地域のまちづくり

[ 編集者:総合政策学部・総合政策研究科       2020年6月3日   更新  ]

1.学びの概要

まちづくりとは

丹波黒大豆栽培プロジェクト

丹波黒大豆栽培プロジェクト

少子高齢化と徹底した市場原理主義経済が急速に進む中、地方都市では人口流出がとまらず、休日でも閑散としているシャッター通り商店街が増加しています。さらに中山間地では暮らしを続けることすら困難な限界集落がますます増えています。

しかし、こうした中にあってそれぞれの地域で暮らす人々は、まちの活力をどうにかして取り戻し、心豊かに生活できる空間を創り出そうと努力を積み重ねています。かつてのような行政頼みではなく、自分たち自身で、あるいは行政や大学などとともに、地域の課題を発見し、試行錯誤を繰り返しながら解決策を探り、自分たちの暮らすまち/暮らし続けることのできるまちを創っていこうとする営み、それが「まちづくり」です。

まちづくりの実践から学ぶ

「まちづくり」は「社会を総合的に考える」訓練を行なうための絶好のフィールドです。まちづくりのプロセスの中に飛び込み、そのまちで暮らす多くの人たちと交わりながらさまざまな価値観や考え方に触れ、そして自分自身でもそれを受け止めしっかりと考え続けること。まちづくりは、都市をテーマとした総合政策を体験的かつ実践的に学ぶことができる場なのです。

総合政策学部では、1997年に三田市本町通センター街の一角に「ほんまちラボ」を開設し、まちづくりの「現場」で学生たちとともにさまざまな活動を展開してきました(現在休止中)。また、2005年に設置された三田市まちづくり協働センターでは、開設当初からその運営の一部に総合政策学部の教員・学生が参画しています。
さらに、総合政策学部に都市政策学科が誕生した2009年には「福知山線沿線フィールドワーク・プロジェクト」がスタートしました。以下にその一端を紹介しましょう。

柏原まちづくりプロジェクト

柏原まちづくりプロジェクト

柏原まちづくりプロジェクト

兵庫県丹波市の柏原地域で授業の一環としてまちづくりの実践活動を展開しています。地域のまちづくり活動団体や行政等と連携をとりながらまちなみの調査や住民ワークショップの開催などを行うとともに、地域の祭りにも参画しています。できる限り地域にとけ込み、地域の方とふれあいながら学ぶよう心がけています。今後は学んだことを地域に還元できるように、政策提言として取りまとめていく予定です。

三田まちづくりプロジェクト

三田まちづくりこども寺子屋

三田まちづくりこども寺子屋

総合政策学部の位置する兵庫県三田市で、さまざまなまちづくり活動に取り組んでいます。

市内の高等学校等の協力を得て開催した「理科実験」プロジェクト(主催:まちづくり協働センター)や三田市北部の藍本地区で地元農家の方とJA兵庫六甲の若手職員の方から指導をいただきながら取り組んだ「丹波黒大豆栽培プロジェクト」、学生たちが自ら発案し中央公民会や地元商店街・自治会・小学校を巻き込んだ「三田まちづくりこども寺子屋事業」(主催:中央公民館)など、さまざまな活動を展開しています。
また、2008年度から本町センター街商店会の「商店街視察バスツアー」に参加し、全国の「まちづくり」の取り組みについての実地研修をスタートしました。