総合政策学部のあゆみ

[ 編集者:総合政策学部・総合政策研究科       2015年7月5日   更新  ]

1.1986~1994:学部開設前期

建設中の神戸三田キャンパス

建設中の神戸三田キャンパス

関西学院創立100周年を迎えた1989年、本学は兵庫県三田市に新校地(神戸三田キャンパス)となる約10万坪の土地を取得した。その地に、本学では1961年の理学部創設以来の8番目となる新学部を設置することになった。

完成後のキャンパスの様子

完成後のキャンパスの様子

当時は地球的規模での環境保全が叫ばれ、各国で都市のあり方が問われ、南北問題など、国境や文化を超えた国際的な問題が累積していた。今こそ、Mastery for Service(本学のスクールモットー:「奉仕のための練達」と訳す)のもと、地球と人類の未来を世界市民として考える人材を養成するべく、国内では4番目となる「総合政策学部」を関学の期待のホープとして新しい地で誕生させようとしたのである。

阪急梅田駅周辺で教職員で学部PRを行っている様子

阪急梅田駅周辺で教職員で学部PRを行っている様子

初代学部長には環境経済学の第一人者である天野明弘神戸大学教授を迎え、専任教員は外国人および外国での活動経歴が長い教員がほぼ半数を占め、かつ、社会科学系、人文系、自然科学系、工学系と「総合政策」ならではの様々な分野の教員が集い、国際的かつ学際的な学部の教員組織を構成した。また、世界市民の養成にかかせないコミュニケーションの手段としての英語教育や情報教育に力を入れるべく、教育体制、設備ともに最新の整備を図った。

こうして当時設立に関わった人たちの並々ならぬ熱意と夢と希望の結晶として総合政策学部誕生を迎えるのである。

詳しくは、下記のファイルをご覧ください。

2.1995~1998:学部開設から完成年度まで

完成後のキャンパスの様子

完成後のキャンパスの様子

新しい世紀に向けての関西学院のあるべき姿として確認された、人間化の徹底、実学化への志向、総合化への努力、情報化の徹底、国際化の追求という5つの基本方針のもと、「自然と人間の共生ならびに人間と人間の共生」を学部固有の理念として地球社会の要請に応え得る人材育成を目指した総合政策学部総合政策学科を1995年4月に開設した。

当時のKSC図書館.

当時のKSC図書館.

わが国で初めてヒューマン・エコロジーを基本的な視座とし、これに社会科学の諸分野や一部工学などの諸科学を総合的に組み合わせることによって、現代社会のあり方を探求する研究・教育組織である。第1期生は阪神淡路大震災の直後の混乱の中で実施した入試を経て、約400名を迎え入れ、完成年度には1500名を超える学生が正課・課外活動にいそしむに至った。

神戸三田キャンパス開校当時の三田市駅商店街のにぎわい

神戸三田キャンパス開校当時の三田市駅商店街のにぎわい

神戸三田キャンパス開設記念講演の様子

神戸三田キャンパス開設記念講演の様子

本学部の特徴として、様々な専門領域の教員で構成される多様性、外国籍教員や外国人留学生、帰国生、高い英語教育レベルで示される国際性、自ら問題を発見し、解決方法を考えさせる教育方針によって培われる学生の自主性、情報教育の充実による発信性、国連研修ツアーやフィールドワークの実施に見られる実践性などを学部完成年度までの4年間、教職員・学生ともに模索しながら築くことができたといえよう。

安保教授によるゼミ風景

安保教授によるゼミ風景

初代の天野学部長は1999年3月に学部長職を辞する際に4年間を振り返っての感想として「大きなミッションの最初の一里塚に到達できたという誇りと、それを横目に見ながらさらに開拓の旅を続けなければならないという緊張感とがないまぜになったものではなかろうか。」と述べている。

学外を出ての学習活動「ほんまちラボ」

学外を出ての学習活動「ほんまちラボ」

詳しくは、下記のファイルをご覧ください。

3.1999~2002:大学院設置からメディア情報学科増設へ

今泉宗教主事を囲んで

今泉宗教主事を囲んで

1999年4月から安保則夫教授が第2代学部長に就任し、学部完成以降のさらなる充実を図る体制がスタートした。

メディア情報学科の増設に伴い

メディア情報学科の増設に伴い

4年間の学部教育に続けて大学院での修士・博士の指導を目指して、すでに1997年4月から安保教授を中心メンバーとする準備委員会を発足させ、前期課程50名の入学定員、社会人学生の受け入れに伴う昼夜開講制、複数の教員と複数の学生による共同研究としてのリサーチ・プロジェクトの実施等、大学院教育の新機軸を打ち立て、1999年4月に総合政策研究科を開設し、初年度には社会人28名、留学生7名を含む78名が入学した。2001年度には前期課程に続き、後期課程を開設し、博士(総合政策)の輩出を目指した。

当時としては非常IT環境が極めて充実KSC図書館

当時としては非常IT環境が極めて充実KSC図書館

一方、1997年から総合政策学部に情報系の学科増設の検討が福田豊生教授を中心として開始され、2002年4月にメディア情報学科を増設した。基本方針として、テクニカルなスキル習得を重視し、情報技術の工学的知識の裏付けを持ち、さらに学部の特徴を活かして幅広い政策視野と実践行動力を持った人材の育成を目的として演習設備、実習科目の強化を図った。

キャンパス内芝生での風景

キャンパス内芝生での風景

このように開設以降のファーストステージで大学院の設置やメディア情報学科の増設などに伴い、教員数・学生数の増加、開講科目数の増加、施設・設備の充実等、規模の拡大がなされ、学部・大学院の教育・研究条件の充実が図られた。

詳しくは、下記のファイルをご覧ください。

4.2003~2008:セカンドステージを迎えて

グラウンド沿いに完成した建築実験棟

グラウンド沿いに完成した建築実験棟

前年度のメディア情報学科の増設に続き、2003年4月に福田豊生教授が第3代学部長に就任し、実質的に総合政策学部のセカンドステージが開始された。
さらに2006年度には神戸三田キャンパス第3期整備計画推進のため、学部再編と新設学科設置のための検討部会が設置され、2009度に2学科(都市政策学科、国際政策学科)を増設し、4学科体制とすることが決まった。
2007年4月には加藤晃規教授が第4代学部長に就任し、2009年度の2学科増設についての学内手続き、および文部科学省への申請手続きが行われ、無事に承認・認可が得られた。

授業風景

授業風景

このように次々と一層の拡大が図られ、教員数も学生数も当初の2倍弱という規模に至ることになった。ファーストステージで、教職員・学生ともに一体となって模索を繰り返しながら学部を作り上げてきたアイデンティティに徐々に変化が現れ、学部運営や学生の動向にも様々な問題が見られるようになった。

学部規模の拡大の流れの中で、このような課題をひとつひとつ乗り越えてきた。今、あらためて拡大した規模での総合政策学部のあらたなあり様を、教職員・学生が一体となって考え、道筋をつけ、実行していくステージにあがる段階に来ているといえよう。

詳しくは、下記のファイルをご覧ください。

5. 2009~現在:4学科体制へ 都市政策学科・国際政策学科の誕生

アクティブラーニングとしての「アカデミックコモンズ」

アクティブラーニングとしての「アカデミックコモンズ」

2009年度に総合政策学部はさらに新しいステージに入った。まず、二つの新しい学科(都市政策・国際政策)が加わって4学科体制になった。新カリキュラムでは、入学時は特定の学科に属さず、2年生から学科配属を行うこととした。つまり、新入生は1年間、各学科でどんなことが学べるのか、よく理解した上で、自らの関心と目的に応じて学科を選択することになる。一方で、多くの科目は全学科の学生に開かれており、学科の枠を超えての学習も推奨されている。

アカデミックコモンズからのメッセージ発信

アカデミックコモンズからのメッセージ発信

このため、とくに1年次では基礎演習やEC、コンピュータ演習等の“学びのスキル”を身につけるための科目や、総合政策やヒューマンエコロジー等の総合政策に共通する基本知識を学ぶ科目、そして学科導入科目として“各学科の入口”となる科目等が用意された。これは幅広い知識と深い専門知識をともに身につけるための工夫であり、「新入生には色々な知識を蓄えた上で自らの専門を選んで欲しい」という学部からのメッセージでもある。

総合政策学部は4つの学科に

総合政策学部は4つの学科に

このため、「自然と人間の共生」ならびに「人間と人間の共生」という総合政策学部の基本理念をベースに、あらためて学部としてのディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)やカリキュラム・ポリシ-(教育課程編成・実施の方針)を定めた。

海外途上国でのフィールドワーク

海外途上国でのフィールドワーク

2013年にはカリキュラムをさらに工夫し、例えば、都市政策学科では“建築士プログラム”、国際政策学科では“グローバルキャリアプログラム国際協力コース”等のより専門的なプログラムが履修しやすいように改正した。このほか、“社会調査士”や“ネットワーク専門国際資格”等のプログラムも用意されている。これらは、現在、関西学院大学が進めているスーパーグローバルユニバーシティ構想を先取りしているものとも言えるだろう。

メディア情報学科山中ゼミの授業風景

メディア情報学科山中ゼミの授業風景

総合政策学部ではまた学部開設以来、SCS(Student and Campus Supporter)やCSI(Computer Student Instructor)、あるいはチャペル・サポート委員会等の学生によるピア・サポートの体制た、リサーチ・フェア等に代表されるアクティブ・ラーニングやフィールド・ワークの伝統が息づいている。こうした伝統は、2011年3月に起きた東日本大震災においても、多数の教員・学生が支援のための現地ボランティアや募金活動等をおこなったことに活かされている。