人権教育研究室

人権をテーマに幅広く活動

あらゆる差別の問題を「人権」の立場からとらえ、研究会の開催、研究雑誌や啓発冊子の発行、人権関係総合コースの運営検討、人権問題講演会の企画、また人権関係図書・資料の収集・整理など、本学の人権教育・研究活動の整備を行っています。

人権教育への取り組み

1971年、学内で生じた差別発言を契機に、大学は人権教育が大学教育にとって一つの大きな柱であることを認識し、部落問題に本格的に取り組み始めました。

そのため、大学に部落問題に関する研究会として同和教育研究プロジェクト・チーム(同プロ)が結成され、大学評議会と各学部には特別の委員会が設置されました。この同プロや各学部の委員会は、数多くの研究会を開催し、教育啓蒙活動を続けるとともに、その研究成果を生み出してきました。人権教育研究室に引き継がれるまで同プロだけでも毎年8-9回、各学部においても数回の研究会を開催し、研究・討議資料や関西学院大学の人権教育の歩みを記録した『本学における同和教育の総括と今後取組むべき課題』を発行しました。

人権教育の内容

人権教育に関しては、それを具体的に授業として展開するために、1973年から全学開講の総合コースとして「部落問題」を開講し、今日まで続けています。

部落問題から始められた本学の人権教育は、総合コースとしては、その後1977年に「在日朝鮮人問題」が、86年には「男性社会と女性」が、88年には「身体障害者問題」(後に「障害者問題」に名称変更)が、さらに2002年には「人権と共生」が開講され、また、これらの科目と平行して、95年からは総合政策学部開講科目(2002年からは総合政策学部・理工学部開講科目)として「差別と人権」が開かれるなど、漸次その教育内容を広げてきました。
そして、2004年度には人権問題の多様性と本質の理解を目的とする「人権問題入門」を開講しました。
2005年度には日本社会におけるニューカマー(新来)の外国人の現状を理解し、「人権」を考える機会を提供するため「滞日外国人の抱える問題と人権」を開講しました。

人権関係科目の一層の充実・整備を図るため、2009年度よりこれらの科目を総合コースから括りだし、「人権教育科目」として独立させました。
開講科目としては従来の授業科目に加え、「ヒューマン・セクシュアリティ」を人権教育科目として開講するとともに、授業科目「男性社会と女性」を「人権から見たジェンダー」に名称変更しました。

2010年度にこれらの人権教育科目のうち一部の科目名称を見直し、2011年度より次の授業科目名で開講することにしました。
(1)001「部落差別と人権」(2)002・003「在日朝鮮人と人権A・B」(3)004・005「人権から見たジェンダーA・B」
(4)006「障害と人権」(5)007「人権と共生」(6)008「人権問題入門」(7)009「多文化社会と人権」
(8)010「セクシュアリティと人権」(9)総合政策学部・理工学部合併科目「差別と人権」

2012年度より001「部落差別と人権」を見直し、011「部落差別と人権A」(春学期)、012「部落差別と人権B」(秋学期)として開講しています。
さらに、2016年度より総合政策学部・理工学部合併科目「差別と人権」を人権教育科目013「差別と人権」として、2017年度より006「障害と人権」を014・015「障害と人権A・B」として開講、2020年度からは半期開講に変更し017「障害と人権」として開講しています。
また、2018年度より新たに人権教育科目016「人権問題演習」を開講します。

人権教育研究室の意義

このように本学の人権教育・研究は、時代の要請を受けながらかなりの広がりをみせ、個別的には一定の成果を生み出してきたものの、必ずしも「人権」という視点から統一的・有機的に体系化されてはいませんでした。

しかし、世界における人権教育研究の動向は、個別問題の解決だけでなく、それらを重視しながらも、さらに「人権」というより普遍的な視点から考える方向に動いています。たとえば、国連は1995年から10年間を「国連人権教育の10年(1995-2004)」とし、その一年目を国際寛容年と定めましたが、それはあらゆる差別を「人権」の立場から考え、すべての差別を無くすために定められたものでした。

人権教育研究室は、このような新たな視点に立って同プロを含む本学の人権研究・教育を再編成するために1995年4月に発足しました。
研究誌『関西学院大学 人権研究』や『KG人権ブックレット』の発行、定例研究会の開催および人権教育科目の開講や、毎年春学期と秋学期(12月の人権週間中心)に開催される人権問題講演会や人権問題についての啓発プログラムの企画を行っています。

また、少しずつですが、この20数年間にわたり本学に蓄積された人権関係資料の整備などを行うことによって、本学の人権にかかわる教育・研究の環境整備に努力しています。

個別の相談先

キャンパス・ハラスメント等相談センター

関西学院では、学生等と教職員が個人として尊重され、人権を阻害されることなく就学、教育、研究及び就労ができるよう、 キャンパス・ハラスメント等相談センターを設立し、キャンパス・ハラスメント等の防止・解決に取り組んでいます。個別のご相談についてはこちらのページをご覧ください。

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