化学生態学

北條 賢 (ほうじょう まさる) 准教授

化学生態学研究室

研究分野:
フェロモン、コミュニケーション、動物行動、社会性昆虫
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昆虫の社会

アリやハチ、シロアリは社会性昆虫と呼ばれ、地球上で最も繁栄しているグループの一つです。その成功の理由は彼らの暮らしにあります。社会性昆虫はコロニーと呼ばれる秩序立った家族集団を形成し、各個体が役割分担をしながら生活します。私たちの研究室では、社会性昆虫の不思議で面白い現象に対する素朴な「なぜ?」を学生たちと共有し、一緒にその謎を紐解くことを目指しています。

アリ社会に秩序をもたらすフェロモンコミュニケーション

アリ社会の特徴は分業と協調です。女王はもっぱら産卵を行い、働きアリは子の世話や巣作り、餌集めなどその他の労働を行います。働きアリは各個体が協調して行動し、個体では成しえない能力を集団として達成します。このような分業や集団行動の調整には個体間のコミュニケーションが欠かせません。アリは実に多様な化学物質を分泌することが知られており、女王フェロモンや道しるべフェロモンなどの化学物質を頼りに個体間で情報を伝達します。私たちはフェロモンコミュニケーションがアリの分業や集団行動を形作る仕組みを調べています。アリの行動を調節するフェロモンは、害虫となるアリに対して応用的に利用できる可能性もあります。

アリと共生する生き物たち

アリは生態系の中で様々な動植物と相互作用することが知られ、生態系のバランスを維持する上でも重要な存在です。アリと密接な共生関係を築く昆虫は好蟻性昆虫と呼ばれ、私たちはその一群であるシジミチョウとアリの共生関係について研究しています。シジミチョウの幼虫は甘い蜜をアリに提供し、蜜を集めにきたアリに身を守ってもらいます。一方、一部のシジミチョウはアリの巣に入り込み、働きアリに育ててもらって成長します。私たちはシジミチョウとアリの多様な共生関係がどのように維持されているのか、その謎に取り組んでいます。