2014.03.07.
【栗田ゼミ】東北地方太平洋沖地震復興 ボランティアへ再参加(栗田ゼミ)

東北へ再び

栗田ゼミ 2期生

栗田ゼミ2期生です。私たちは震災から約半年過ぎた2011年11月に、震災の爪痕が残る宮城県東松島市で、がれき撤去や側溝の掃除、排水管工事などのボランティア活動を行いました。

あれから約2年。

再びゼミ(授業)の中で、東日本大震災についてワークショップをする機会がありました。2年が経ち、今の想いを話し合った結果、私たちは2013年12月3日から5日まで、宮城県東松島市を再訪することを決めました。自らの目で、この2年間でどのような復興が行われてきたのかを確かめたかったからです。そのときに感じたことを書きます。

東北地方太平洋沖地震復興 ボランティアに参加(栗田ゼミ)関連ページへのリンク




●率直な感想として、2年前の月浜から変化を感じなかった。民宿は「かみの家」一軒だけが立っているだけで、仮設住宅も同じ姿で残っていた。しかし、案内をしてくれた山内さんの話を聞いていると、変わらないことの大切さを学ぶことができた。もちろん、目に入ってくる光景は、復興を目指すのであれば変わらなければならない。たとえば、かつて賑わいを見せた民宿がたくさんある月浜、仮設住宅ではなく“家”。ただ、山内さんの復興への強い意思は、震災前の月浜をよみがえらせたいという思いは、変わらず、2年前の山内さんとの写真を見ても、溢れ出てくる優しさは変わらなかった。
海苔について熱く語る山内さんに、「海苔を買う」ということでしかその思いに応えることができなかった自分がいた。どうしたら山内さん、月浜のみなさんの思いに応えることができるのか。これから社会人になる自分にとって、それを考え、行動する責任があると感じた。(三宅 祥隆)

 

2年前の月浜から変化を感じなかった

「2年前の月浜から変化を感じなかった」(三宅)

●2年振りに月浜を訪れ、思っていたよりも復興が進んでいないという印象を受けました。震災による瓦礫は撤去され、新たに工場も建てられている一方、プレハブでの生活は残ったままで、住宅建設予定地も来年やっと基盤が完成するという状態でした。継続的な支援はまだまだ足りていないということを再認識しました。同時に、一度はボランティアに参加させてもらっておきながら、そういった現状を知らないことが情けなく感じました。月浜の方が「自ら発信していくことが大切」とおっしゃっていましたが、受信する側ももっと情報に敏感になり、自分にできる支援を続けていくことが必要なのだと感じました。(河合 一樹)

月浜地区を再訪

●月浜を再訪した後、福島県昭和村の村おこしをメーンに活動しているNPO団体“苧麻倶楽部”のプログラムにも参加させていただきました。村内を散策し、村の歴史や文化に触れる機会、また椎茸農家の方に震災後のお話を伺ったり、実際に椎茸の採取をさせていただいたりしました。また、夜にあった食事会では、村民の方がまるで1つの大家族のように、次から次へと手土産をもって集まってくれました。農家の方が、福島という場所で農家をすることについて、私たちのような学生であっても、真剣にお話をしていただきました。“昭和村で生きる”ということ、“その環境で人を育てる”ということ、普段の私たちの生活の中では触れることのできない考え方・人生観を感じることができたと思います。
また、賛成・反対・中立の立場に分け意見を交わすドリルディスカッションをする機会もありました。自分の意見とは反対の意見を述べる機会は普段はなく苦戦しましたが、それでも考えるという状況におかれることで、相手側の意見も理解でき、多様な立場から物事を見るということの難しさ、またその重要さを感じました。(林 由華)

月浜地区への再訪と、昭和村でのプログラムを通じて、あらためて震災後の日本で生きるということについて、ゼミ生で考えてみました。

●震災後、日本で生きることは、“人とのつながりを大切にして生きること”なんだと思います。震災は日本にとっては大きな転機だと思います。失ったものは多く、被害は甚大です。そんな中で日本人として、生きるうえで忘れたらいけないことは、被害の大きさ、津波のこと、放射能の影響など、ネガティブなことだけではいけないと思います。それよりも、“震災を機に生まれた人とのつながりや人を思う気持ちを大切にすること”なんだと思います。その気持ちさえあれば、震災のことは忘れないと思います。(大塚 淳)

月浜地区への再訪

月浜地区への再訪

●月浜でも昭和村でも、震災を経験した方たちの話を聞くと、自分の置かれている状況を受け止め、その中で最大限できることに対して誇りを持って働いておられました。私たちは直接大震災を経験せず、ニュースや新聞で見て知っている。それは時間が経つと忘れていってしまうかもしれません。でも、今回の東北の再訪で出会った方たちが、遠く離れたあの場所を支えていること、それはニュースでは絶対に感じ取れないことだと思いました。何もなかったことにして、今までどおり生きて行くことはもうできません。遠く離れた場所で、出会った方たちの想いを知った私たちは、そのような方たちがいるということを本当に理解した上で、生きていかなければならないのだと思いました。(西村 早織)

震災前と変わらない美しい月浜の夕景

震災前と変わらない美しい月浜の夕景