2020.06.15.
新入生のオンライン授業の不安を解消。学生団体SCSの“ゼミ付き”の取り組みとは?

SCSの大学祭での集合写真(2019年11月撮影)

SCSの大学祭での集合写真(2019年11月撮影)

新型コロナウイルス感染拡大に伴うキャンパス閉鎖により、2020年4月から全学的にオンライン授業が導入されました。新入生はキャンパスに来ることなく授業がはじまり、学部の友人と会えないまま不安な大学生活のスタートを余儀なくされました。

そんな不安の解消に立ち上がったのが総合政策学部傘下の学生団体SCS(Student and Campus Supporter、以下SCS)。通称“ゼミ付き”と呼ばれる先輩学生が、1年生全員が所属する科目「基礎演習」のサポートを通じ、新入生に寄り添い、コミュニケーションの円滑化を図っています。
 

そんなゼミ付きの取り組みについてSCS代表の瀬戸口龍(総合政策学部3年生)さんに聞きました。


―SCSとゼミ付きの活動について教えてください

SCSは総合政策学部に所属している学生団体で、学生同士の学びを支えあうための様々な活動をしており、サークル紹介やオープンキャンパスの運営などを行っています。現在は、3年生29名、2年生34名の計63名で活動をしています。

ゼミ付きそのものは過去から行っている取り組みで、これまでは実際に基礎演習の授業にゼミ付きが一緒に参加して、1年生との交流を深め学校生活に関することをサポートしていました。

ところが、今年は1年生とオンライン上でしか関わる機会がなく、普段と違う形でのサポート方法に困惑しました。またゼミ付き自身も新たな授業環境に慣れる必要があるなど、1年生のサポートをするうえで知っておくべきことが増えたことが大変でした。
 

―具体的にゼミ付きはどんな活動をされましたか?

すべてのゼミ付きは基礎演習担当の先生方と調整のうえ、基礎演習ごとのLINEグループを作成し、オンライン授業用ツールの使い方も含めた、新入生が疑問に思う学校生活に関するあらゆる質問に答えています。

個別の基礎演習ごとの活動例としては、井上ゼミ担当の小宮山さんは授業が実施される前にZoomの使い方の練習を行ったり、西立野ゼミ担当の大谷さんは基礎演習生同士の仲を深めるためにオンラインで親睦会を主催したりしています。また、オンラインでの基礎演習の授業の進め方について先生に提案を行った、坂口ゼミ担当の高田さんのような人もいます。
 

―いま、ゼミ付き以外でSCSが行っている活動はありますか?

本来は4月に行うはずだったサークル紹介を今年は開催できず、新入生からサークル選びが難しいという話や、サークル担当者からサークル活動を十分に宣伝する場がないという声をもらいました。そこでSCSのInstagramのアカウントを使い、各サークルから集めた情報を掲載したり、サークルの担当者とともにInstagram上でライブ配信を行い新入生からの質問に答えたりする活動をしています。
 

―SCS代表として一言お願いします

今年は学校生活が例年と大きく違い不便な点が多くありますが、SCSでは神戸三田キャンパスでのキャンパスライフがより良いものになるように今できることを1人1人が考え、協力して活動をおこなっていきます。




 

このようなSCS、そしてゼミ付きの活動は基礎演習指導教員からも高く評価されています。
総合政策学部の初年次教育委員会コンビーナである宗前清貞准教授は「大学封鎖に突然直面した新入生たちは、さぞや心細かっただろうと思います。情報環境もバラバラで、LUNA(授業支援システム)の操作も未経験ですし。ところが、SCSはLINEで新入生をつないでくれて、大学メールに返信できなかった学生も網羅していました。教員としてまた同年代の娘の親として、SCSのようなサポートがある大学なら安心して学生を預けられると思いました。三田にはSCSがある。本当にありがとう、ご苦労さまと伝えたいですね。」とコメントしています。

 

KSCでのキャンパスに来られない学生に向けた支援は、SCSのほか、アカデミックコモンズで活動しているクレセントチューターもオンライン学習相談を行っています。(関連ニュース: 大学院生によるオンラインでの学習相談受付について


■SCS(Student and Campus Supporter)の活動についてはSNSでご確認ください。

Twitter: @scs_purupuru 

Instagram: @scs_purupuru