建築学部について

グローバル化が進む現代において、建築に求められる役割には大きな期待が寄せられています。都市再生や持続可能な街づくり、環境問題やエネルギー問題、災害への対策など多くの課題を踏まえた上での建築が担う未来とは、どのようなものでしょうか。建築学部では、デザイン、マネジメント、工学、人文社会科学などの幅広い観点から建築・都市を学べるようカリキュラムを編成しています。建築学の視点から、現代社会における課題解決に貢献できる建築士、都市計画コンサルタント、公的機関でのマネジメントなどの有用な人材の育成をめざします。

建築学部のビジョン

国内にとどまらず世界のために貢献する

常に時代の先端を行く領域という意識で

歴史的な視点から見ると、建築は常に各時代の先端技術の集合体でした。建築家は古代ローマ帝国の時代にはすでに存在し、その技術は時代の変化に伴って進化を遂げてきました。建築を志す人は、建築という領域がそういう性格を持つことを理解して欲しいと思います。依頼主や市民と一緒に生活空間の最適な解を導き出すのが建築家の使命です。「強(強度)・用(機能)・美(美しさ)」が建築の原則ですが、近年では空間の快適性や地球環境との調和も重要視されるようになってきました。無駄がなく効率のよいエネルギーシステムになっているのか、快適性を確保する仕組みをどのように創ればよいのか、将来改修や建て替えを行う際に地球環境に負担になるようなことはないかなど、時代の変遷につれ、配慮しなければならないことが増えています。このように、その時代の社会から求められる要望に応えるとともに未来を先取りすることが建築には求められているのです。また、一つの空間をつくりだすためには、建築家だけでなく、さまざまな専門家の協力を得る必要があります。建築にかかわるチームをまとめ、率いていく力も建築家に欠かせないものといえるでしょう。

次世代の建築士をめざす人に向けて

いくつもの大学に建築を学べる学科がありますが、その多くは工学部の一学科とされています。しかし、建築にはその国・地域の文化や伝統、美しさなど、工学ではカバーしきれない知見が必要です。そこから考えると工学部の一学科ではなく、建築学部として独立するのが本来の姿。近年、私たちのように建築学部を設ける大学が増加しているのは、その表れといえるでしょう。今回新設する建築学部は、「建築・都市のデザインを一つのものと考える」ことを基本としています。単に建物を建てるのではなく、建築や空間、都市・まちづくりなど、広がりのある建築の世界を学べるようにしています。具体的には、一級建築士をめざす人に向けた教育を基本としながら、都市デザインや都市計画についての科目を設置し、充実した学びができるようにしました。一級建築士資格取得の道のりは、まず大学4年間で建築を学ぶことで受験資格を得られます。その後に資格試験に合格し、2年間の実務経験を経ることで、免許を取得できます。そのため、資格取得に必要な科目を徹底的に学修し、合格するための実力を養います。
 

建築は将来の可能性を数多く持つ学問

私たちは、都市の成熟化が進む日本の中で新たな課題に挑戦することはもちろん、建築を通して世界を舞台に活躍できる人材の育成をめざしています。世界の国・地域は、それぞれ文化や考え方が異なります。そこで国内外のフィールドワークを充実させ、その国・地域の現場を理解するとともに、課題を発見し、解決する訓練を行う考えです。さらにごく近い将来には、建築にかかわる国際機関や民間企業と連携し、実践をしながら学ぶ機会を設けようと、その方法を検討しているところです。建築は奥が深く、幅が広い学問領域です。建築に関する知識と技能を武器にすればゼネコンや都市計画コンサルタント、建材・住宅設備メーカー、地域開発に積極的な鉄道会社など、活躍の場は数多くあります。建築は、将来の可能性を数多く持った学問領域であるといえるでしょう。それを手にするには「建築を好きになれるかどうか」にかかっています。私たちは建築の面白さ、奥深さを皆さんに伝えます。建築に興味のある人は、ぜひ本学の建築学部で私たちと一緒に学びましょう。

建築学部設置準備委員長

角野 幸博 (かどの ゆきひろ) 教授

PLOFILE
京都大学工学部建築学科卒業、同大学大学院工学研究科建築学修士課程修了、大阪大学大学院工学研究科環境工学博士課程修了。工学博士。
武庫川女子大学教授などを経て現職。
人口減少社会の都心と郊外の共生を研究。

学科編成

建築学科
「デザイン+マネジメント」「工学+人文社会科学」「グローバル+フィールド」の各分野に軸足を置いて建築と都市について学べます。
デザイン+マネジメント
建築デザイン、インテリアデザイン、都市デザインなどの分野において、最前線で活躍できる人材を養成します。
工学+人文社会科学
建築デザイン、都市デザイン、まちづくり、コミュニティデザインなどの分野において、最前線で活躍できる人材を養成します。
グローバル+フィールド
建築デザイン、都市デザイン、都市計画、都市・建築防災、スマートシティなどの分野において、最前線で活躍できる人材を養成します。

学修・教育目標

1.建築学から現代社会における課題の解決に貢献します。

2.デザイン、マネジメント、工学、人文社会など幅広い視点から建築・都市を学ぶカリキュラムを通して、国際社会・地域社会で活躍する建築家、都市計画技術者、まちづくりリーダーの育成を図ります。

理念

グローバルな視野で建築と都市の未来を創造し、持続可能で秩序ある生活空間の実現に貢献する。

目的

魅力的で持続可能な建築や都市空間をつくるための計画・デザイン手法及びそれらを運営・管理するためのマネジメント手法の教育を通じて、建築学から現代社会における諸問題を解決することを目的としています。

3つのポリシー

■学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

関西学院は、キリスト教主義に基づく全人教育によって「“Mastery for Service”を体現する世界市民」を育成することを使命としており、その実現に向けて、全ての学生が卒業時に学部の区別なく共通に身につけるべき知識・能力・資質を「Kwanseiコンピテンシー」と定め、この獲得を念頭において、建築学部建築学科の学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を次のとおり定める。

【建築学科】

建築学科は、安全・快適で美しい建築及び都市空間の計画、設計、運営等に関する専門的知識と技術を有して、グローバルな視点で建築と都市の未来を創造する国際的人材を養成する。
よって、以下のような知識と能力を有する学生に「学士(工学)」の学位を授与する。

1. 工学的知識と技術をベースにして、魅力的で持続可能な建築や都市空間をつくるための計画・デザイン技術及びそれらを運営・管理するためのマネジメント知識。
2. 建築空間、都市空間そして地域社会を連続的・一体的なものとして捉え、相互の関係性について深く理解し提案できる能力。
3. 語学力、コミュニケーション力はもとより日本やアジアの建築及び都市の特徴や文化について誇りをもって解説できる能力。
4. 最先端の建築技術やデザインはもとより地域性や歴史的文脈を踏まえて、人文科学・社会科学等、幅広い側面から取組むことができる能力。
5. 人々の安全や財産に深く関わるとともに公共財としての側面をもつ建築に、専門家としての高度な倫理観をもって携わることができる能力。
6. 建築や都市デザインは多様な専門家及び住民との共同作業であることを理解し、一連のプロセスにおいて謙虚さと協調性を尊重しながらリーダーシップを発揮できる能力。
 

■教育課程の編成方針(カリキュラム・ポリシー)

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を踏まえ、建築学部建築学科の教育課程の編成方針(カリキュラム・ポリシー)を以下のように定める。

[建築学科] 

安全・快適で美しい建築及び都市空間の計画、設計、運営等に関する専門的知識と技術を有して、グローバルな視点で建築と都市の未来を創造する国際的人材を養成するため、総合教育科目と専門教育科目から構成される教育課程を通して、建築・都市デザイン分野の知識・技能を体系的に修得できるようにする。
具体的なカリキュラムの編成方針は以下のとおりである。
 

[総合教育科目] 

① 本学の建学の精神であるキリスト教主義に基づく人間形成によって、自らを律する強さ、倫理観、他者との協調性等の基本的な態度を身につけさせる。
② 英語のリーディング・ライティング・コミュニケーション能力を高める充実した英語教育を実施する。
③ 建築や都市デザインに必要な人文科学、社会科学分野の科目及び英語以外の多様な外国語を充実させることにより、総合的な知の形成を図る。
 

【専門教育科目】 

① 基礎的な表現から高度な建築設計に至るまでのデザイン能力を向上させる、1年次から4年次までの一貫した建築設計教育プログラムを構築する。 
② 建築空間と都市空間そして地域社会を連続的・一体的に捉え、相互の関係について深く理解し計画できる能力を育成するため、建築関連科目に加えて都市・地域関連科目を充実させ、両者を体系的に配置する。
③ 社会の具体的な課題に対して、建築や都市デザイン、まちづくりを通した改善や解決の手法を学べるよう、多様なフィールドを体験できるPBL型の授業を充実させる。
④ 建築の専門的職能に必須の一級建築士・二級建築士・木造建築士の受験資格に対応した専門科目をバランスよく配置し、資格取得に向けた専門科目を1年次から開講する。
 

■学生受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)及び教育課程の編成方針(カリキュラム・ポリシー)を踏まえ、学生受入れの方針(アドミッション・ポリシー)を次のように定める。

 
【建築学科】 

建築学科は、安全・快適で美しい建築及び都市空間の計画、設計、運営等に関する専門的知識と技術に基づいて、グローバルな視点で建築と都市の未来を創造する国際的人材を養成することで建築学の立場から社会に貢献することを目的としている。
よって、次のような入学者を求める。

① 建築学部及び建築学科の目的及び養成する人材像に賛同し、自然科学・科学技術の発展を通じて、自立的な態度をもって社会・文化・人類の発展に貢献しようとする学生
② 理数系科目の十分な学力を有し、自然科学・科学技術分野の体系的な知識・技能を高い意欲をもって修得しようとする学生
③ 人文・社会系科目の基礎学力を有し、建築・都市が存立する社会・文化・歴史等について理解する意欲をもつ学生
④ 日本語及び英語の基礎学力を有し、論理的思考に基づいて、文章読解・作成、コミュニケーション能力の向上に努める学生