吉田美咲(社会学部) 栗田ゼミと私

[ 編集者:経済学部・経済学研究科       2013年5月1日   更新  ]

栗田ゼミ

私は経済学部生ではなく、社会学部生で、このゼミにはMDSの制度を利用し、履修しています。私がなぜこのゼミに参加し、今現在感じていることを書いていきたいと思います。

MDSの制度の利用開始は2年の春からでしたから、それまでは経済学部の先生の名前すらもほとんど知らない状態でした。2年の春に経済学部の事務室で興味があるなら参加してみてはと事務員さんに紹介されたのが、研究演習入門の説明会でした。それまでは経済学部のゼミに参加したいなどと考えたことすらありませんでしたが、自分の学部のゼミは秋に説明会、選考だったので、時間もあるし面白そうだったら行ってみよう。というかなり軽い感じで調べ、参加したのがこの栗田ゼミの説明会でした。気づいたら希望届を出し、幸いにも受け入れてもらうことができたため、私は今栗田ゼミの一員として他のゼミ生と同じくさまざまな活動に参加しています。もしも、栗田先生の説明に「成績を参考にします」という一言があったら今、私はここにいないでしょう。

研究の様子

時間の経過は恐ろしいほど早く、ゼミが開始してすでに半年以上が経ちました。この半年間を振り返って思うのは、自分の中で「やらされている」ことを自ら進んで「やる」に変えることがいかに大切かということです。

かわいい子には旅をさせよと言いますが、栗田先生はかわいいゼミ生にはたくさん課題を出します。私はこの課題は栗田先生からの「愛」だと思っています。栗田先生の大きすぎる「愛」はときに私たちゼミ生を苦しめます。いくら「愛」だと信じても、一人ではつらいときもあります。そんなときにはゼミの仲間と協力し合って乗り越えました。夏に行く予定のケニアもゼミの仲間と協力しあったら乗り越えられると信じています。

この「愛」を栗田先生からのおしつけられたものと考えるか、いただいたものと考えるか、で卒業までに大きな差が生まれるのではないかと私は考えています。課題は経済学に関連することだけでなく、私たちの教養を深めてくれるような内容が詰まっています。私たちは毎週指定の本を1冊読み、感想文を書き、ゼミの時間にテーマを決めディスカッションしていましたが、その栗田先生の本のセレクト、順番がいかに考えられたものであるかに途中で気づき、驚きを隠せませんでした。教養も思慮の深さもすぐには身に付きません。けれどこの「愛」をいただいたものとして自ら「やる」ことはもしかしたら身に付ける近道となるかもしれない、そうでなくとも何か私たちに与えてくれる。そう思うようになりました。

大学を卒業するという目的だけを重視するならばこのゼミがやっていることは無駄が多いかもしれません。でもこの頑張っている時間が私たちにとって一ミリも無駄なところはないということはゼミの先輩方を見れば一目瞭然です。先日栗田先生からゼミ生へのメーリスに一人一人に向けてメッセージがありました。私に対するメッセージは次の通りでした。

「僕はこのゼミのメンツはとても良いと思いますよ。こんなメンツはなかなかそろわないと思いますよ。」

もしこのメッセージが心のどこかに引っかかった人がいたなら、求めている何かがこのゼミにあるかもしれません。このゼミのメンバーに必要なのは学力や目で見えるもの、はかることができるものではなく、自分が他の人のために何ができるかをしっかり考え、行動することができることではないかと私は思っています。私は今後この「メンツ」の一員としてふさわしい人になれるように精進していくつもりです。

合宿にて