⅱのスーパーバイザーを担って下さる方をゲストスピーカーにお招きして(zoomによる同時双方向型)、各国の現状についてご指導いただきました。 そして第3期は、Ⅱで必要となるCV(英語の履歴書)の書き方、そして希望する実習先国での活動をイメージして1人5分のプレゼンテーションを行いました。

前田紗貴さん

 前田紗貴さん(人間科学科2年)は、フィリピンで農業活動を行うゲストスピーカーの話に大きな衝撃を受けました。頻繁に発生する災害により、農作物が被害を受ける中、農業活動を通してストリートチルドレンをサポートされている方の話でした。しかし、同時に、今後参加を希望しているフィリピンでのフィールドスタディに向けてさらに意欲を高めました。今後の研究では子どもに関することをメインに、海外での社会問題に対して、一つひとつ解決方法を見出していきたいと抱負を掲げています。

白石光音さん

高校生の時、人間福祉学部には海外で学べる機会が多くあることを知り、入学を決めたという白石光音さん(社会福祉学科2年)。人間福祉海外フィールドスタディはⅠ→Ⅱ→Ⅲと段階的に学べ、しっかり準備をした上で海外での活動に取り組めることに魅力を感じ履修しました。グループワークや発表では、社会起業学科生の活発な姿勢や、人間科学科生のユニークな発想に良い刺激を受け、学科融合型の学びの効果を得ることができました。将来の夢は海外で働くこと。環境が異なる海外で、人々はどのような生活を送り、どのような仕事があるのか。自分の目でみて、進路の選択肢に加えたいと、志高く語ってくれました。

桂裕香さん

桂裕香さん(人間科学科2年)は、高校時代に留学経験がありましたが、大学でも留学を考えていました。入学した2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、なかなか留学のチャンスがつかめない中、海外でのフィールドスタディに期待を膨らませています。希望する実習先国は、前田さんと同じくフィリピン。現地に関するリサーチを継続して行い、明確な目的意識と課題を持って実習本番に備えたいと考えています。プログラム全体を通して良い刺激を受けながら、着々と準備を進めていきます。

担当の溝畑教授は、「開講初年度の為、履修者が何名になるか予測できなかったが、3学科から37名も履修してくれたことと、さらに授業を通して履修生が現代社会における諸問題(環境、貧国、差別など)について、海外の様々な活動団体での実習を通して学びを深め、卒業後の将来も見据えた活動を真剣に考えている姿にとても感動した」と述べていました。

※学生の学年表記は取材当時のものです。
※取材・撮影は新型コロナウイルス感染対策を行いながら実施しています。

学科融合型の学びを推進

学生が学科の枠を越えて興味のある科目を履修することができるよう、3学科の学びが連携しています。一つの分野を深化していくと同時に、他分野の視点・知識も積極的に吸収できる環境が整っています。場合によっては、学科を越えたゼミ履修が可能です。

社会福祉学科×人間科学科

これからの社会福祉にはスピリチュアリティの視点が欠かせない。

真の意味での豊かさとは、単に物質的・精神的豊かさだけではなく、「何のために生きるのか」という人間の根源的な問いかけ(スピリチュアリティ)が満たされることが不可欠です。重度の障害者、こころの病を持った人、高齢者など、どのような立場の人に対しても、スピリチュアルな痛みをとらえる視点がこれからの社会福祉に求められています。そこから、どんな具体的支援が必要かが見えてくるのです。

社会起業学科×社会福祉学科

高齢化による社会問題にも新ビジネス発想で応え、グローカルに解決する。

ホームレスの高齢者に生活保護申請の支援と住宅提供をしている企業や、不登校児童や子どもたちにキャンプ事業を展開しているNPO法人、介護の必要な高齢者や障害者向けにデイサービスを経営している民間事業など、社会問題に貢献するビジネスは数多く存在します。社会福祉のニーズを社会起業の発想で解決するための社会的ビジネスモデルを創出していきましょう。

人間科学科×社会起業学科

健康を追求する心理と行動を知り、スポーツもレクリエーションも起業に繋げる。

プロ野球やJリーグは成功したスポーツビジネスの実例と言えるでしょう。スポーツをイベントとして成功させるには、スポーツ文化の振興が必要です。キャンプ、トレッキングやダンス、ゲームなどのレクリエーションにも、健康ビジネスとしての需要が高まる時代において、国内外を問わず新たなサービスの開拓に挑戦していくことが求められています。

学科横断型のゼミ(研究演習)

2020年度のカリキュラム改正により、学科を越えた学科横断型ゼミの履修が可能になりました。学生が、各学科で学んだそれぞれの分野の知識や、学科横断型実践教育科目で得た新たな視点を提供し合いながら、ゼミを運営していきます。異なる前提知識、バックグラウンドを持った学生同士がさまざまなテーマに関して議論を重ね、発表し、共に学ぶ中で、物事を多角的に分析する能力を養います。
※すべてのゼミが学科横断型ゼミとして開講されるとは限りません。

多彩な現場での実践教育

人間福祉学部は、実践教育を学部創設当初から重視してきましたが、2020年度に行ったカリキュラム改正ではさらに実践教育を充実させました。自らの専門分野を深化させる学科ごとの実践教育と並行して、他学科、他分野のフィールドでも経験を積むことができる実践教育科目をあらたに開設しました。現場での実習だけではなく、事前計画の立案、事後学修による省察を綿密に行うことによって、一連の学びのプロセスを自身の糧として蓄積できます。

多彩な現場での実践教育を展開

ソーシャルワークマインド

ピックアップ科目:ソーシャルワーク実習入門

ソーシャルワーク実践教育の第一段階として、現場での実践教育のために必要な、基本的な知識、態度、価値について体験を通して学びます。合宿、施設・機関の見学実習、居住地域のタウンウォッチングの体験が授業の中核となります。

海外で活躍

ピックアップ科目:社会起業フィールドワーク(海外)

事前・事後学修とフィールドワークを通じて、海外の一地域の社会問題とその解決に取り組む社会的企業や事業について学び、現場において考察を深めることをめざします。現地企業では、インタビューや業務補佐など、事前学修で考案した活動を実施します。

地域とつながる

ピックアップ科目:野外教育実習A

野外教育の現場で行われる組織キャンプの指導理論と指導技術を学びます。また、これらを通して、一般的な組織の運営についても理解することをめざします。実際に山野に出かけ、自然の中での基本的な生活技術(野外炊事、テント設営等)を修得します。

「日本手話」を言語教育科目として開講

「日本手話」を言語教育科目として開講。実技はもちろん、ろう者の考え方も学び、ろう者への理解を深めます。

外国語ではない、もう一つの日本の言語

手話は世界共通ではなく、例えばイギリスとアメリカでは手話は異なり、また、日本国内でも手話の方言があります。
ろう者はろう学校で手話を「教わる」のではなく、日々の生活の中で自然に身に着けており、日本手話は日本語とは異なる別言語として独自の文法体系をもつ自然言語であるといえます。最近になって国連でも「手話は言語である」と採択がなされ、社会的にもようやく手話が言語であるという認識が広まりつつあります。

日本手話を体系的に学ぶ場が少ない中で、人間福祉学部では、福祉専門科目の一つとしてではなく、日本手話を言語科目と位置づけて開講しています。授業は、日本手話のネイティブサイナーである ろう の講師と手話通訳士である講師が担当し、手話実技や文法等の学びを行います。