学部長からのメッセージ

[ 編集者:人間福祉学部・人間福祉研究科       2020年4月1日   更新  ]

人間福祉学部長 武田丈

人間福祉学部長 武田 丈

 

 『世界に一つだけの花』の歌詞のように私たち一人一人は異なり、社会の中には多様性(ダイバーシティ)が存在します。

 社会全体はもちろん、関西学院の構成員、そして人間福祉学部に所属する学生や教職員の間にも、性別、年齢はもとより、国籍、人種、民族、出身地、主たる言語、宗教・信仰、身体的・精神的特徴、セクシュアリティ、あるいは経験や知識、文化や学問的背景に関する多様性が存在します。関西学院は「多様性(ダイバーシティ)」こそが関西学院の強さであるとした「インクルーシブコミュニティ宣言( https://www.kwansei.ac.jp/kikaku/kikaku_003750.html )」を2014年に発表し、2020年度には、この多様性を尊重するインクルーシブコミュニティ実現のための具体的な基本方針と行動指針を発表しました。

 しかし、「みんな違って、みんないい」はずの日本社会には、現実には特定の人たちが排除されてしまったり、不利な立場に追いやられたり、生きづらさを突きつけられたりしてしまっている現状があります。

 こうした現状を変えるためにはどうしたらいいか。こうした不条理な社会を黙認する人間ではなく、「すべての人たちが自分らしく幸せに生活できる社会の実現」に貢献できる人間になるためには自分はどうしたらいいか。
 
 その答えを、是非、人間福祉学部での学びの中で見つけてください。
 
 人間福祉学部はその名の通り、人間の福祉(ウェルビーイング)を追求するための学問を研究、教育する学部です。すなわち人間とその生活環境としての社会、そしてその両者の交互作用に関わる課題に対してソリューション(課題解決)を提供することによってすべての人びとの質の高い生活と社会の実現を目指し、それらに貢献できる人材を輩出することを目標としています。ここでいう人間の福祉(ウェルビーイング)とは、自分や自分の仲間の福祉だけではなく、社会的に排除されてきた人たちも含めた「すべての人たち」の福祉です。

本学部の教育理念 3つのC(Compassion、Comprehensiveness、Competence)

3つのC

3つのC

 本学部の教育理念は3つのC(Compassion、Comprehensiveness、Competence)です。
 Compassion とは、使われる場面によって多様に用いられますが、人間福祉学部では「人への思いやり」という意味で捉えています。つまり人間の幸福を追求するうえで、人への思いやりなしに実現することはできず、これこそ社会に生きる中で人として最も必要とされる本質であると考えるからです。
 次にComprehensivenessとは、物事をみる際の視点を一元的な見方や目前のことだけに捉われるのではなく、広い視野に立って問題解決に向けての糸口を見出すことの重要性を意味します。
 最後にCompetenceとは、それら多種多様な課題に対して、問題解決に向けて取り組む際に必要となる卓越した能力のことです。

人間福祉学部の3つの学科

 人間福祉学部には3つの学科があります。
 1つ目は社会福祉学科です。「関学のソーシャルワーク」と呼ばれる本学のソーシャルワーク研究および教育は1952年から始まっています。60余年の長い歴史をもち、我が国でも屈指の伝統と実績を誇っています。ソーシャルワーク分野の専門職は言うまでもなく、ソーシャルワーク・マインドを持つ一市民として社会の多様な場で貢献できる人材を育成しています。
 2つ目は、社会起業学科です。国内外で生起する社会的な課題を起業やソーシャルイノベーションという手法で解決することを目指し、自由な発想で社会問題に取り組む姿勢や方法を涵養します。
 最後に、人間科学科は、こころ(スピリチュアリティ)と身体の両面から人間を全人的に理解することの重要性を理解し、それらに必要な知識や技術を身に着けた人材を育てています。
 このように特徴の異なる3つの学科に共通する教育理念としての3つのCは、関西学院大学のスクールモットーである“Mastery for Service(奉仕のための練達)”とともに、非常に重要であるため、大学在学中の4年間にしっかりと心に刻み、体現できるようになることを目指しています。

人間福祉学部の国際性と多様性

 関西学院大学は2014年度、国のスーパーグローバル大学推進事業(SGU)に選ばれています。本学ではSGUにおいて、海外留学や副専攻およびハンズオン・ラーニング(インターンシップやフィールドワーク等のキャンパス外での体験学習)といったプログラムを通して大学の授業だけでないもう一つのことに挑戦する、すなわちダブルチャレンジを推進しています。
 人間福祉学部では、このSGUに採択される以前から、国内外での実習やインターンシップ、フィールドワーク、さらには英語中期留学など実践教育の機会が豊富にありましたが、2020年度入学生より適用される新カリキュラムではこれまで以上に多くの国際交流や体験学習の機会が用意されています。
 人間福祉学部の建物G号館には教務機構や国際連携機構もあり、複合組織が共存しています。そこでは、様々な国からの留学生が多く行き来しています。いろいろな人とふれあい、交流する機会が日常的にある中で、国籍はもちろん、人種、宗教、セクシュアリティ、価値観等が異なる多様な人たちが交わり合う環境は人間福祉学部にとって貴重な学習環境となっています。
 一人ひとりが互いの違いを認め、幅広い視野から物事を見ることができ、全体としての活力が生まれてくるという、いわゆる多様性(ダイバーシティ)の尊重がもたらす影響を身を持って体験できると思います。
 伝統ある関西学院大学にあって、「関学のソーシャルワーク」の系譜を継承しつつ、新たに幅広い分野から実践的に人間福祉学研究・教育を行う本学部で、今日的な課題を見つけ、その解決に向けて取り組むことに共にチャレンジしてみませんか。


 皆さんと共に、“Mastery for Service”を体現すべく、成長する学部であり続けたいと願っています。