コンセプト

生物を科学的に分析し、環境と生命の共生を考える

植物や昆虫、微生物まで、地球上に生きるさまざまな生物について学び、その活用を考えます。データサイエンスの手法を用いて、生態系や生命現象のデータを情報解析、さらに生物機能を分子レベルで解析します。分子遺伝学から遺伝子工学、植物改良、食品微生物まで幅広い分野の教育研究を展開します。
生物科学科は3つの専攻により構成され、以下を中心に教育研究を行います。
植物昆虫科学専攻: 植物環境適応学、植物共生工学、化学生物学。
応用微生物学専攻: 微生物工学、海洋生命理工学、染色体機能学。
計算生物学専攻: ゲノム情報科学、計算神経科学。

身につく力

生物科学科では、多彩な実験・演習、フィールドワークを通じた体験学習、また生命現象の情報科学的解析技術の習得などを通じて、生物の多様性と環境適応の機構を科学的に分析する能力を養います。生物機能の活用を通じて再生・共生型社会の構築に貢献するため、生命のしくみを理解するとともに、生命を分子レベルで分析・評価するための知識や技術を身につけます。
・植物昆虫科学専攻では、植物の光合成反応の分子機構、環境適応、多様性について理解する植物分子生物学、植物生産等の実用的な植物利用を作物学、土壌学を交えて理解する植物生産学、昆虫学を基礎として生態系を構成する個体間の相互作用を分子レベルから理解する昆虫生理生態学を中心に教育研究を行います。
・応用微生物学専攻では、様々な微生物の特徴と、環境適応の機構を生化学的視点で理解する応用微生物学、主に酵母を用いて、転写、複製、組み換え、分配、エピゲノム修飾等といった染色体機能について研究する染色体機能学、海洋におけるCO2固定の主要な担い手である珪藻の代謝機構について理解する光合成微生物学を中心に教育研究を行います。
・計算生物学専攻では、配列、構造、ゲノム等の様々な分子レベルの生物学データの解析手法の開発と応用研究を通じて、生物機能や進化を理解する生命情報科学、脳の電気パルスデータの解析手法の開発と応用研究を通じて脳機能を理解する数理脳科学を中心に教育研究を行います。

卒業後の人物像

生物科学科は、生物学、数理科学、化学を基盤とし、生物機能の活用者としてグローバルに活躍できる思考力を備えた人材、また、新産業分野として創出が加速される生物科学関連のデータサイエンス産業に対応できる専門性の高い人材を育成します。卒業生の活躍の場としては、医療・保健・製薬、バイオテクノロジー関連、化学系・食品・化粧品・種苗等の業界、IT関連のほか、中高理科教員、公的機関など、生物に関わる幅広い分野を想定しています。