コンセプト
学科の概要
はじめに数理科学科では、数学の基礎科目の上に応用まで見据えた専門科目を配することで、問題発見力・解決力を修得するカリキュラムを提供します。
数理科学は数学の応用を含んだ新しい学問領域です。
皆さんも 私たちと一緒に数理科学を学び 社会のさまざまな分野で活躍してみませんか?
数理科学は数学よりも意味が広く、数学的な方法を重視するさまざまな分野の総称です。
物理学はもちろん、近年では経済学や生命科学といった分野にまで研究の裾野は広がっています。
数理科学科は、幅広い数理科学分野のハイレベルな教育と研究を行い、社会に貢献する卒業生を輩出することを目指します。
純粋数学の研究にもコンピュータが用いられるようになるなど、紙と鉛筆だけで行う数学研究に限らず、さまざまな研究スタイルが確立しつつあります。
数学とそれをとりまく諸分野がまさにいま学際的に混ざり合っています。
このような背景のもと、数理科学は生まれました。
数理科学は現代の産業と学術を根底から支えるものであり、その素養を持つ人材は産業界・学界・教育界から大いに期待されています。
身につく力
数学は科学の世界の共通言語であり、さまざまな分野を基礎から支える強力な学問です。
数学の素養が身についていなければ、「ここで数学が使える」と気づくことすらできません。
今後、持続可能な社会実現に必要なビッグデータや人工知能(AI)の重要性が増すなかで、数学は重要な素養になるでしょう。
数学的な方法を用いて、自然科学や社会科学などの領域にアプローチし、世の中のさまざまな現象を解明します。多彩な分野で研究実績を上げた専門家の指導のもと、奥深い数理科学の世界を探究します。論理的思考のツールとしてコンピュータを使いこなす力も育成。数理的な思考・問題解決能力を身につけ、現代社会の問題に適用し解決できる人材を養成します。
4年間の流れ1・2年: 数学の基礎知識を体系的・構造的に理解していきます。論理的思考能力の修得をめざすと同時にコンピュータを思考の道具として駆使できるように理数系研究者必携である数式処理ソフトMapleによる演習で能力を身につけていきます。
3・4年: 3年生は基礎知識や技能を応用するための講義を受講しながら、「数理科学演習」にて研究活動の導入を行います。4年生は研究室に本格的に配属し、数理科学を深く理解し、実践的に学ぶことで柔軟で論理的かつ創造的な思考応力を養います。
卒業生の活躍(前身の理工学部数理科学科)
湊口麻子さん(2010年度卒業生)
2010年度卒業生・湊口麻子さんは三菱UFJモルガン・スタンレー証券に勤務されています。
証券というと私たちは株などのことを思い浮かべますが、それだけでなく投資信託や保険に関わる業務などもされているとのことです。
現在は資産運用に関わる営業を担当されており、将来は株価予測などの研究職につくことも考えられているそうです。勤務されている部署では、経済・経営・商学などさまざなま専門分野を持った同僚の方々の中で、数理科学科出身として学んだことをいかに活かしていくかを考えながら働かれているとのことでした。
藤田誠一さん(2009年度卒業生)
2009年度卒業生・藤田誠一さんは東京海上日動火災保険に勤務されています。
数学で培った分析力・思考力を活かして頑張っているとのことでした。
藤田さんの話
企業やその従業員様を対象に、自動車保険や火災保険などを提案しています。
営業車などの事故をいかに減らすかを一緒に考えるリスクコンサルティング (ロスプリベンション) も業務の一部。
例えば、車載カメラを取り付け、自動車の運転状況を録画して原因を分析し、改善策を提案するなどしています。
植田博信さん(1998年度卒業生)
1998年度卒業生・植田博信さんは、現在厚生労働省に勤務されています。
植田さんには「行政に科学を」という題目で、行政にいかに数理科学が活用されているかといった事例を中心に、ご担当業務や国家公務員の採用試験制度などについて詳しくお話をしていただきました。
ご講演の最後に年金財政に関わる将来の見通しなど、国民生活に直結する業務を通して大きなやりがいを感じるとともに大変な責任感を感じるといったお話をされました。
数学を専門とする者の強みとして「物事を論理的に考え、筋道を立てることが得意」、「定義や前提条件をよく考え、議論することができる」などがあるというお話もされ、学生たちは大いに勇気づけられたようです。
数理科学の素養を持つ後輩たちに、ぜひ公務員試験にチャレンジして欲しいとおっしゃって、お話の結びとされました。