[ 国際学部 ]連続講演会 講演録(2013年度)

第50回 オリックス株式会社 取締役兼代表執行役会長 宮内義彦氏講演

2013年12月13日

宮内義彦氏

宮内義彦氏

第50回国際学部連続講演会(経済学部・商学部・国際学部共催 グローバル人材育成推進事業特別講演会、高等学部商科開設100周年記念講演会)は、本学商学部OBであり、オリックス株式会社取締役兼代表執行役員会長・グループCEOである宮内義彦氏を講師にお招きし、「皆さんの世界とグローバル時代」と題して、12月13日、関学会館においてご講演をいただきました。今回の講演会には、学生・教員・一般参加者約175名が参加しました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)

宮内氏は、「1989年にベルリンの壁崩壊以降、資本主義の論理が世界を覆い、世界が一つの経済論理で動くようになった。また、世界の人々が瞬時に同じ情報を共有する時代の到来で、世界が変わった。経済の国境がなくなり、英語に統一されたIT Communicationの世界から逃れることができなくなった。」とグローバル社会の英語の重要性を指摘されました。
また、中国の急速な発展の中で、相対的に経済力が低下する日本の将来について、「世界から尊敬される国・日本人・日本社会になること。アジアで最も成熟した社会であることを世界に知ってもらうこと。日本人のもつ信条、文化を世界に広げていくことが大事である。そのためには、まず日本のことをしっかり学び、若いうちに海外でコミュニケーション・スキルを磨くことが大事である。」と述べられました。

講演後、学生からの、教育、環境問題、経営者として心がけるべきことなど、多岐にわたる質問にも答えられ、その中で、「平和・平等の教育は大事だが、競い合うという意識がないと社会に出て行けない弱い人材になる。また、社会に出れば正しい答えなどない問題ばかり。今の受験教育では通用しない。」、「国際人材といっても無国籍ではよくない。まず日本の歴史、文化、とくに現代史を勉強して欲しい。歌舞伎を、文楽を、仏教を、神道を知識として語れる人材でなければ海外で尊敬はされない。」と説かれ、良い経営者とは、との質問には、「私は、自分の生き方を常に前向きに、辛抱強く勉強した結果として社長になった。興味のあること~小説を読む、ノンフィクションを読む、勉強会にできるだけ参加する、なるべくりっぱな方と付き合う~といったことなどを続けることが私の勉強法。」、「経営者は自分の仕事にだれよりも精通している専門家でなければいけない。しかし、企業は人の集まりであり、オリックスであれば、世界の2万人の社員に力いっぱい働いてもらって、そのエネルギーを集められるかどうかは、リーダーの人間性次第。専門家として評価されても人間的な魅力がなければ、どの世界でも通用しない。」と主張され、最後に、「関学の国際人材育成教育に期待しています。」と、後輩への熱いメッセージを送られました。

第49回 内閣官房参与 本田悦朗氏講演

2013年12月6日

本田悦朗氏

本田悦朗氏

第49回国際学部連続講演会は、内閣官房参与本田悦朗氏を講師にお迎えし、12月6日(金)に開催されました(協力:関西学院大学産業研究所)。今回の講演会には、学生・教員・一般参加者約130名が参加しました。なお、本講演会はグローバル人材育成推進事業の特別講演会として、経済学部・商学部・国際学部の共催により実施されました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)

演題は、「アベノミクスの核心」でした。まず、本田氏は、長期にわたり日本経済を苦しめているデフレとその原因について分かりやすく説明されました。次に、長期化しているデフレと景気低迷からの脱却を最優先課題としている安倍内閣の「アベノミクスの三本の矢」についてお話されました。特に第1の矢である「大胆な金融政策」について、詳細な資料を使ってご説明されました。「まずは、デフレからの脱却が大事です。第1の矢である金融政策で消費者の購入意欲を高めるなどしてデフレから脱却し、成長戦略につなげることが重要です。」と述べられ、デフレ脱却のメカニズムについて丁寧にご説明されました。最後に、「デフレから脱却し、景気が回復すると、今後の就職状況も変わります。それにふさわしい実力を付けるように、頑張ってください。」と学生にメッセージを送られました。

講演後の学生とのディスカッションと質疑応答では、「第1の矢の期待インフレ率を高めるという方策は、結果的に、将来の物価上昇率をコントロールできなくなるのではないか。」、「現在、賃金指数が伸びていない。特に、中小企業の賃金上昇の実現に向けて、どのようにアプローチしていくのか。」、「消費税増税に踏み切った要因は何か。」、「仮に、物価が上昇するようになっても、それは需要インフレではなく、コストアップインフレではないか。」、「円安傾向が続いているが、対外的に批判は浴びないのか。」「アベノミクスの全体評価について」、「第3の矢の成長戦略の実現可能性について」など、今後の日本経済の方向性について多く質問が寄せられました。本田氏は、1つ1つの質問に対して、学生の皆さんが理解しやすいように明瞭に回答されていました。

第48回 前外務大臣 玄葉光一郎氏講演

2013年12月2日

玄葉光一郎氏

玄葉光一郎氏

第48回国際学部連続講演会は、前外務大臣玄葉光一郎氏を講師にお迎えし、12月2日(月)に開催されました(協力:関西学院大学産業研究所)。今回の講演会には、学生・教員・一般参加者約150名が参加しました。なお、本講演会はグローバル人材育成推進事業の特別講演会として、経済学部・商学部・国際学部の共催により実施されました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)

演題は、「国際社会における日本のあり方」でした。まず、玄葉氏は、外務大臣時代の実感として、「日本は、主観的評価より、客観的評価が高い国である。」ということを様々な例を挙げながら、お話されました。次に、現在の世界のパワーシフトについてご説明され、その状況下で、今後、日本がどう対応すべきかお話されました。玄葉氏は、「東アジアの将来のあり方、アジア太平洋地域の秩序を説いていく責任と役割が日本ある。そのためにも、ルール形成力としてのソフトパワーを強化することが重要である。また、『人間の安全保障』の概念形成、普及に取り組むことが大切である。」と、今後の国際社会における日本のあり方について述べられました。また、玄葉氏は、人口減少の問題への対応についてもお話されました。

講演後の学生とのディスカッションと質疑応答では、「人道的介入について」、「日本と国連との関係‐常任理事国入りについて」、「TPP」、「中国との外交」、「日本のパブリックディプロマシー」、「10年後の東アジアにおける理想的な、正しいパワーバランスと日本の役割について」など、国際社会、日本の外交姿勢について多く質問が寄せられました。

最後に、グローバルに活躍することを願う学生達に「好奇心を持ち、無限の可能性を信じて、前向きに頑張ってほしい。人生には、良いことも悪いこともある。厳しい試練に出会った時、自分が大きく成長できるチャンスと思って、飛躍してください。」とアドバイスをくださいました。そして、「日本は、『人と技術』において評価されていること、今後は、この強みを伸ばしていくことが大切である。」ということも学生達に伝えておられました。

第47回 シティグループ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役会長 田中達郎講演

2013年11月14日

田中達郎氏

田中達郎氏

第47回国際学部連続講演会は、シティグループ・ジャパン・ホールディングス株式会社取締役会長田中達郎氏を講師にお迎えし、11月14日(木)に開催されました(協力:関西学院大学産業研究所)。今回の講演会には、学生・教員・一般参加者約130名が参加しました。なお、本講演会はグローバル人材育成推進事業の特別講演会として、経済学部・商学部・国際学部の共催により実施されました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)

演題は、「今求められるグローバル人材」でした。最近、話題になっている「グローバル人材」について、田中氏は、これまでのビジネスマンとしてのご経験から、グローバル化の流れのなかで、これからどのような人材が求められるのかについてお話をされました。田中氏は、「まず、社会やマーケットから『求められる人材』、『選ばれる人材』になることが大切です。明るさ、責任感が強い、誠実であるといった人間性や人間力が、選ばれる人材の基本になります。」と述べられました。次に、企業が求める人材とは何かについて、「1.先が読める、場が読めるといった企業人にとって、今、何が求められているのかということに感度・感性が高いこと。2.上司・部下とのコミュニケーション能力が高く、人に強い人であること。」と2つのポイントを挙げられました。そして、世界が一体となり、オープン化されているグローバル化の流れのなかで、グローバル人材になるには、「1.コミュニケーションの手段として、英語能力が高いこと、2.文化の多様性を認めることができるカルチュアル・バイリンガルであること、3.政治、経済、外交、文化・社会等、幅広い勉強をすること、4.ロジカルに考えることができること、が必要である。」とお話ししてくださいました。

最後に、田中氏は、「世の中は、思い通りにいかない。その中で、自分で様々な決断と選択をし、相手から選択され、失敗を繰り返しながら生きるのが人生だとすれば、そういうものに対する耐性を強くしていくことが必要です。そのために、様々な勉強をすること、幅広い経験を積むこと、いろいろな壁を作らず、実行すること、自分で考えて、悩んで、結論を出すこと、常に自分は、こういうことをしていきたいのだという夢を追いかけていくことが大切です。人生を生き生きと生きるために、ポジティブに考えて行動し、常に自分らしさを作りながら、これから様々なことに挑戦していってください。」と学生の皆さんにメッセージをくださいました。

講演会後半は、田中氏と学生とのディスカッションおよびフロアーとの質疑応答が行われました。「金融リテラシー」、「中国のシャドーバンキング」、「アメリカのデフォルト危機について」、「日本と欧米企業の違い」「日本企業の強みは何か」などの金融や企業に関する質問をはじめ、「グローバル人材に必要な英語力」、「グローバル人材を育成するための大学教育改革について」、「勉強、経験の積み方」「感性の磨き方」など、グローバル人材になるためにどのような努力が求められているかについても多くの質問が寄せられました。

講演会終了後、学生からは、「これから社会に求められる人材、グローバル人材になるために、チャレンジ精神や学習意欲が湧いた。」など、多くの感想があり、田中氏のメッセージが多くの学生たちに響いた大変有意義な講演会となりました。

第46回 ミャンマー連邦商工会議所 連盟会頭 ウィン・アウン氏他講演

2013年11月11日

(写真右より)<br>ミャンマー連邦商工会議所連盟 会頭 ウィン・アウン氏<br>ヤンゴン市開発委員会 事務局長 キョウ・ソー氏<br>大統領府国家経済社会諮問会議 議長 ティン・タット氏

(写真右より)
ミャンマー連邦商工会議所連盟 会頭 ウィン・アウン氏
ヤンゴン市開発委員会 事務局長 キョウ・ソー氏
大統領府国家経済社会諮問会議 議長 ティン・タット氏

ミャンマー連邦商工会議所連盟会頭ウィン・アウン氏、ヤンゴン市開発委員会事務局長キョウ・ソー氏、大統領府国家経済社会諮問会議議長ティン・タット氏の三氏をお迎えし、第46回国際学部連続講演会を11月11日(月)に開催しました(共催:経済学部、商学部、協力:関西学院大学産業研究所)。グローバル人材育成推進事業の特別講演会として開催された本講演は、英語で行われ、学生、教員、一般参加者約140名が参加しました(司会:国際学部 鷲尾友春教授)。

「最後のフロンティア・ミャンマー」をテーマに、ティン・タット氏、ウィン・アウン氏からご講演をいただき、その後、学生代表と会場からの質問に対して、三氏にお答えいただきました。

「ミャンマーは今、新政府・新憲法の下、民主化、平和と安定、国民の和解、経済改革に向けた動きを加速しています。様々な制裁が解除され、国際社会への復帰も果たしました。ASEAN加盟国のうち、ミャンマーも含め90年代以降加盟した国々は、その他6つの加盟国との間に大きな経済格差を抱えています。その格差を縮めていくことも、ミャンマーにとって新たな挑戦です。国内では、インターネットの普及、メディア検閲の廃止など、自由度が拡大しています。これはミャンマーの人々の意思に基づいた変化であり、今後もこの変化は続きます。世界の経済が停滞する中、アジア諸国は成長を続けており、今世紀を“アジアの世紀”と呼んでもよいかもしれません。アジア諸国の一員として、ミャンマーはさらなる発展に注力していきます。」

「民主化後のミャンマーにとって、経済とビジネスの発展は欠かすことができません。ミャンマーがこの発展を進める上で、日本は非常に重要なパートナーです。今後も日本の民間セクターからの投資を積極的に受け入れ、日本の協力と支援を受けながら、成長を実現したいと考えます。各国からの投資を促進するにあたり、経済特別区の整備も進めています。外国投資を受け入れる環境を整えることは、国内での雇用創出につながります。ミャンマーの人々がよりよい生活を享受できるよう、今後も一層努力していきます。学生のみなさんには、ミャンマーについてもっと知ってほしいと期待しています。ミャンマーでのインターンシップの機会などもありますので、是非そちらにも目を向けていただきたいです。」

学生代表と会場からは、電力不足解消への施策、7管区・7州に対する連邦共和国政府の支援、ミャンマーと中国との関係、資源不足への対処、現在の教育制度と目指す教育制度、工業化を進める上での汚染対策等について、多くの質問が寄せられました。

講演会終了後も多くの参加者が会場に残り、三氏と直接話す貴重な機会を得ました。

第45回 株式会社堀場製作所 最高顧問 堀場雅夫氏講演

2013年10月28日

堀場雅夫氏

堀場雅夫氏

第45回国際学部連続講演会は、学生ベンチャーの草分けである株式会社堀場製作所最高顧問 堀場雅夫氏を講師に迎え、10月28日(月)に開催されました(協力:関西学院大学産業研究所)。今回の講演会には、学生・教員・一般参加者約60名が参加しました。なお、本講演会はグローバル人材育成推進事業の特別講演会として、経済学部・商学部・国際学部の共催により実施されました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)

演題は「ほんまもん~グローバル時代の人材論~」でした。
最初に堀場氏は、近年話題になっている「グローバル化」について、様々な例を挙げながら、ご自身がお考えになるグローバル化についてお話しされました。堀場氏は、「グローバル化は、相手との違いや差を見つけて理解するのではなく、いかに一緒であるか、互いの共通点を見出すことが大切である。」と新たな視点を述べられ、また、「本来、人間は相手を理解しようとする能力を持っている。肩に力を入れずとも、異文化の人々と互いに理解し合うことが自然とできる。」と述べられました。

演題にもある「ほんまもん」と「ほんもの」の違いについてはユニークな例を挙げながら、「“ほんもの”は、正しく、偽物ではない。“ほんまもん”は、その正しさに加えて何かがある。それは、一流で、人に感動を与えられるものである。」とし、「“ほんまもん”を持ち、相手に感動や感激を与えられることがグローバル化の基本である。“ほんまもん”を持つことで、相手がその人を尊敬する。グローバル化は、相手との差ではなく、いかに人に感動を与えられるかが基本である。」とご自身が持つグローバル時代の人材論を述べられて講演を締め括られました。

講演後のディスカッションでは、「自分の進む道をどのように選択していけばいいのか」、「“ほんまもん”をどのように育てるのか」、「経営者としての研究開発に対する考え」、「社内での英語活用(英語の公用語化)について」、「資金・ブランド力がない中、ベンチャー企業を起業した時、どのように優秀な人材を集めたのか」、「“おもしろおかしく”という社是について」、「(地方での経営が厳しい中)京都で経営を継続できる理由」、「“ほんまもん”をどのように外国人従業員に伝えていくのか」等々、起業家としての堀場氏の歩み、経営哲学に迫る質問が多数寄せられました。

学生起業の草分け、ベンチャービジネスの実業家として、戦後の日本経済とともに歩んでこられた堀場氏は、これまでの様々なご経験、ご自身のゆるぎない信念、“ほんまもん”指向についてユーモアを交えながら質問に答えられ、会場は笑いと和やかな雰囲気に終始包まれていました。

第44回 イオン株式会社 取締役兼取締役会議長 林直樹氏講演

2013年10月8日

林直樹氏

林直樹氏

10月8日(火)、イオン株式会社取締役兼取締役会議長 林直樹氏を講師としてお迎えし、第44回国際学部連続講演会を開催しました(協力:関西学院大学産業研究所)。学生・教員・一般参加者より約160名の参加があり、ビジネスに関する質疑応答が活発に繰り広げられた講演会となりました。なお、本講演会はグローバル人材育成推進事業の特別講演会として、経済学部・商学部・国際学部の共催により実施されました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)

演題は「イオンのグローバル化」とされ、林氏はまず、イオンの歴史・概要等を話された後、イオンの「グローバル化の歩み」、「2020年に向けた経営戦略」、「CSR」、「人材育成」について講演されました。

特に、現在イオンが積極的に取り組んでいるグローバル戦略の1つである「中国、ASEANでの事業展開」について具体的にご説明になり、事業を展開していく国でも、「お客様を原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」というイオンの基本理念を共有していくことが、ビジネスを成立させるために重要であると述べられました。次に、「CSR」については、税引き前利益の1%を使って、「環境保全」、「国際的な文化・人材交流」、「地域の文化・社会貢献」の3つの分野において社会貢献活動を展開していることを、また、「人材育成」については、“日本一女性が働きたい会社”を目指し、ダイバーシティへの取り組みを推進していることを述べられ、最後に、「(成長しようとする人間にとって)教育は、最大の福祉です。これからは、挑戦する意欲、夢を持って、何事にも果敢に取り組んでいただきたいと思います。」と学生たちに対してメッセージを送られました。

講演会後半は、林氏と学生とのディスカッションおよびフロアーからの質疑応答が行われました。「海外でのイオンブランド(価値)の維持について」、「文化の異なる海外従業員の育成について」、「欧米企業が進出、中国での反日デモなど様々な困難がある中、アジアでどのようにビジネスを永続的に存続し続けるのか。」、「上海は中国経済の中心であるにも関わらず、上海店を撤退させた理由について」「小売業でありながら事業を拡大している総合金融事業の展望」など、ビジネスに特化した質疑応答が繰り広げられました。

講演会終了後、日本人学生だけではなく留学生からもイオンの海外事業、CSR、グローバル人材についての多くの感想があり、国際ビジネス分野に関心のある学生たちにとって、大変有意義な講演会となりました。

第43回 駐日アメリカ合衆国大使 ジョン・V・ルース氏講演

2013年7月2日

ジョン・V・ルース氏

ジョン・V・ルース氏

駐日アメリカ合衆国大使、ジョン・ルース氏を講師にお迎えし、第43回国際学部連続講演会を7月2日に開催しました。前回に続き、ご講演・ディスカッションとも英語で行われました。学生・教職員約200名が参加し、会場の関西学院会館レセプションホールは満席となりました。なお、この講演会は、グローバル人材育成推進事業の特別講演会として経済学部・商学部・国際学部の共催により実施されました(司会:国際学部 鷲尾友春教授)。

「国と国の間には、共有する価値観や経済的な相互関係など、様々な結びつきが存在する。私が最も重要と考えるのは、人と人の関係、絆である。」

大使は2009年のご就任以来、全国47都道府県に足を運び、様々な分野の人々と対話を重ねてこられました。数々の出会いの中でも特に、高校生・大学生など若者世代とのコミュニケーションを大切にされています。『日米の絆~日本の若い人たちに期待すること 』と題された今回のご講演でも、本学で学ぶ若い世代に対し、熱心に語りかけてくださいました。

「みなさんには、3つのことを期待している。まずは大きな夢・考えを持つこと、次にリスクを恐れないこと、そしてグローバルな視野を持つこと。何か大きなことを成し遂げようとするなら、夢を大きく描くことが必要。リスクを負ってのチャレンジが、全て成功につながるとは限らない。しかし怖がらず挑戦し続けること。うまくいかなければいかないなりに、それはみなさんにとって大切な学びの機会となるだろう。その上に未来を築いていってほしい。大きな夢を描き、リスクを負うことを恐れずにきた人々が、この世界で大きな成功を収めている。みなさんも積極的に海外へ出るべき。グローバル言語と呼ぶのに最も近い英語の力を高め、世界を知り、国際化がますます進むこの世界で勝負できる人材に育ってほしい。」とメッセージを送っておられました。

学生とのディスカッションでは、尖閣諸島をめぐる状況に対するアメリカの立場、日米関係と日韓中関係、情報安全保障の問題、東日本大震災後の復興支援から生まれた『TOMODACHIイニシアチブ』、TPPを含む自由貿易の枠組みと国益、DOMA(婚姻を異性間に限定する連邦法)を違憲とする米最高裁の判決、安倍政権が目指す国防戦略、グローバル化とアメリカ化、留学の意義についてなど、幅広い質問が数多く寄せられました。

講演会も終盤にさしかかったとき、大使から「集合写真を撮ろう!」と突然の嬉しいご提案があり、約200名の参加者がステージに招かれました。和気あいあいとした雰囲気で写真撮影が行われ、講演会は大盛況に終わりました。

第42回 駐日カナダ大使 マッケンジー・クラグストン氏講演

2013年6月28日

マッケンジー・クラグストン氏

マッケンジー・クラグストン氏

駐日カナダ大使 マッケンジー・クラグストン氏を講師に迎え、第42回国際学部連続講演会を6月28日(金)に開催しました(協力:関西学院大学産業研究所)。学生、教員、一般参加者約80名が参加しました。なお、この講演会は、グローバル人材育成推進事業の特別講演会として経済学部・商学部・国際学部の共催により実施されました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)

"Canada and Japan: The Context for a Canada-Japan EPA" をテーマとした英語でのご講演で、カナダ・日本の経済連携協定(EPA)を中心に、両国が交渉に参加する環太平洋経済連携協定(TPP)、二国間の長年にわたる技術・人・文化交流、東日本大震災後の被災地への復興支援、多文化主義を誇りとするカナダ社会についてなど、大使は幅広い話題を提供くださいました。カナダと日本は、それぞれに得意とする分野や抱える資源があり、経済協力や貿易関係を「強力なエンジン」と考えるカナダにとって、重要なパートナーである日本とのEPAが実現すれば、互いに恩恵を与え学び合うことができる関係がさらに強固になるだろうと話されました。

学生パネリストからは、人的資源を経済活動に活かす方法、10年後のカナダ・日本の経済関係に対する予測、両国間の経済成長にとっての最重要の鍵(答えは「EPA!」)など、様々な質問が寄せられました。神戸生まれの大使は、堪能な日本語も織り交ぜながら、それぞれの質問に答えられました。

本学は、毎年多数の学生をカナダ留学に送り出しています。それについて大使は、人的資源のグローバル化にとって重要だと述べられ、経済協力だけではなく、二国間の人的交流も今度さらに活発化することを期待すると話されました。

第41回 前駐日本国大韓民国特命全権大使 申珏秀氏講演

2013年6月21日

申珏秀氏

申珏秀氏

6月21日(金)、前駐日本国大韓民国特命全権大使 申珏秀氏を講師としてお迎えし、第41回国際学部連続講演会を開催しました。学生や一般参加者など約60名の参加がありました。なお、この講演会は、グローバル人材育成推進事業の特別講演会として経済学部・商学部・国際学部の共催により実施されました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)

演題は、「21世紀の韓日関係と若者たちの役割」。まず、申氏は、「21世紀における国際秩序の変化」をご説明されてから、「21世紀の韓日関係」についてお話をされました。韓国と日本は、現在、大切な協力パートナーとなっていることを互いに再認識し、国際舞台および経済分野など様々な分野において、協力を強化していくことが必要であるとお話され、「共生と協力」が21世紀の望ましい韓日関係であることを主張されました。また、「韓日両国における若者の役割」についてもお話され、「世界は広く、なすべきこと多い。もっと日本の学生は、世界に目を向け、世界的な感覚を身に着け、世界的に挑戦してください。」と学生たちにメッセージを送っておられました。

講演終了後、申氏と学生とのディスカッションおよびフロアーからの質疑応答が行われました。歴史認識問題、北朝鮮問題、日中韓FTA、日韓が協力するメリット、K-Pop Culture、在外同胞の存在についてなど、政治、経済、文化と様々な分野にわたる質問が寄せられました。申氏は、一つひとつの質問に対して丁寧に答えられ、今後の韓日両国の発展のために、お互いが大切なパートナーとして共生と協力をしていく重要性を伝えておられました。

第40回 アパホテル株式会社 取締役社長 元谷芙美子氏講演

2013年5月27日

アパホテル株式会社 取締役社長 元谷芙美子氏

元谷芙美子氏

5月27日(月)、アパホテル株式会社 取締役社長 元谷芙美子氏をお迎えし、第40回国際学部連続講演会を開催しました。学生や一般参加者など約115名の参加がありました。なお、この講演会は、商学部と国際学部の共催により実施されました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)

演題は、「アパグループ SUMMIT 5・頂上戦略」。まず、元谷氏は、アパホテル株式会社 取締役社長に就任した経緯をお話されてから、東京都心3区(千代田区、港区、中央区)を中心に、都心で80物件(50ホテル、30マンション)の事業展開をめざしアパホテルグループが実施している中期5ヵ年計画「SUMMIT 5」についてお話されました。

講演終了後、元谷氏と学生とのディスカッションおよびフロアーからの質疑応答が行われました。女性起業家の講演だったこともあり、多数の女子学生からの質問が寄せられ、活発な質疑応答が繰り広げられました。女性社長にしかできない点は何か、また反対に女性だからこそ苦労した点は何か、共に働きたいと思う社員はどのような人材か、大学院に進学したきっかけは何か、社長になって不安になったことありますか、社員をやる気にさせる方法は何か、最近の若者についてどう思うか、などの質問に対し、元谷社長は、学生にエールを贈りながら、常にポジティブな視点で回答されました。

元谷氏のエネルギッシュで、明るく、前向きな人柄から、多くの学生達が元気を頂いた講演会となりました。

第39回 経済産業省 経済産業審議官 佐々木伸彦氏講演

2013年5月13日

経済産業省 経済産業審議官 佐々木伸彦氏

佐々木伸彦氏

5月13日(月)、経済産業省 経済産業審議官 佐々木伸彦氏を講師としてお迎えし、第39回国際学部連続講演会を開催しました。学生や一般参加者など約135名の参加がありました。なお、この講演会は、グローバル人材育成推進事業の特別講演会として経済学部・国際学部の共催により実施されました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)

演題は、「外に向かって-TPP等の経済連携及び、新興国への戦略的な取組-」。まず、佐々木氏は、「貿易や投資に関するルール」と「TPP、EPA等の経済連携」について簡単にご説明されてから、「日本におけるEPAの取組状況」、「大市場国・地域等とのEPA」、「FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)への道筋」、「TPP交渉」について、詳細な資料を使ってご説明されました。また、現在、人口減少と潜在成長力が低下している日本について、今後は、海外に活路を見出す必要があると述べられ、「今後の日本企業、特に中小企業の海外進出」についてご説明されました。TPP、FTA、EPAなどについて基本的なお話から専門的なお話まで分かり易くご説明され、私達が想像しているよりも世の中のグローバル化が進んでいることを意識させられた講演会となりました。

講演終了後、佐々木氏と学生とのディスカッションおよびフロアーからの質疑応答が行われました。TPPにおける知的財産権について、なぜ日米のFTAではなく、TPP交渉を進めるのか、今後の新規産業の進出について、原発の輸出について、TPPにおける人の移動の自由化について等、学生から投げかけられた様々な質問に対し、佐々木氏は、一つひとつ真摯に答えられました。そして、最後に、「新興国への戦略的な取組」についてもご説明されました。