[ 人間福祉学部 ] 畠山 由佳子(はたけやま ゆかこ)教授

■研究分野のキーワード
 こども虐待対応、市区町村こども家庭支援、こどもの安全・パーマネンシー

研究内容

 大学院修士課程から社会福祉を学ぶことにした私は、児童養護施設で実習することになり、措置理由が親からのひどい虐待であったにもかかわらず、親のことを思い続けるこどもたちに出会いました。その姿を見て「この子たちが家族と共に暮らせるためにできることはなかったのだろうか?」という強い疑問を持たずにいられませんでした。この疑問が私の研究のすべての原点になっています。
 主に市区町村が対応しているいわゆる「こども虐待・ネグレクト」「マルトリートメント」「要支援・要保護児童」と呼ばれる対象となる家族をどのように支援していくのか?が私の研究のメインテーマです。アメリカでの在宅支援の現場を体験したくて、2つ目の修士課程卒業後に、イリノイ州シカゴ市でこども虐待対応在宅支援ワーカーをほんの短い間ですが経験したことは、市町村や児相の現場でこどもの安全のために日夜尽力しておられる実務者の方々の気持ちを少しでも共感できるとても良い経験となりました。以降、研究において現場の実務者の方々との協働を大切にし、現場に資する研究を目指しています。こども虐待通告ケースに対する初期対応のあり方や市区町村での家庭支援、それにともなう意思決定及びケースマネジメントについて、基礎自治体の現場の方々と協働しながら研究を進めています。アメリカやフランスなどの国際比較研究も行いながら、こどもと家族にとってより良い対応・支援システムを考え続けています。