2014.03.29.
【栗田ゼミ】2013夏 4期生 農村フィールド調査 @ケニア(事前準備)

~事前準備~

3年生の春に、途上国で何を研究したいか、自分が調べたい分野に分かれて論文作成チームを結成しました。健康・教育・農業・幸福・労働移動・ジェンダーの3~5名から成る6チーム。担当分野の論文を大量に読み知識を深めていきます。時には、長く難しい日本語の論文や英語の論文を読むことも。基本的に私たち学生が自主的に行いますが、学部生レベルにとどまらない内容の論文を読むため、栗田先生や先輩方の助けを借りながら準備を行います。途上国の現状把握を行い、検証仮説やアンケート調査の質問事項、分析方法の決定などなど…、事前準備はやることてんこ盛りでした。

近藤 憲吾さん

近藤憲吾さん

事前準備で一番大変だったのは、先行研究や事例を探すことです。調査地は、ケニアの中でも限られた地域だったので、同じ地域を取り上げている研究はほとんどありませんでした。必然的に、自分たちの想像を膨らませ、予想を立てる必要がありました。

ただ、行ったこともない国のことを、正確に想像することは容易ではありません。それには、より一般的な事例を取り上げた研究や理論を理解したうえで、さらに、自分たちの調査地が、その一般論に適用できるのかどうかを考える必要があります。また、適用できない場合、どれくらい違うのか、どのように違うのかを考えるために、また違った研究や理論を学ぶ必要があります。この作業はキリがありません。そのため、一つの考え方に縛られず、現地に行って確かめるべきことは、ある程度パターン化するに留めて、できる限り多くの可能性とその対処を考えるべきです。

私の場合は、これらのことを自分なりに調べる過程で、時間がいくらあっても足りないことに、最も苦労しました。

越智 海都さん

越智海都さん

事前の準備で大変だったことは、論文の研究テーマを決め、ケニアで用いる調査表を作ることでした。まず、ケニアに行く半年前に開発経済学の勉強をゼミメンバーにに教えるために、論文20冊と『トダロとスミスの開発経済学』を全て読み、内容を把握したうえで、合宿で行う授業用のパワーポイント50枚程度を作り90分授業をゼミメンバーの前で行いました。

授業はお世辞にもいいとは言えず、先生から説教を受けたりしました。合宿から帰ってからはグループに分かれて本格的な活動が始まりました。グループに分かれて論文のテーマ研究や用いる分析手法などを探すために、英語の論文なども読み込みました。そこではメンバーとの意思疎通を図るために、またグループが1つにするために本音をぶつけ合ったりしました。研究テーマを決めるためにグループのメンバーと何度も話し合いました。テーマが決まってからは、ケニアの農村で用いる調査表を作るために各グループで質問を考え、英語にしてなんども精査しました。ここまでの過程が大変でした。

坂東 里美さん

坂東里美さん

事前準備で大変だったことは、研究の進め方が全くわからなかったことです。これからどういったテーマで進めて行くか、何に重点を置いて話を進めていけばよいのか、論文は読んでもそこからどのようにすれば良いのか…。全くポイントを掴めていない私に対して、チームのメンバーが的確な指示をしてくれるなどのフォローがあり、周囲の人たちにとても支えられました。また、事前準備には一通りの流れがあり、そこから現地でのハプニングに備えてある程度の想定もしていました。
活動動を終えて感じたことは、本当に研究を行うデータを揃えるためには「念には念を」という言葉があるように、何が起きても対応できるくらいの準備が必要であると思いました。実際に、調査を行ってから改めて事前準備の大切さを学びました。

岩本 幸之助さん

岩本幸之助さん

調査票の作成が一番大変でした。質問の意図・順序・単位を決めること。全てが馴れない英語表記で、相手に伝わり易い表現を使う必要があるので苦労しました。また、それぞれのグループで質問数が多く、実際の調査では中々時間を多く費やせないので、削減するのも大変でした。聞きたいことがたくさんある中で、ゼミ生と相談し限定していくのは難しいです。ときに、お互いの意見が相違して衝突することもありました。

さらに付け加えると、ゼミの授業以外にも集まって作業することが多く、みんなそれぞれアルバイト・部活等の私事で全員揃って、考えを共有する機会を設けるのにも苦労しました。グループの中で1人でも理解できていない状況を作ってしまうと後々の作業に支障が及ぶので、夜にSkype・LINEなどのSNSを使って、協力し課題等に取りくみました。