2013.12.19.
オリックス株式会社取締役兼代表執行役会長 宮内義彦氏が講演
第50回国際学部連続講演会(経済学部・商学部・国際学部共催 グローバル人材育成推進事業特別講演会、高等学部商科開設100周年記念講演会)は、本学商学部OBであり、オリックス株式会社取締役兼代表執行役員会長・グループCEOである宮内義彦氏を講師にお招きし、「皆さんの世界とグローバル時代」と題して、12月13日、関学会館においてご講演をいただきました。今回の講演会には、学生・教員・一般参加者約175名が参加しました。(司会:国際学部 鷲尾友春教授)
宮内氏は、「1989年にベルリンの壁崩壊以降、資本主義の論理が世界を覆い、世界が一つの経済論理で動くようになった。また、世界の人々が瞬時に同じ情報を共有する時代の到来で、世界が変わった。経済の国境がなくなり、英語に統一されたIT Communicationの世界から逃れることができなくなった。」とグローバル社会の英語の重要性を指摘されました。
また、中国の急速な発展の中で、相対的に経済力が低下する日本の将来について、「世界から尊敬される国・日本人・日本社会になること。アジアで最も成熟した社会であることを世界に知ってもらうこと。日本人のもつ信条、文化を世界に広げていくことが大事である。そのためには、まず日本のことをしっかり学び、若いうちに海外でコミュニケーション・スキルを磨くことが大事である。」と述べられました。
講演後、学生からの、教育、環境問題、経営者として心がけるべきことなど、多岐にわたる質問にも答えられ、その中で、「平和・平等の教育は大事だが、競い合うという意識がないと社会に出て行けない弱い人材になる。また、社会に出れば正しい答えなどない問題ばかり。今の受験教育では通用しない。」、「国際人材といっても無国籍ではよくない。まず日本の歴史、文化、とくに現代史を勉強して欲しい。歌舞伎を、文楽を、仏教を、神道を知識として語れる人材でなければ海外で尊敬はされない。」と説かれ、良い経営者とは、との質問には、「私は、自分の生き方を常に前向きに、辛抱強く勉強した結果として社長になった。興味のあること~小説を読む、ノンフィクションを読む、勉強会にできるだけ参加する、なるべくりっぱな方と付き合う~といったことなどを続けることが私の勉強法。」、「経営者は自分の仕事にだれよりも精通している専門家でなければいけない。しかし、企業は人の集まりであり、オリックスであれば、世界の2万人の社員に力いっぱい働いてもらって、そのエネルギーを集められるかどうかは、リーダーの人間性次第。専門家として評価されても人間的な魅力がなければ、どの世界でも通用しない。」と主張され、最後に、「関学の国際人材育成教育に期待しています。」と、後輩への熱いメッセージを送られました。
【ポスター】国際学部連続講演会2013/12/13オリックス株式会社会長・グループCEO宮内義彦氏 PDFファイル [ 269.47KB ]PDFリンク