2015.07.08.
駐日パキスタン特命全権大使 ファルーク・アーミル 氏が講演

ファルーク・アーミル 氏

ファルーク・アーミル 氏

駐日パキスタン特命全権大使ファルーク・アーミル氏をお迎えし、第65回国際学部連続講演会を6月18日(木)に開催しました。ご講演、ディスカッションとも英語で行われ、学生・教職員約120名が参加しました。この講演会は、グローバル人材育成推進事業の特別講演会として、国際学部により実施されました。(司会:国際学部 鷲尾友春)。

テーマは、“Looking Forward: Pakistan in the 21st Century” 「未来への展望:21世紀のパキスタン」。
「パキスタンは、平和と民主主義、価値観の共有などで、日本と密接に繋がっています。パキスタンは、日本を、南アジアの地域において平和と安定を維持し、発展するための重要なパートナーだと認識しています。」

「パキスタンの大統領は、近隣国の平和、安定、繁栄なしにパキスタン国内の平和と経済的発展は達成できないと常々述べています。パキスタンにとって、近隣国との繋がりは成長に欠かせないものであり、こうした精神に沿って、私たちは近隣諸国と道路や線路、海上路線を強化し、物理的な繋がりを強めています。ガスなどのエネルギーをパイプラインで繋ぎ、近隣国と共有することは争いを少なくすることになります。これらが21世紀に実現させなければならないことです。バランスの取れたアプローチで近隣国や、遠くの国とも友好関係を築いていきます。」

「パキスタンが平和維持活動(PKO)を行っていることは日本では一般的に知られていないと思いますが、現在、7つの平和維持活動を行っています。2011年にはパキスタン人の女性が世界で初めてUN’s International Female Peacekeeper Awardを受賞しました。」

「女性の社会的地位の向上を目指し、憲法も国民生活の全領域における女性の完全参加を保障しています。法制度をしっかりと確立しなければ、女性の社会進出、活躍は進んでいきません。現在、女性たちは農業、産業、ビジネス、国軍、法律制定の場に誇りを持って参加しています。特に女性国会議員の数では、25か国の先進国を抑えて世界で74位という立派な位置にいます。そして、パキスタンの民主政治で一番強調しておきたい点は、2013年に初めて民主主義的手段で円滑に政権交代が行われたことです。」

「日本とパキスタンの友好関係は1911年から始まっており、初めてカラチに日本の貿易会社が1918年にできて以来、現在では75の日本の会社がパキスタンで経済活動を行っています。日本のJETROやJICAから経済面だけでなく、教育面等その他多くの分野で協力を頂いております。そして四方山に囲まれた地域でJICAの協力で日本とパキスタンの友好トンネルも作られました。」

大使は、ご講演の最後にシャリフ首相の21世紀の展望を紹介されました。
「民主的かつ進歩的な国をめざすこと。そして戦争のない平和で安定した地域をつくっていくこと。平和と繁栄の為に近隣国とwin-winの関係を築き、より大規模な貿易の繋がりを持つことで持続した経済的発展と成長をすることというものです。」

第二部のパネルディスカッションでは学生パネラーに加え、会場からも質問が積極的に提起されました。そうした質問に対し大使は真摯に答えてくださり、最後に「私がいつも伝えているのは、どんな職業に就こうとも物事は自分が信じているように見えるということ。テレビでは大きな出来事のほんの一部だけが報道され、全体像は全く映されていません。誤った判断、誤解、差別、そして誰かの見解によって見方を変える前に、あなたたちには是非パキスタンに来て、実際にあなたたちの眼で物事を見て欲しい。」とメッセージを残されました。

【ポスター】国際学部連続講演会20150618_駐日パキスタン特命全権大使 PDFファイル   [ 246.52KB ]PDFリンク

【Poster】SIS Lecture Series 65 Ambassador of Pakistan to Japan PDFファイル   [ 245.16KB ]PDFリンク

国際学部 連続講演会関連ページへのリンク