竹内浩也 わたしたちの沖縄~沖縄の風~

[ 編集者:経済学部・経済学研究科      2013年5月1日   更新 ]


私たち三期生は、途上国へ行く前にまず自国の風を知り、自国の問題に目を向けるという目的で、去年の10月に二泊三日の沖縄合宿に行きました。今回は沖縄に行ったとき自分たちの肌で感じたことを書きたいと思います。

合宿に行くにあたって、沖縄経済、自然環境保護、日米同盟・安全保障、普天間基地歴史、辺野古、高江の六つのグループに分かれ事前学習を行いました。私たちは、事前学習を終え、沖縄の抱える問題をさも理解したかのような気分でいました。しかし実際に沖縄へ行き、現地の方々の話をお聞きして、自分たちの無知さを痛感させられました。

沖縄合宿

わたしたち本土の人間にとって沖縄はどのように映るでしょうか?わたしたちのような学生から見ればリゾート地かもしれません。でも実際に沖縄の問題を目の当たりにした今、そんなイメージを抱いていた自分をとても恥ずかしく感じます。

わたしたちは沖縄合宿で、沖縄への見方が180°かわるようなとても貴重な出会いの場を頂くことができました。なかでも長年基地問題と向き合っていらっしゃる真喜志さん、沖縄大学の学生である西村さんとの出会いは、わたしの価値観を改めて直してくれるような貴重な出会いでした。

真喜志さんは私たちに長年基地問題と向き合ってきた真喜志さんだからこそできる話をしてくださいました。長年向き合ってこられた現地の方の話を聞いて、わたしたちはとても考えさせられました。とても大きな問題にたいしてあまりにも無知であった自分、他人事のように捉えていた自分に気づきました。

そのときからわたしの心の中にはなにかもやもやするものがありました。沖縄大学の西村さんは私たちと同世代の学生さんですが、基地問題と向き合っています。彼女は「沖縄に生まれた以上それらの問題から目を逸らすことはできない。だからこそあきらめずに向き合い続けるしかない」と話してくれました。

彼女の話を聞いた後、私は無関心であった以前の自分を情けなく感じました。こちらに住んでいるわたしたちはどうでしょうか?同じ日本に住んでいる本州の人間は沖縄の問題と向き合っていますか?

そんな出会い以外にも心を動かされる出会いはたくさんありました。その中でわたしの心の中のもやもやはどんどん大きくなりました。それはなぜだか、わかりません。沖縄の問題の大きさや様々な人の思いを知った以上、簡単に語れないし、まだそれらの問題を受け止め切れる器がない自分に苛立ちをかんじているのかもしれません。 また、肌で感じたことを言葉にできず、どう向き合えばいいのわからないからかもしれません。

貴重な出会いで胸に刻まれたことが風化する自分が嫌だったのかもしれません。はっきり言って今の無知で未熟なわたしに沖縄の問題について多くを語れるほどの揺るぎない価値観は存在していませんし、安易に語ってはいけないと感じています。だからこそ、このような問題と向き合い、また問題と向き合っている方の価値観にたくさん触れて、自分の中の価値観や人としての器を大きく揺るがないものにしなければならないと考えています。そのためには沖縄の問題はもちろん、原発など、他の日本の問題とも諦めずに付き合っていく必要があります。たとえそれらに明確な答えがないとしてもです。

沖縄合宿:晩ご飯を作っている様子

この夏ケニアに行って、目を背けたくなるような現実とも出会うかもしれません。でも逃げずに、仲間と共に諦めずに向き合うことで、それまでの自分とは比べものにならないぐらい成長できると確信しています。

そしてそんな成長を通じて、沖縄の問題、日本の問題、世界の問題を諦めずに受け止め、向き合えるような大きな器を持った人間になりたいと考えています。