植物環境適応学研究室

宗景 ゆり (むねかげ ゆり) 教授

植物環境適応学研究室

研究分野:
光合成、環境適応、ストレス耐性、分子育種

地球温暖化に対応できる農作物の育種を目指して

地球温暖化は確実に進行しており、陸地では高温や乾燥ストレスにより農作物の生産量が激減することが予想されています。作物の環境耐性を強化し、生産性を維持するための作物の品種改良は、第二の「緑の革命」を起こす技術として強く求められています。

C4型光合成に着目

陸上植物の中には、進化の過程でCO2濃縮機能を獲得したものがあります。よく知られている作物の例としてトウモロコシやサトウキビがあり、これらは、高温環境や乾燥に強く生産性が高いことが知られています。そのほか夏に繁茂するエノコログサやススキなどの雑草、園芸品種ではマツバボタンやホウキグザも同様の機能を有しています。これらはC4型と呼ばれる光合成を行っており、CO2濃縮機能より光エネルギーを最大限に使ってデンプンなどの有機化合物を合成することができます。

進化の過程を遺伝子レベルで解明して分子育種へ応用

C4型光合成は、様々な系統においてそれぞれの祖先植物であるC3型から進化的に獲得されました。進化の過程は段階的に進んでおり、CO2濃縮機能を支える細胞の構造の構築、代謝酵素の発現など様々なステップが必要になります。この段階的な進化過程を遺伝子、細胞、個体レベルで様々な角度から解明する研究を行っています。進化過程を模倣した分子育種により、イネやコムギ、ダイズなどのCO2濃縮機能を持たないC3型の作物のC4化を目指します。