劉暁燕 つながり

[ 編集者:経済学部・経済学研究科       2013年5月1日   更新  ]


栗田ゼミに入る前、多数の留学生のように、私は勉強やバイトで忙しいものの、物足りない毎日を送っていた。関学に入って一年以上を経っても、日本の大学生活にも、日本人の学生にも馴染むことができなかった。このままでせっかくの留学生活が台無しになるに違いないと、私は不安を抱えながらその解決口を探っていた。しかし、いったいどうやって日本人の学生と接したらいいのか、相手は自分のことをどう考えているのかなどを、いろいろ考えすぎて、なかなかうまくいかなかった。

栗田ゼミと留学生

栗田ゼミに入ってから、その状況が改善することができた。このゼミでの唯一の留学生として、最初は不安でたまらなかったが、栗田先生とゼミのみんなのおかげでその不安がだんだん消えていて、栗田ゼミ―この大きな家族の一員として誇りを持つようになった。

可能性を信じ、実行することや、諦めないことなどの重要さは先生からも教えてもらった。自分の日本語は確かにみんなほどうまくないが、計量学も、数学も、英語も、スタートラインはみんなと同じだった。いろいろ大変だが、ゼミのみんなと力を合わせ、お互い助け合い、やっていくことの大切さ、そして、それをやりきった時の喜びをも知るようになった。その中で、いつの間にか自分が国籍を考えずに、人間と人間の付き合いや、人間と人間の絆について考えるようになった。確かに、違う国の人と人の間では、言葉や文化などの壁が存在しているかもしれない。しかし、それを乗り越え、人間と人間が交流することができたら、いかに素晴らしいことが分かった。

栗田ゼミと留学生

栗田先生は「君たちに日本ではなく、世界を目指してほしい」と言った。そのために、努力以外にも、「世界観」を持ち、人と人の絆を大事にしなければならないと私は考えている。留学生の中には前の自分みたいに、その絆を手に入れることができなかったり、その機会すら得ることができなかったりする人が大勢存在している。私はその子達にも、ゼミのみんなにも、その絆を広げたいと強く思っている。

劉さん

私は、ゼミに入ってからすぐに「国際交流委員」の一員になった。つまり、国際交流についての仕事をやるということだ。そのために、ゼミでは定期的に国際交流のためのイベントを行うことも先生から要求されている。これはまさにその絆を広げるいい機会だと思いつつ、一所懸命に頑張ろうと決めた。今学期に入ってからすぐに栗田先生とゼミみんなのサポートで、またインターナショナルマロンパーティを開いた。留学生や、交換留学生、さらにゼミ以外の日本人の学生をも誘い、国籍を問わず、花見しながら楽しく話をすることができた。これからも、その絆を、そのつながりをもっと、もっと広げようと考えている。

栗田ゼミに入ってから先生やゼミのみんな、およびゼミ活動で出会った人から様々な刺激を受けてきて、自分の考えも変わりつつである。今年の8月に、私達3期生はケニアに行くことになった。その度に、私はどんな人と出会う、どんな発見があるのか、そして留学生としての自分がどんな新しいつながりができるのか、さらにどんな成長を遂げているかを、とても楽しみにしている。

インターナショナルマロンパーティ