2024.09.24.
清水康子ゼミの学生らがカンボジアにフィールド訪問をしました。

8月18日から24日までの間、清水康子ゼミの学生ら14名がカンボジアの人権NGO(ADHOC)、国連機関、トゥールスレン虐殺博物館でフィールドワークを行いました。
本フィールドワークの目的は座学だけでなく、実際に現地に赴いて開発・人権・平和構築・人道支援について学ぶことです。
学生達はフィールド訪問を通して聞き取りやディスカッションを行い、カンボジアの歴史、特に紛争や民主カンボジア時代の人々への影響について理解を深めました。

訪問先:ADHOC、国連開発プログラム(UNDP)、国際協力機構(JICA)、日本大使館、国連人権高等弁務官事務所(UNOHCHR)、トゥールスレン虐殺博物館

以下は、フィールド訪問を終えた学生のコメントです。

【朴惠池さん 3年生】
カンボジアにおける子ども労働の実態について、深く理解することができた。ある14歳の少女は、家族の生活を支えるためにピーナッツ工場で働いていた。彼女は時給制ではなく、1パッケージごとに3000リエルを受け取っていたが、10パッケージを完成させても10ドルにも満たない額であることに非常に驚かされた。このような低賃金での労働は、家族の貧困を背景にしており、子どもたちが教育を受ける機会を奪われている現実が浮き彫りになっている。カンボジアの80%が農業に従事する家庭であり、両親の中には仕事を求めて都市に移住し、その収入を実家に送金するため、子どもたちは母親と暮らすことができず、祖母に育てられているケースも多い。この状況が、ジェンダーや教育の問題を引き起こしている。こうした村で起きている問題に対し、ADHOCは村の住民の声を聞き、必要な支援を行っている。
今回のフィールドワークを通じて、人身売買や子ども労働といった問題がいかに複雑で深刻であるかを改めて実感した。特に、カンボジアにおける子どもや女性の人権が適切に保護されていない現状に対しては、国際的な関心と支援が不可欠である。この経験から、理論的な知識だけでなく、現場で起こっている問題に直接触れることの重要性を痛感した。

【石黒七萌さん 3年生】
カンボジアでは、多くの人々が人権についての十分な知識を得られておらず、その結果として女性や子どもが暴力を受けたり、搾取されるケースが多くなってしまっている。それらの問題に対して、NGOであるADHOCの活動が人々の助けになっているが、人身売買を受けた女性や地域の人々の話から指摘されていたIDカードの整備などの課題に関しては、政府や他の機関との協力体制が必須になるのではないかと感じた。カンボジア研修の経験は、カンボジアの人権問題や社会的な困難を身近に感じ、理解することで国際機関や私たちに何ができるのか、支援や解決策を模索するための重要な機会であったと感じた。