2014.04.25.
駐日インド大使 ディーパ・ゴパラン・ワドワ氏が講演

ディーパ・ゴパラン・ワドワ氏

ディーパ・ゴパラン・ワドワ氏

駐日インド大使ディーパ・ゴパラン・ワドワ氏を講師にお迎えし、第51回国際学部連続講演会を4月15日に開催しました。駐日インド総領事アシーム・ラジャ・マハジャン氏にもご出席いただきました。ご講演・ディスカッションとも英語で行われ、学生・教職員約100名が参加しました。この講演会は、グローバル人材育成推進事業の特別講演会として、経済学部・商学部・国際学部の共催により実施されました(司会:国際学部教授鷲尾友春)。

“India and Japan Relationship”と題したご講演で、ワドワ大使はインドと日本の関係を振り返り、それがいかに変化し成熟してきたかについてお話しくださいました。

「インドと日本は地理的には距離がありますが、仏教という接点に始まり自然・祖先への敬意といった価値観を共有しながら、それぞれの意識の中に相手国への親密感を抱いてきました。19世紀に入るとインド綿の貿易が始まり、両国間に初めてビジネスの接点が生まれました。その後大戦を経て、インドと日本は必要なときに必要とされる支援を互いに行ってきました。この相互支援は、1949年、インドが日本に象を贈ったときに始まりました。敗戦後の苦しい時期、日本の多くの人々が象の姿に笑顔を見せました。1950年代には、インドはアジア諸国の中で初めて、日本によるODA(政府開発援助)を受け入れました」

「経済的にも政治的にも互いを重要な戦略的パートナーと考え共に歩むと同時に、インド・日本の二国間の枠組みを超えて、地域・世界にどのような貢献ができるのかを考えてきました。今後も政治、経済、エネルギー、環境、防衛・安全保障など様々な課題について、多層構造の対話の構築を共に進めていきます」

「両国の間で最も重要なつながりは、言うまでもなく人と人の結びつきです。特に若い世代同士の関係構築により力を注いでいきたいと思います。大学間の交流も広め、若者が互いへの理解を深められるような環境を作り、それぞれの文化を認め合うことを目指していきます。例えばインド映画産業は『ボリウッド』と呼ばれ世界的に有名ですが、日本ではまだあまり知られていないようです。また、日本文化についてもインドはもっと学ぶべきです。人と人、文化領域での相互理解を今後さらに強めていきたいと考えています」

ご講演後には、学生代表・会場参加者とのディスカッションが行われ、インドの環境政策の現状、企業の汚職問題、インド・中国の外交関係、女性のエンパワーメントの推進、福島第一原子力発電所事故がインドの原子力政策に与えた影響、現在のインド・日本間のビザ取得状況など、幅広い質問が寄せられました。ご講演中、「日本で学んだことの一つは時間の管理をきちんとすることの重要さです」と笑いながらお話しされた大使は、一つひとつの質問に対し、時間に厳しい司会者が求めた時間内に簡潔にお答えくださいました。

【ポスター】国際学部連続講演会_2014/04/15_駐日インド大使_ディーパ・ゴパラン・ワドワ氏 PDFファイル   [ 281.84KB ]PDFリンク

【Poster】SIS Lecture Series_2014/04/15_Ambassador of India to Japan_Mrs. Deepa Gopalan Wadhwa PDFファイル   [ 225.00KB ]PDFリンク

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