2015.07.24.
読売新聞大阪本社 代表取締役会長 弘中 喜通 氏が講演

弘中 喜通 氏

弘中 喜通 氏

6月30日(火)、読売新聞大阪本社 代表取締役会長 弘中 喜通氏を講師としてお迎えし、第66回国際学部連続講演会を開催しました。約60名の学生・一般の方々が参加しました。なお、この講演会は、グローバル人材育成推進事業の一環として、関西学院大学産業研究所の協力を得て実施しました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)

演題は、「ジャーナリズムとしての新聞」。冒頭、弘中氏は、昨年、大きな社会問題となった朝日新聞社の慰安婦報道や福島原発吉田所長調書の報道の誤りを取り上げ、新聞業界全体が失った信頼を回復・再生するためにも、今一度新聞に求められる役割は何か考え直す必要性があると述べられました。

朝日新聞がスクープした1980年のリクルート事件、毎日新聞が報道した考古学会の神の手事件、ワシントンポスト紙がニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件等、報道されなければ闇に葬られたであろう事件を報道すること、これが新聞、メディアの大きな役割だと考えていると主張されました。

現在は、“見た”、“知った”ことを誰でもネットで発信できる、そういう意味では一億総発信時代となっている。しかし、“見た”ことは事実でも、その背景について関係者に確認していくことは、組織を持った新聞社にしかできない。新聞社は、信頼性、正確性、専門性を重視し、報道への信頼を裏付けるために手間暇を惜しまない取材と徹底的なチェックをしている。弘中氏は、朝日新聞がリクルート事件を報道するまで半年かけた事例を挙げながら、新聞が持つ信頼性の高さについてもお話されました。

講演会後半は、弘中氏と学生とのディスカッションおよびフロアーとの質疑応答が行われました。新聞への信頼を取り戻し、読者を増やす具体的な方策は何か、他紙との差別化はどうはかっているのか、新聞社での女性の労働環境について、プライバシーと表現の自由のバランスについて、イラクで襲撃され死亡したフリージャーナリストの自己責任論について、政治報道の在り方について等々、ジャーナリズムに特化した質問が寄せられました。

【ポスター】国際学部連続講演会20150630_読売新聞大阪本社代表取締役会長 PDFファイル   [ 203.37KB ]PDFリンク

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