関西学院大学主催 公開シンポジウム「誰一人取り残さないために~SDGsと多様性尊重の取り組み」

関西学院大学主催 公開シンポジウム「誰一人取り残さないために~SDGsと多様性尊重の取り組み~」

日時:2021年5月21日(金)13時~15時
場所:西宮上ケ原キャンパス 中央講堂・Zoomウェビナーによるオンライン併用開催

多様性(ダイバーシティ)を認め合い、「垣根なき共同体」の実現をめざして、関西学院が2020年4月に制定した「関西学院インクルーシブ・コミュニティ実現のための基本方針および行動指針」を記念し、これからの社会のあり方を考える公開シンポジウムを開催しました。概要を以下のとおり紹介いたします。

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学長挨拶「関西学院大学とSDGs」
村田 治(関西学院大学 学長)

 

・私からは関西学院大学の取り組みとこの宣言に至るまでの経緯、また現在の状況について簡単にお話させていただきます。・新型コロナウイルスの世界的な流行により可視化された格差拡大、パンデミックの底流をなす地球温暖化など、多くの課題が我々に突き付けられている今、重要性を増しているのがSDGsです。本学では、人権教育科目(1971年)や点字入学試験(1973年)、難民学生推薦入試制度(2007年)など、国内の他大学に先駆けて多様性、平等、ジェンダーに関する取り組みを導入してきました。これらをまとめる形で2010年に「インクルーシブ・コミュニティ構築に向けて」という宣言を発表。2019年にはSDGs推進本部を設置し、SDGsの達成に向けたさまざまな取り組みを行っているところです。またSDGs宣言も発表し、具体的な行動計画「“Mastery for Service” for SDGs Initiative」の立案を進めています。
・SDGsの基本理念である「誰一人取り残さない」社会を構築するために、本学は今回発表した「インクルーシブ・コミュニティ実現のための基本方針および行動指針」に基づいて、大学運営あるいは学院の運営、そして教育、研究に取り組んでいくことをここに宣言したいと思います。


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「関西学院インクルーシブ・コミュニティ実現のための基本方針および行動指針」の概要説明
望月 康恵(関西学院大学 人権教育研究室 室長)

・関西学院は、垣根なき共同体をめざして2014年にインクルーシブ・コミュニティ宣言を策定し、これを実現するために基本方針と行動指針を策定しました。・基本方針は5つ柱により構成されており、その実施に向けて具体的な行動指針が定められています。関西学院は幼稚園から大学院までを擁する総合的な教育機関です。そこに集う、園児、児童、生徒、学生、教職員などすべての人が基本方針の実践者です。・基本方針の「1 男女共同参画の促進」では、男女共同参画の機会の確保や、教職員の男女比データの公表および是正努力などを実施。「2 性的指向や性自認の多様性の尊重」では、性的指向・性自認(SOGI)の多様性に配慮します。「3 障がいのある構成員支援の実施」では、障がい学生への支援をさらに推進します。「4 文化的多様性の尊重」では、多様な文化的背景を持つ人たちによる共同体をめざします。基本方針と行動指針の策定により、ようやくスタート地点に立ちました。今後、よりよいコミュニティづくりがめざされます。

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ダイバーシティ推進本部の概要説明
柳屋 孝安(関西学院ダイバーシティ推進本部長・常任理事)

・行動指針で設置が定められた「インクルーシブ・コミュニティ推進協議会」は院長をトップとして複数の組織から構成されています。私が長をつとめるダイバーシティ推進本部に加え、ハラスメント相談センター、総合支援センター、人権教育研究室等の組織がインクルーシブ・コミュニティ推進のための中心的な組織と位置付けられています。また、関西学院は総合学園として幼稚園から小学校、中学校、高等学校、短大、インターナショナルスクールで構成されており、それぞれの学校の中でインクルーシブ・コミュニティを実現していこうということになっています。・「ダイバーシティ推進本部」は、教職員におけるダイバーシティ実現をめざす組織で、これまでは「男女共同参画推進本部」として、教員の教育研究環境や、職員の就労環境を整備してきました。2013年には、女性研究者が結婚や出産などを理由にキャリアを中断することなく、能力を最大限に発揮できるように支援するピンチヒッター制度を創設。また、「子育て支援」の観点から、男性教職員の育児休業の取得率、時間外労働の削減などの目標を達成し、2019年には近畿地方の学校法人として初めて、厚生労働省より「くるみん認定」を受けました。そのほか、学内保育施設の設置や、17時以降の会議の削減も実施しています。・ダイバーシティ推進本部はダイバーシティを力として人的リソースを最大限に活用できるよう働きかけることにより、関西学院における誰もが輝くインクルーシブ・コミュニティを創出していくことが重要であると考えています。そうした責務を果たすために、基本方針と行動指針の策定を契機として、男女共同参画の推進にとどまらないダイバーシティの取り組みをより一層加速していく所存です。

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シンポジウム「SDGsと多様性尊重の取り組み」

バリアバリュー ~障害を価値に変える~
垣内俊哉(株式会社ミライロ 代表取締役社長)



「バリアをバリューへ」

・私は生まれつき、骨が弱くて折れやすく、幼少期から「歩けるようになりたい」と願ってきました。それが叶わず、「歩けなくてもできること」を探し、「歩けないからできること」に気づきました。これを日本に世界に広げようと、二十歳の時に起業しました。「障害が強み・プラス・価値となる」瞬間もあると確信しています。バリアはバリューに変えていける。

「今、向き合うべき3つのバリア」

・障がい者や高齢者など多様な方が外出しやすく生活しやすい環境づくりが進むと、外へ出られなかった人が出られるように、学べなかった人が学べるように、働けなかった人が働けるようになります。お金を持ち、一消費者となるわけです。これからは一つのマーケットとしてとらえ、弱者救済の措置ではなく経済活動、地域活性として向き合っていかなければなりません。・国内ほとんどの都市では、地下鉄駅のバリアフリー化率が欧米の主要都市を大幅に上回り、日本は圧倒的に外出しやすい国になっています。しかし、外出したくなるかどうかは別です。障がい者や高齢者への対応が、無関心と過剰で二極化しているからです。私たちが多くの違いを理解していないからです。歩けないことも、目が見えないことも、耳が聞こえないことも、それ自体が障がいなのではありません。障がいは人ではなく、環境にあるのです。・バリアは、大きく分けて、環境のバリア、意識のバリア、情報のバリアの三つです。・まず、環境のバリア。法律や条例は整っていますが、形式的な建築設計になっている場合が少なくありません。これからは当事者の視点や声を十分に反映する必要があります。・次に意識のバリア。ハードを改善できなくても、私たちのハートは今すぐ変えられます。段差や階段があっても、そのサポート方法を誰か一人でも知っていれば、障がい者と十分に向き合えます。ハードもハートも変えていくことが大切です。・最後に情報のバリア。国内964万人の障がい者のうち、700万人が障害者手帳を持っていますが、どんな手続きでも窓口に行かなければなりません。パソコン、スマートフォン一つでできるようにする。こうした情報のバリア解消により、外出を促進し、社会に参加する一歩を後押しすることが重要です。

「社会貢献だけでなくビジネスへ」

・障がい者には、身体障がい、精神障がい、知的障がいなど、さまざまな特性の方がいます。その延長線上にいるのが高齢者です。加齢に伴い、視力・聴力・握力が低下します。高齢者のニーズは、障がい者のニーズを統合した状態にあるのです。様々な方々に配慮することが、新しいビジネスチャンスにつながります。・例えば国内の飲食店のうち車いすで入れる店舗は5%のみですが、近年売り上げを伸ばしています。95%の飲食店がやっていないからです。一方、世界の障がい者は19億人以上、その家族を合わせると34億人、購買力11兆ドルの市場ですが、目を向けて取り組んでいる企業はたったの5%です。経済的にも取り組む意義があります。社会的意義だけでは長続きしません。社会性と経済性の両輪あってこその継続です。・日本のバリアフリーは世界に誇れる水準です。ハードはもちろん、ハートも世界に誇れる日本を、皆さんと一緒につくっていければと願っています。


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早稲田大学におけるダイバーシティと学生支援
下田 啓(早稲田大学スチューデントダイバーシティセンター長)

なぜダイバーシティなのか?

・なぜダイバーシティなのかという問いかけに対して、ここでは二つの答え方に注目します。・まず、現実的な考え方。人口統計上の逆風により、日本の大学は学生確保に必死です。一つの解決策として、海外から留学生を呼び込んでいます。もう一つの解決策が新たな進学層の発掘です。例えば、地方在住で障がいのある高校生が親元を離れ、安心して進学できるような大学づくりをめざすことにより、進学者の開拓が可能です。大学自体を継続可能にするためのダイバーシティ推進です。・もう一つは社会発展からの考え方。1960~70年代に活躍した俳優のバート・レイノルズは若い頃、優秀なアメリカンフットボールの選手でした。彼が俳優仲間に自慢話をしたところ、「お前のチームに、黒人は何人いたんだい?」と尋ねられました。対戦相手も含めて一人もいません。人種隔離政策により、白人男性は本当の競争から守られていたのです。つまり、機会平等と純粋な競争がない社会は、実力主義を語れないのです。ダイバーシティを認めない社会は、能力主義を語る権利がないとも言えます。ダイバーシティは、大学が実力主義に基づく社会制度であることを証明するものと捉えることができます。

早稲田大学におけるダイバーシティの推進

・早稲田大学におけるダイバーシティ活動は、「①ジェンダー(男女)」、「②国籍・人種・民族・宗教・文化」、「③障がい」、「④セクシュアルマイノリティ」の四つの柱に支えられています。早稲田大学ダイバーシティ推進宣言もこの四つの柱について明言しており、「性別、障がい、性的指向・政治人、国籍、エスニシティ、信条、年齢などにかかわらず」としています。・早稲田大学では、教職員に対する支援組織と学生に対する支援組織は分かれていますが、ダイバーシティ推進委員会の下で連携しています。私が担当しているSDC(スチューデントダイバーシティセンター)は学生支援の実行組織です。SDCは、GS(ジェンダー&セクシュアリティ)センター、障がい学生支援室、ICC(異文化交流センター)の三つのオフィスで構成されています。・GSセンターは、学生からの提案によって生まれた組織です。当事者相談、安全コミュニティ提供、allyの養成等を業務としています。交流や啓発を目的としたオープンなコミュニティスペースと個人相談を目的としたプライベートスペースを提供しています。・障がい学生支援室は、身体障がい部門と発達障がい部門に分かれ、都条例の「合理的配慮」に対応し、情報保障の一環としてさまざまな就学支援を行っています。・ICCでは、留学生と国内生との交流の場を提供し、すべてのイベントを日英バイリンガルで実施しています。・SDCでは、イベントの企画・運営から実際の支援まで主に学生が担っており、学生主体であることが特徴です。

見えてきた課題と今後の展望

・今までの取り組みから見えてきた課題と展望で締めくくります。・一つ目の課題は、学内に温度差があることです。なぜここまで一部の構成員に配慮しなければならないのかという疑問がいまだにあります。今まで一部のマイノリティが黙って耐えてきた気まずさ、居心地の悪さをマジョリティや特権層も味わわざるを得ない「気まずさの民主化」と呼ばれることが起こっています。ダイバーシティに対する問題意識が拡大しているという新しい現実に向き合う心構えの共有が必要だと感じています。・二つ目の課題は、学生支援です。学生一人一人に職員が向き合って信頼関係を築き、継続的にフォローするサービス業務なので、なかなか効率化やスケールアップができません。そのため、大学として人材確保にコミットする必要があります。・三つ目の課題は、多言語でのサポートが必要であることです。多数の留学生のために多言語でのサポートが必要になりますが、例えば、ジェンダーやセクシュアリティに関する専門的な知識を備え、かつそれを多言語で展開できる人材はなかなかいません。・最後は、「タテ」と「ヨコ」の二つのベクトルについてです。「タテ」のベクトルは、組織がダイバーシティにコミットすることです。学内外に公式に宣言したり、予算を組んだり、経営陣がトップダウンで示します。同時に必要なのが「ヨコ」の発展です。ダイバーシティに対するセンシビリティを持っている構成員の輪を広げることです。本当の意味でのダイバーシティの定着は、「タテ」と「ヨコ」がうまく連動することにより、ダイバーシティが決して特別なものではなく、当たり前のものであるとみなす風土づくりから始まるのではないでしょうか。

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パネルディスカッション

澤田) 関西学院の多様性尊重のための取り組みについてコメントをいただければと思います。

垣内) 昨年から関西学院大学人間福祉学部の「人間多様性論」という授業で、全14回のうち6回を弊社が担当しています。障がい者や高齢者に対する接し方「ユニバーサルマナー」を大学の授業に取り入れられたのは、関西学院大学が初めてです。関西学院大学では多様な学生を受け入れることや環境整備はもちろんのこと、共に学ぶ学生さんの意識もしっかりと変えていこうとされています。こうした動きが他の学校でも広がっていくといいなと思っています。

下田) SDGsというグローバルな枠組みの中で、インクルージョンを相対化しているのは、我々も学ぶべきポイントだと感じています。ダイバーシティには普遍性と独自性があると思います。基本方針にあった「男女共同参画、SOGI、障がい者、文化対応、インクルーシブ・コミュニティ」は共通項目ですが、関西学院大学が掲げるキリスト教主義と、人権問題に関心の高い関西という地域性がどう影響しているのか気になりました。

澤田) それでは、今後の大学、企業、そして社会において求められることについて意見をいただければと思います。

望月) 関西学院におけるダイバーシティコミュニティ実現の取り組みは始まったばかりです。ようやくスタート地点に立ちました。今後、よりよい共同体の構築をめざして基本方針と行動指針をどのように実現していくのか関西学院全体としての取り組みがさらに求められます。関西学院はミッション系の大学ですので、キリスト教主義の精神に基づいたインクルーシブ・コミュニティの構築がめざされます。関西学院の目標としての「世界市民」の育成に向けては、社会において自分たちができることにまず目を向けることが重要です。地域性に関しては、現実の課題への対処の大切さが指摘できます。またインクルーシブ・コミュニティの実現に向けては、社会とのつながりが不可欠です。今後、教育機関は社会とどう連携していけばいいか、ご助言いただけますでしょうか。

垣内) 大学に通う障がい者は増えていますが、まだ全体の1.2%。アメリカの19.4%、イギリスの17.3%と比べて低く、就労者数もアメリカ・イギリスと比べて10倍近くの開きがあります。障がい者の教育水準をもっと上げていかなければいけません。それには大学のバリアフリー化が必要ですが、それ以前に学力の問題で大学に行けない障がい者がたくさんいます。小中高のバリアフリーが進んでいないからです。国土が限られた日本ではバリアフリーに限界があります。ヒントが得られたのは、リオデジャネイロと平昌でのオリンピック・パラリンピック視察でした。リオデジャネイロのバリアフリーは最悪でしたが、車いすを押すのが取り合いになるくらい、多くの人からサポートを受けました。対して、平昌のバリアフリーは完璧でしたが、滞在中、誰からも声をかけられませんでした。日本はどちらかというと後者です。障がい者の教育機会や社会参加が増えても、そこに距離や壁があれば居心地はよくはありません。ハードもハートも必要で、バリアフリーはもちろん、私たちの意識と社会全体の行動を変えていくことが求められると考えています。

澤田) 関連の質問がきています。先日、車いすでの電車利用について、駅側の対応に問題があったとSNSでの投稿がありましたが、反対に投稿者へのバッシングが起こりました。ダイバーシティ化を推進すると、こういったトラブルが多発するのでしょうか。

垣内) 多発すると思われます。障がい者からのクレームは格段に増えました。今は企業や教育機関の窓口担当者は聞く耳を持っています。そうした中で、攻撃的なアプローチになれば、結果として共感を伴いません。障がい者が不便、不自由に面したときに声を上げることは重要ですし、声を上げづらくなってもいけませんが、声の上げ方は考えなければなりません。また、声の拾い方も考えなければなりません。お互いに歩み寄っていくことが必要です。

澤田) 話を戻し、これからの大学、企業、そして社会に求められることについて、下田先生からもお願いします。

下田) ダイバーシティは組織自体が変わることが大事ですが、他の組織との関わり方を変えることも大事です。大学でも業者の選出の際に、適切なパートナーとは誰か、適切なパートナーシップとはどういうものなのかを意識し、SDGsの観点から見直す必要があるのではないでしょうか。

澤田) 参加者からの質問です。早稲田大学ではGSセンターなどを設立して、「『気まずさの民主化』以外にキャンパスにどのような変化があったのでしょうか」。

下田) 当事者や支援者にとっては、キャンパス内に自分の居場所が確保されているということは重要で、その恩恵はある程度あると思います。ただ、セクシュアリティに関しては、高度な知識が必要だと思われがちですが、共感というのが重要です。そういう人間として基本的なことを念頭においておけば、別にすごく高度な知識は必要ではないという意識を学内に広めていきたいと考えています。

澤田) GSセンターはワンストップになっているのでしょうか。他部署との連携、教員との連携について教えてください。

下田) 複数のマイノリティ性を抱えている学生もいて、GSセンター内だけで完結できる問題ばかりではありません。学内に散らばっているさまざまなリソースと当事者をつなげています。組織間での風通しのよさやコミュニケーションを保つということが重要だと痛感しています。

澤田) 無関心な人のハートを変えるにはどうしたらよいかという質問がきています。

垣内) 嵐の櫻井さんがユニバーサルマナー検定を受験し、受験生が一気に増えました。誰も関心を持っていなかったところから、ふとした瞬間に共感が爆発するタイミングがあると思います。無関心が、これから着実に皆さんの関心のある方向へ動こうとする一歩へと変わっていくのではないかなと楽観視しています。

澤田) 参加者からの質問です。「日本のバリアフリー化は高水準なのに、なぜ小中高では進んでいないのでしょうか」。

垣内) 一つは、障がい者と健常者を分ける分離教育がスタンダードだったからです。もう一つはバリアフリー法で小中高が対象外だったからです。小中学校が今回の改正の対象となり、高校も推進対象になったので、いい方向に向かうと予測しています。

澤田) 最後に一言ずつお願いします。

下田) インクルーシブ・コミュニティを実現するという目標に向かう中で、同じような関心をもった当事者が交流し、いろいろなアイデアを出し合い、共有していく、お互い少しずつ知識や意識を変えていく、そういうつながりが大事だと再認識しました。また、なるべく目標を数値化することも重要だと思います。仮に達成できなくとも、課題をあぶりだすような具体的な目安になる数値は大事かなと思った次第です。

垣内) 日本は、法定雇用率という縛りの下で障がい者雇用を進めています。罰則ありきで雇用を進めるといったインセンティブではなく、「バリアがバリューに変わるから」「障がい者が戦力になるから」雇用する、就労者が10人いれば1人、2人、3人の障がい者がいる、そんな当たり前の未来を作っていくためにも、教育機関での学びの場が必要です。皆さんといっしょにそうした社会を築いていけることを願っています。

望月) 教育機関は知識の提供に重点を置きがちです。知識の提供に加えて経験を共有することによって、学生とともに共同体を構築し、経験を得た学生を社会に送り出す大切な任務を大学は負っています。ハード面を備えることは大事ですが、人々の気づきや共感がなければ、どんなにハード面を備えても十分に活かされません。共感できる仲間を増やしながらダイバーシティコミュニティの実現に向けた取り組みが、今後、さらに求められます。

澤田) 皆さま、ありがとうございました。本日のシンポジウムというかたちはまだスタート地点に立ったところだというふうに私たちも認識しています。関西学院として、また人権教育研究室として今後も引き続き取り組みを行っていきたいと思います。