学生レポート_多田 健一郎さん

[ 編集者:経済学部・経済学研究科       2014年4月17日   更新  ]
学生リポート

第8回 卒業を迎える4年生から_2014年3月4日

多田 健一郎くん

  【卒業年月】 2014年3月
  【名前】 多田 健一郎(タダ ケンイチロウ)
  【出身高校名】 私立関西学院高等部
  【研究演習名】 根岸 紳 教授

「関学生にとって、自由とは」-多田 健一郎

多田さん(一番左端)とファイターズの仲間

多田さん(一番左端)とファイターズの仲間

私は中学、高校、大学の10年間、関学に通いました。部活動は高校からはじめたアメリカンフットボール部(以降AF部)でマネージャーを務め、大学のファイターズでも継続し、4年生の時は主務を務めていました。皆様のご声援のおかげで『学生日本一 三連覇』を達成することができました。

今回、私は「関学生にとって、自由とは」について書きたいと思います。個人の意見となりますが、ご覧いただければ幸いです。

関学生にとって「自由」という言葉は大切なことだと思います。関学はよく自由な校風の学校と言われます。「自由」には、様々なイメージがあると思いますが、一般的によく言われる「自由」は、束縛のない環境の中で、自分の思い通りにやりたいことをする、と捉えている人も多いのではないでしょうか。しかし、本当の「自由」とは「責任を持って、自分の意思で行動できる」という意味です。

この意味をはき違え、私自身も大学時代に相当悩みました。もともと、自分本位な性格で、自由気ままに行動することが多くありました。気の合う仲間とだけ仲良くし、周りに合わせられるところは合わせて、あとは自分が好きなようにやりたいことをしたいというような自分勝手な人間でした。しかし、大学生活の中で様々な仲間と行動を共にするようになり、部活動では苦楽を共にする仲間と切磋琢磨していく中で、私の「自由」に対する印象がゴロッと変わりました。そのきっかけを与えてくださったのが、AF部ファイターズの監督である鳥内秀晃監督です。

ファイターズは「学生主体」で取り組むチームです。よって、部活動に関わることの多くを、現役学生が中心となってまとめることを求められるため、多くのリーダーが必要になります。

その中で、鳥内監督は現役生に対して「お前らどんな男になんねん?どんな集団になりたいねん?」とよく言われます。はじめはよくわからなかったその言葉の意味について、上級生になって、“自分とはなんなのか?自分はどうあるべきなのか?”と考えるようになりました。また、「自責」という言葉も、多くの場面で考えるようになりました。特に4年生の時は、主務という立場になり、その言葉の重みを理解できるようになり、苦悩の連続でした。自分自身が理解した上で、仲間に伝え続けなければ、チームは改善しない。自分一人では不可能で、多くの仲間の協力があって、少しずつでも変えていかなければならない。このことを幹部(主将、主務、副将)とずっと話し合ってきました。また、幹部だけではなく、同期の仲間にも同じように「自責」があります。それぞれの役割の中で、何がベストで、それを具体的にどうやっていくべきなのかを仲間と議論し合いました。このことが「チーム全員がフットボールに向き合い、チーム全員が一つになって、日本一になる」という思いからできた昨年度のスローガン『ALL for ONE』に繋がっていったのだと思います。

仲間と過ごした経験の中で、私は「自由」ということが、どういうことなのかに気づかされました。「学生主体」という言葉は、重く聞こえるかも知れませんが、学生の自治によって成り立っているため、これも「自由」の形のひとつです。これは、私たちだけが特別ではなく、関学の現役生や卒業生、多くの方々が様々な環境で学び、体現してきたことなんだと思います。この自由に対する責任が、今、関学が掲げている「世界市民たれ」という言葉や、関学のスクールモットー「Mastery for Service」に繋がることではないでしょうか。私たち大学生にとっては、少し重荷に感じるかもしれませんが、人生や将来を考えた中で考えてみると、とてもやりがいのあることだと思います。

堅苦しい文章になってしまいました。私が伝えたいことは「大学生活を本当に悔いのないように、何事にも挑戦し、全力で取り組んでほしい」ということです。そして「自分流の自由」を見つけてください。関学には、気づきの機会がたくさんあります。“大学なんてつまらない、社会に出ても役に立たない勉強ばかり”と思っていたこともありましたが、その先にある何ものにも変え難いものをぜひ見つけてほしいです。私自身が理解していることもまだ欠片程度ですが、これからも出来る限り欠片を拾い続けられるように頑張っていきたいです。

関学で過ごした10年間は、思い返せば切りがないほどの経験ができ、思い出ばかりです。最高の仲間に恵まれ、まさに青春を過ごした場所です。これからは、関学の卒業生として自由で立派な男になれるように頑張っていきたいです。拙い文章を最後までお読み頂き、ありがとうございました。