2025.05.19.
松林志保ゼミが皿池湿原にてフィールドワークを実施しました

5月10日、兵庫県三田市における生物多様性保全の取り組みについて学ぶため、市が主催する皿池湿原保全ボランティア活動に参加しました。皿池湿原は多数の希少な生き物が生息していることから県の天然記念物に指定されています。

湿原を散策しながらその成り立ちや生態的価値を学びました。また、湿地の乾燥化を食い止めるためのササ刈りや、周辺林の間伐、さらに間伐材を使ったベンチづくりも体験させていただきました。
 

絶滅危惧種のゾーニングを学ぶ
 ササを刈りながらの歩道整備 
交代でノコギリを引いて一時間
ようやく伐採
切り倒した木を短く切り 
坂を運びおろして
かすがいを打ち
ベンチの完成!

以下は参加者の声です。

自分たちの手で木を伐り、その木を温もりのあるベンチへと生まれ変わらせる体験を通じて湿原保全に関われたことがとてもうれしかったです。この想いを今後の学びに活かすとともに、湿原を守る活動にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。 【総合政策学部3年 藤井孝成さん】

少し歩けば希少種が目に入るという普段決して味わうことのできない特別で不思議な体験をしました。現地では、こうした貴重な自然を守りながらも一般公開していきたいという想いがあるとうかがいました。一方で外来種の移入や人為的負荷増大といったリスクが伴うことも学びました。このフィールドワークは、自然を保全、共有したいという気持ちと、守るための共存施策のバランスについて考えるきっかけになりました。 【総合政策学部3年 大西白衛さん】

人生で初めて湿原に足を踏み入れ、その貴重さを実感するとともに、保全の背景にある多くの方々の協力や努力を知りました。これまで私は、湿原を観光利用すれば財源確保につながると考えていました。しかし実際には、希少種が多数生息する場は安易に観光地化できないという現実に気づきました。一方、乾燥化を防ぐために木を伐りベンチとして使うという活動自体は多くの人の関心を引き、環境保全へ関心を高めるきっかけになりうるとも感じました。今後、里山を活性化させるような木材利用のアイデアを考えていきたいと思います。 【総合政策学部3年 吉川喜理さん】

皿池湿原が本来の機能を十分に発揮するためには、適切な管理が不可欠であると知りました。ゼミ活動を通じて人間と自然の共生について学んでいますが、改めて生態系の管理にはその価値を深く理解する人が携わる大切さを実感しています。 【総合政策学部4年 安達愛衣さん】

「保全の推進には自然にどうやって付加価値をつけるのかが重要だ」という言葉が強く印象に残っています。今後も当事者意識を持ってその答えを探していきます。
【総合政策学部4年 長谷川来愛さん】

本フィールドワーク実施にあたり全面的なご支援を下さった三田市里山保全課、兵庫県立人と自然の博物館/兵庫県立大学の石田弘明教授、ひょうご環境創造協会、皿池湿原保全ボランティア「守り人」のみなさま、本当にありがとうございました。