2022.09.27.
津田ゼミ 4年 島田 拓空也さんが映画祭『国際平和映像祭2022』 で準グランプリ受賞!

タイトル 『無題~型にはめない支援のあり方~』

タイトル 『無題~型にはめない支援のあり方~』

原点となる作品です

津田 睦美ゼミの島田 拓空也さん(メディア情報学科4年生)の短編映画が、「UFPFF ‐ UNITED FOR PEACE FILM FESTIVAL 国際平和映像祭2022」で準ブランプリに選ばれました。

準グランプリ作品:『無題~型にはめない支援のあり方~』 ➡  こちらから作品を視聴できます。  
この作品に登場するのは、陶芸家として世界的に評価されるしんちゃん。自閉症で言葉をもたないしんちゃんは、支援者の池谷正晴さんの支援のもと、陶芸に出会います。支援者として環境を整え、サポートをしている池谷さんの目線から、障害者への支援のあり方、そして人としての在り方を提起するドキュメンタリー作品です。

今回受賞した島田さんは、43の国や地域から学生による184点の作品が集まった中で日本人として唯一の受賞でした。
オンラインとオフラインのハイブリッド開催となり、3年ぶりにリアルでの授賞式が執り行われました。ファイナリストの作品上映やスピーチ、「平和」をテーマとしたステージパフォーマンスも行われました。

島田さんは2022年の第10回新県美展でも共同監督として制作した「祖父母と辿る戦争の記憶」が大賞にえらばれましたが、初めて一人で制作した今作品も受賞となりました。

島田さんをインタビュー!

実は繰り上げノミネートでした

■受賞について
 当初、この作品は11位だったんです。
でも1作品が失格になったことで繰り上げノミネートされた。だから受賞するとも思っていなかったけれど、準グランプリを受賞することになり驚きました。この時に「人や状態によって評価の形は違う。選ばれなかったものが選ばれるというのは、基準がはっきりしているものではないし、評価というもの自体、人が決めた概念でしかない。」と感じ、これは答えのない障害者への支援についても、社会問題とされている様々なことにも通じることだと思いました。

■この作品を作ったきっかけは?
 身近にいるADHD(注意欠陥多動性障害)の方と接している中で、”障害を持った人が生きていくにはしんどい社会だな”と感じていました。発達障害という概念は社会的に広まってきたものの、実際に正しく認知されていないし、なんとなくしか分かっていないのが現状だと思う。社会に対し、何かアプローチできないかという思いがあったことがきっかけです。そんな時にしんちゃんの作品を目にする機会があり、しんちゃんの通う作業所所長さんの講演会もあると知り、参加したことが今回の作品につながりました。その所長さんが関西学院大学にご縁があったことも分かり、ご協力いただけました。
 ぼくは何でもいいから映像作品を作ろうと思っているのではなく、自分が出会った問題についてみんなが分かるようで分かっていないことを多くの人に正しく認知されるよう、伝える手段として映像作品を作っています。その先に問題解決の方法やルールや制度整備がされる社会につながると考えています。

■映像制作について
 津田先生の授業で学んだことや、総合政策学部の卒業生で非常勤講師の伊納先生から学んだ経験がベースになっています。それでも自分で調べて考えてやるしかないこともたくさんあります。今回は3か月で完成しましたが、全て一人で手掛けています。取材のアポ取りやインタビュー、撮影、編集、色や音取りなど全部やります。できたら周りの方に観てもらい、また改良して作りこんでいきます。
 ドキュメンタリー作品を作るときには、何十年とその道を突き詰めてきた人の意図を汲み取って分かりやすく形にすることばを書いて作ります。それ以外特別なことは何もしていなくて、正直今回受賞したのも、自分がやったというよりも、支援員の池谷さんがすごいだけです。それをぼくが撮るときに色々話していただける関係性を作って、撮って、自分なりの視点でまとめているけれど、被写体の方の思いを乗せようと思っているだけなので、受賞してめちゃくちゃ嬉しいとかではなくて、「あー、ありがたいな。」という感じです。池谷さんの話を聞いて、僕も成長させてもらえました。
 この作品がぼくにとって原点になるので、ここから頑張っていこうと思っています。

■関連ページへのリンク


 受賞作品の視聴はこちら 
『無題~型にはめない支援のあり方~』  

 国際平和映像祭 
国際平和映像祭(UFPFF)は毎年国連が定めたピースデー9月21日に合わせて開催している学生が対象の映像祭です(イベント参加はどなたでも可能)。
12回目となる今年の最終選考は、9月18日(日)に長崎で開催され、当日はファイナリスト10作品の上映、審査会、アワードセレモニーが行われました。

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