2015.06.12.
駐日イスラエル特命全権大使 ルツ・カハノフ 氏が講演

ルツ・カハノフ 氏

ルツ・カハノフ 氏

駐日イスラエル特命全権大使ルツ・カハノフ氏をお迎えし、第62回国際学部連続講演会を5月20日(水)に開催しました。この講演会はグローバル人材育成推進事業の特別講演会として経済学部「経済学セミナー」との共催により実施されました。また、この講演会では、現在国際学部にイスラエルより来られているエフラット・ベンジブ客員教授の研究発表も行われました。(司会:経済学部教授 井口泰)

「日本イスラエルの経済協力と文化交流」をテーマとしてカハノフ氏は、イスラエルの国の成り立ち、経済発展の要因や日本での活動をわかりやすく説明してくださいました。
「イスラエルは国としてはとても若く、移民から成り立つ国家であり、その移民が経済的負担の理由にもなっていますが、彼らから新しい能力、アイディア、エネルギーを注入してもらっています。移民問題などの課題や困難を乗り越えることが力と革新の源となっています。」

「イスラエルは民主国家であること、最近になってガス田を地中海で発見したものの国内に資源がなく国家の発展を人的資本に頼っていることが日本と共通しています。また、国土の半分が砂漠で水資源に限りがあるため灌漑問題の課題に取り組み、周辺国の紛争から自国を守る防衛技術へ挑戦するなど、イスラエルの技術の発展は『課題への挑戦』に起因します。」と『挑戦』することの大切さを繰り返し強調されていました。

「日本とイスラエルはアジアの国々の中でも一番古く1952年から友好関係を持っています。現在はお互いの国の人々が多く交流できるよう、日本政府と観光・就労ビザの話し合いを進めています。そして、より多くの日本の若いリーダーたちにイスラエルにきてもらいたいと思っています。また、両国が協力を深めている状況で、技術分野における情報共有など、経済関係を促進する関西地区の拠点として大阪にオフィスを設ける予定です。」

エフラット・ベンジブ客員教授

エフラット・ベンジブ客員教授

大使のご講演に引き続いてベンジブ客員教授(国際学部)の研究発表が”Mental Maps: Perceptions of space, the case of Israel-Palestine”「中東におけるイスラエルという空間」というテーマで行われました。人種を問わずイスラエルに住む学生たちを対象としてイスラエルの地図を描いてもらい、彼らの頭の中でのイスラエルの国境を調査したもので、とても興味深い研究内容をわかりやすく説明して頂きました。

ベンジブ客員教授のご講演後に、大使の講演会の質疑応答の時間が設けられました。中東と日本の経済的関係、イスラエルでの女性の立場等に関して質問があり、大使と文化・科学技術担当官であるニール・ターク氏が一つ一つに真摯に答えてくださいました。ご講演中に大使が「日本人の方はすべての中東地域で紛争があり大変危険だという考えを持っているようですが、私はイスラエルが安全で安定しており、とても活き活きしている国だと断言します。」と述べられたように、ターク氏も旅行、留学問わず、ぜひたくさんの日本人の方々にイスラエルに来てほしいという思いを講演会の参加者に伝えてくださいました。

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