世界との関わり方 ~青年海外協力隊と途上国からのブランドづくり -栗田ゼミ 特別講演会-

[ 編集者:経済学部・経済学研究科       2018年3月13日   更新  ]

濱口香織氏((株)マザーハウス 梅田 蔦屋書店 店長)

濱口香織氏 ((株)マザーハウス、梅田蔦屋書店長)

濱口香織氏 ((株)マザーハウス、梅田蔦屋書店長)

栗田匡相ゼミでは、「仕事とは何か・働くとは何か」といった問いかけを、これから社会に出て行く人間として自らの問いとして受け止めるために、通常のゼミとは別に様々な分野でご活躍されている方をお招きし、先達の歩みを聞くための講演会を開催しています。

2017年1月6日(金)には、(株)マザーハウス 梅田 蔦屋書店 店長の濱口香織氏に、「世界との関わり方 ~青年海外協力隊と途上国からのブランドづくり~」というタイトルで、自らのご経験をお話し頂きました。


濱口さんは高校卒業後、筑波大学国際総合学類に進学。学部在籍中にインドでフィールドワーク等を行い、卒業後は青年海外協力隊の隊員としてネパールへ。協力隊でも最近では珍しくなった農村に住み込みながら、村の女性達と一緒に「女性協同組合」の活性化に尽力されました。日本へ帰国後、JICAの短期専門家として、再度ネパールへ。その後、現在のお勤め先である株式会社マザーハウスへ入社されます。

濱口さんが日本への帰国後に自らの人生設計を考える上で大事にしようと思ったことは、

「選ぶことをおろそかにしない」

ということでした。協力隊の経験からネパールの農村には何も無いという意識からネパールの農村でも色々と出来ることがある、という意識の転換、気づきを得て、ネパールの村で女性達の可能性が開かれていくその瞬間に立ち会ってきた濱口さん。彼女が選ぶことをおろそかにしないと学生に伝える言葉の響きには、言葉以上の何かが確かに含まれていました。

株式会社マザーハウスと聞くと、創設者の一人で、代表取締役兼チーフデザイナーでもある山口絵理子さんを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。彼女の書いた『裸でも生きる』(講談社、2007年)はベストセラーにもなり、彼女の生き方や仕事観は多くの方々に深い感動をもたらしました。私(栗田)も、その一人なのですが、この本を2008年に読んだとき思ったことは、マザーハウスという会社が今後どうやって発展していくのだろうということでした。最大限の期待をしつつも、あまりにも強烈な個性の山口さんについて行ける人がどれだけいるのだろうと、外野の戯言とはいえ、ちょっとした不安を感じていました(広島で開催された本学の125周年記念講演に山口さんをご招待した際に、ご本人にもお会いしましたが、小柄な美しい方で、どうしてこの人からあのすごいエネルギーが出てくるのだろうととても不思議な思いになったというのは余談ですね・・・)。ただ、今回、濱口さんにお会いして、そしてミント神戸店店長を務めている藤澤憲人さんも講演会に来てくださいましたが(彼は本学の人間福祉学部の卒業生でした!)、自分の浅はかさを恥じることになりました。お二人とも夢とそれを支える強い意志を持ち、その夢の実現のために努力を根気強く続けることの出来るとても尊敬できる方でした。マザーハウスの発展はこうした夢とエネルギーを持った人たちがしっかりと支えているんだな、ととても納得し、またとても嬉しく頼もしい気持ちになりました。

濱口さんが講演会の最後に山口さんの言葉を紹介してくれました。

「何かを始めるのは本当に難しい。けれど、始めたことを続けるのはもっと難しい。」

大学に在籍している若い学生が、この言葉の意味をしっかりと理解するのは難しいことだとは思うのですが、心にとめておいて欲しい言葉だなと思います。そしていつかこの言葉が、学生達の人生の中で意味を持つときが来たら、そのときは自らのことを自らの言葉で、若い人たちに伝えて欲しいなぁと思います。

濱口さん、藤澤さん、お忙しい中、本当にありがとうございました!

学生からの感想も是非ご一読ください。

牧野愛

「素敵」それが、濱口さんや藤澤さんとお話しさせていただいて、一番に感じたことでした。お話しされる姿が、たたずまいが、笑顔が、全てが「素敵」でした。そして何より、お二方とも「MOTHER HOUSE」の一員であることを誇りに思い、楽しんでおられることが「素敵」だと感じました。
濱口さんのお話の中で、影響を受けた言葉がありました。
「やれることを、やってみよう。」
これは、青年海外協力隊での経験談の中で出てきた言葉です。
生きていくことは決して楽ではない。理不尽なことや、上手くいかないことばかりだ。しかし、それらと向き合い、回り道も休憩もしながら、それでも進んでいこう。そんな前向きなメッセージが込められた言葉に聞こえました。
「何ができるかわからない。しかし、やれることをやっていこう。」もしかすると、毎日とはそういうものの繰り返しなのかもしれない。決められたレールなどなく、自分の信じた道を行くしかない。しかし、進んでいれば今とは違った景色がそこにはあるのだろう。
いつか、お二人のように「素敵」な人になれますように。今は、一生懸命にあがいていこうと思う。


河端里咲

青年海外協力隊としてネパールの女性と過ごした2年間、そしてJICAの職員を経て、現在は、マザーハウスの梅田蔦屋書店店長として働かれている濱口さんから発せられる言葉の全てが私にとって興味深いものだった。協力機関としての立場、企業としての立場、その両方を経験されている濱口さんにとって、途上国の見え方はそれぞれで違うのだろうかと私は疑問に思った。そして濱口さんに伺うと、「協力機関で働いているときは、途上国の人たちも先進国の人だというふうに私たちのこと見ていて、本当に心を開いてくれるということが難しいが、現在のマザーハウスでは、途上国の人たちも自分たちも本当に対等で、ビジネスの成功のために奮闘している。」とおっしゃっていた。この言葉は多くのことを考えさせられた。途上国の人たちに対して、先進国の人間が何をするのか、何をするべきなのか。正解は分からないが、もっと多くのことを私たちは考えていかなければならないと改めて感じた。


村上鈴佳

マザーハウスさんの講演を聞く前にゼミで『裸でも生きる』の本を読んでいたので、講演を聞くのはとてもワクワクしていました。濱口さんは青年海外協力隊に参加しており、どういった活動をしてきたのかを詳しく聞くことができました。どんなに心を砕いても現地の人からあなたは日本人だもんねと言われてしまうように、裕福な日本人故に、現地の人と関わる際に生じてしまう問題もあることを知りました。このように青年海外協力隊は壁にぶつかることがたくさんあるのだなと感じましたが、一方で素敵だなと思えるお話しもたくさん伺えました。マザーハウスさんのコンセプトは「第二の家」であり、ランチの提供や、残業ディナーなど福利厚生が充実しています。ランチの提供というのが変わっていて驚きました。また、映像からはマザーハウスさんの従業員同士の仲の良さが感じられました。マザーハウスさんはたくさんの国で商品を製造していますが、日本だからとかバングラデシュ、インドネシアだからというのが無くて、国境関係なく平等とおっしゃっていたのでそこがいいなと思いました。途上国には私たちが知らないだけで実はすごい技術があってそれを使って商品化するというアイデアがとても素晴らしいなと感じたし、今後の途上国への期待も高まりました。講演を終えた後、マザーハウスという会社が世界中にもっと広まっていくといいなと思いました。


神原明里
濱口さんの講演を聞いて一番に感じたことは、あきらめない姿勢だ。
濱口さんが途上国で取り組んだことは村の女性たちの女性協同組合の活性化だった。自分だけで解決しようとするのではなく、現地の人も巻き込んで課題に取り組むことの難しさを痛感し、時には“日本人”という人種であることが自分を苦しめたという。しかし、視点を変えて“日本人”という人種を「武器」として、現地の人々とともに奮闘された姿がとても印象に残っている。自分一人だけで物事を解決しようとしないこと。現地の人との関係を一方通行にせず、信頼関係を気づく事の大切さを知った。濱口さんの途上国でのエピソードは“あきらめない、挫けない”の連続でいかに根気強く挑戦し続けるかという部分が今の私に足りない要素だと感じ、自分の将来の夢を簡単に諦めず地道に努力しなければならないと再確認することができた。濱口さん、藤澤さん、貴重な時間を割いて私たちに講演をしてくださりありがとうございました。