2014.11.03.
駐日ラトビア共和国大使 ノルマンス・ペンケ 氏が講演

ノルマンス・ペンケ氏

ノルマンス・ペンケ氏

駐日ラトビア共和国大使ノルマンス・ペンケ氏をお迎えし、第56回国際学部連続講演会を10月14日(火)に開催しました。この講演会は、グローバル人材育成推進事業の特別講演会、高等学部商科開設100周年記念講演会、EUIJ関西学術セミナーとして、経済学部・商学部・国際学部・EUIJ関西共催、在大阪ラトビア共和国名誉領事館、関西学院大学産業研究所の協力により行われました。関西学院の創立125周年記念行事のひとつでもありました。グルーベル院長はじめ学生、関西日本ラトビア協会関係者や卒業生を含む約120名の参加者があり、盛況の講演会となりました。(司会:国際学部教授 鷲尾友春)

演題は、「ラトビアのサクセスストーリー:可能性と歴史への挑戦」でした。ペンケ大使は、ラトビアの観光案内をはじめ、歴史や文化、経済、政治に至るまで幅広い内容を映像とパワーポイントで大変わかりやすくご説明されました。まず、中世にキリスト教の布教や、交易の拠点などで栄えながらも周辺の国々に侵略・支配され、1918年の独立宣言後も1940年からロシアに50年にわたって占有され、1991年8月にバルト3国の800キロにもおよぶ「人間の鎖」運動を経て武力によらず独立を回復させた歴史を語られました。次に、経済面では、リーマンショックでアイスランドが財政破綻し、ラトビアもGDPが20%減少したが、その後の政策でEUトップレベルの経済発展を実現していることをお話されました。政治面では、独立回復後の最大の課題は、再び他国の支配を受けないことだと強調され、国際連盟が失敗に終わった教訓からNATOが生まれたが、ラトビアがNATOに加盟したのが2004年、今またウクライナ・クリミア問題で世界が危機を迎えている状況であるため、EU28か国で対抗しなければならないと述べられました。最後に、ユネスコの文化遺産で1983年から5年ごとに開かれているラトビアの「歌と踊りのフェスティバル」などの文化をご紹介され、「次回の“歌と踊りのフェスティバル”は独立100周年の2018年。大人気となるので今からご予約を!」とユーモラスに講演を締めくくられました。

講演終了後には、学生とフロアーからの質疑応答が行われました。ウクライナ問題についてラトビアではどのように報道されているか、美しい国を実現するための特別な政策は何か、グローバル化時代に日本で大学生活を送る学生達がラトビアから学べることは何か、UN-Woman(男女平等と女性の地位向上のための国連機関)理事会の会長を務められた大使からみてラトビアでの女性の地位はどうか等々、その後もEUの将来や課題等の質問が学生から寄せられました。質問の1つ1つに対して、ペンケ大使は冷静に分析され、ご自分の考えを盛り込んで丁寧に回答されました。その回答の中で、他国の支配を受けている間もラトビア人がラトビア語を守り通したことを語られたことが印象的でした。

【ポスター】国際学部連続講演会_20141014_ノルマンス・ペンケ氏 PDFファイル   [ 330.85KB ]PDFリンク

【Poster】SIS Lecture Series_20141014_Mr. Normans Penke PDFファイル   [ 258.09KB ]PDFリンク

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