2025.05.19.
社会福祉学科・安藤ゼミ生らが奈良県山添村でフィールドワークを実施
2025年5月10日(土)、社会福祉学科の安藤幸准教授のゼミに所属する3・4年生および人間福祉研究科の大学院生が、奈良県山辺郡山添村でフィールドワークを行いました。安藤ゼミでは、地域づくりにおける関係人口の役割や地域資源の活用について学んでおり、今年は山添村をフィールドとして活動を展開しています。奈良県の北東部に位置する山添村は、昼夜の温度差が大きく、お茶の栽培に適した大和高原にあります。古くから「大和茶」の産地として知られ、現在もその伝統が息づいています。今回は、農山村の活性化に取り組む「NPO法人やまぞーえ」主催、お茶を中心とする農業体験を提供する「山添村波多野地区活性化協議会・かすががーでん」協力のもと実施されたお茶体験に参加し、農山村地域の暮らしや文化について学びました。当日は、かすががーでんの東寛明さんから、大和高原における大和茶の歴史や地域の文化、地域振興の取り組みについてお話をうかがった後、実際にお茶摘み体験を行いました
大和高原に広がる美しい茶畑。

地域の方に教わりながら、丁寧に新芽を摘み取る学生たち。
新茶のお茶摘みは、「八十八夜」(立春から数えて88日目)と歌われるように、5月初旬が最盛期です。学生たちは、「一芯二葉」と呼ばれる新芽と2枚の若葉を見極めながら丁寧に茶葉を摘み取って行きました。

おいしいお茶の秘訣「一芯二葉」を探して摘み取ります。

新芽が美しい茶畑
その後は、お茶の栽培方法や種類、製造工程についても学び、自分たちで摘んだお茶を揉み、乾燥させる工程も体験しました。そして、手作業でじっくりと時間をかけて作り上げた今年初の新茶を、みんなで味わいました。

摘んだ茶葉は、まずは露払いをします。

熱を入れて、発酵を止めます。

手作業で茶葉を揉みます。

香り豊かな煎茶に仕上げていきます。

60度のお湯を注ぎ、茶葉が開いたら湯呑みに分けます。

大和茶(煎茶)は黄金色です。自分たちで仕上げた新茶を味わいます。
現代では、お茶作りの多くの工程が機械化されていますが、今回の体験を通して、学生たちは地域の人々と交流しながら、昔ながらの「手間暇をかけたものづくり」の大変さや大切さを実感しました。参加した学生からは、「緑茶、ほうじ茶、紅茶、烏龍茶がすべて同じ茶葉から作られることを初めて知った」「発酵の具合や加工方法によって、さまざまなお茶になることに驚いた」といった声が聞かれました。また、「地域の人々が長い年月をかけて大切に受け継いできた文化や技術を学ぶことができた」「農山村地域の豊かさについて知ることができた」「地域の皆さんが暖かく迎えてくださり、とても貴重な体験になった」といった感想も寄せられました。
今回のフィールドワークでは、地域の文化や伝統の継承や、持続可能な地域づくりについて考える機会を得ました。今後も安藤ゼミでは、大学生が地域づくりに関わる方法を探り、実践的な学びを深めていきます。
【謝辞】
本事業は、2024年度ユニベール財団研究助成金の一部を活用して実施しました。また、学生たちを受け入れてくださったNPO法人やまぞーえ、山添村波多野地区活性化協議会・かすががーでん、および山添村のみなさまに感謝します。