2016年6月6日(月)〜7月23日(土)
神々の宿る布―古代アンデスからのメッセージ―

展示概要

アンデス
 アンデス文明は、南アメリカのペルーを中心にした中央アンデスの山間や太平洋側の海岸地帯に発達した古代文明です。この地域は、標高6,000m級の山々が連なるアンデス山脈が太平洋岸に沿うように聳え立ち、平地が少なく急峻な地形となっています。高地では季節による気候の差が著しく、海岸地帯では雨がほとんど降らず砂漠化しています。砂漠や高地、盆地などさまざまな環境が混在する厳しい自然環境のもとでアンデス文明は育まれました。

アンデスの文様
 このため、アンデスの染織品文様は自然の力に対する畏怖が感じられます。自然界に存在する動物たちを神格化し、時には呪術的な様相を呈するものも見られます。また一転して身近な動植物をモチーフとした平和で豊かな日常生活を想像させる文様もあり、実に多彩でユニークな表現です。

文字を持たなかったアンデス文明
 アンデス文明の大きな特徴は、文字を持たなかったことです。アンデスでは言葉を文字にしたためる代わりに土器や染織品などに表される文様が多いに発達しました。布は軽く折りたたんで運ぶことができるため、そこに表された文様は時に宗教的なシンボルやメッセージを伝える手段として重要な役割を果たしました。

色鮮やかに遺る染織品
 今回展示するアンデスの染織品は、墓地に副葬品として埋葬されたものです。アンデスではミイラ化した遺体を多くの布で包み、埋葬する風習がありました。太平洋岸の海岸地帯は砂漠化しており湿度が低いため、墓地に埋められ密閉状態にあった染織品は数千年から数百年という昔につくられたものであるにもかかわらず、驚くほどに色鮮やかな姿を見せてくれます。

 この展覧会を通じて、古代アンデスの染織品がもつエネルギー、その独特な装飾性や技巧に驚かれることでしょう。そのような布をうみだしたアンデスという土地や風土、そこで生活した人々に思いを馳せながら、さまざまに想像を膨らませて布に込められたメッセージを感じてください。楽しみながら異文化に歩み寄り、心を寄せる機会となることを願っています。

展覧会名
神々の宿る布―古代アンデスからのメッセージ―
会期
2016年6月6日(月)〜7月23日(土)
会場
関西学院大学博物館(時計台2階展示室)
休館日
日曜日
入館料
無料
後援
西宮市

見どころ

縁飾り断片 神像文様 (部分拡大図)

帽子 鳥文様

図録のご案内

価格:¥600(税込)

ギャラリートークのお知らせ

《ギャラリートーク》
学芸員による展示解説を行います
第1回 2016年6月14日(火)14:00
第2回 2016年6月28日(火)14:00
第3回 2016年7月14日(木)14:00

*参加無料、申し込み不要