留学中の学生インタビュー 兵頭 俊叡 さん

[ 編集者:経済学部・経済学研究科       2013年2月20日   更新  ]

兵頭さん(写真左側)

      
  兵頭 俊叡(ひょうどう としあき)
  (経済学部2年生)
  
  【留学先】 
   パシフィック大学(アメリカ合衆国)
  【プログラム】
   交換留学(2012年8月~2013年5月)

留学中の喜怒哀楽や困ったことは?

サッカー部の仲間と練習後に

「喜」アメリカ到着2日目、右も左も分からない時に、後に親友となるメキシコ系アメリカ人の友達に寮で出会った事。会って2日後に、彼と、彼の家族に車で2時間かけて、サンフランシスコに連れて行ってもらった。英語はあまり分からなかったが、笑顔だけは忘れなかった。また、彼に限らず、新しい出会いは大きな喜び。

「怒」大学内の食事のメニューが少ない&健康的な食べ物がないこと。そのため3年間止めていたカップラーメンを再開してしまうという始末。体重は7kg増えた。また、ニューヨークの定員と、警察官の態度の悪さには怒りを通り越して呆れた。店員は消費者よりも上の立場。「で、君は何を欲しいの?」というあからさまな態度。時には客を待たせて店員同士で日常会話。必然的に日本のサービスの素晴らしさを思い知らされた。年末のタイムズ・スクエアでのカウントダウン。人を仕切るバリケードの中で、10時間以上トイレを我慢することなどできず、近くの警官に尋ねた。「バリケードから出て、真横のマクドナルドでトイレを済ませて、またここに入れるか?」1人目の警官は雑談に夢中。面倒臭そうに、他の警官に聞けと言った。2人目の警官に尋ねたところ、「Maybe, maybe not」もちろん私が起こした行動は、強行突破。

「哀」新しい環境では多くの素晴らしい出会いがあるのと同時に、必ず別れもある。せっかく仲良くなった友達と別れるのは、いつの時も哀しい。

「楽」サッカー部の練習はとてつもなく楽しい。至福の時間。皆に「トシ、トシ」と名前を呼ばれ、よくちょっかいを出される。それ以上にこちらからもいたずらを加え、コミュニケーションをとる。また、練習中は色々と言葉が飛び交うのと同時に、皆、よく叫ぶ。特に叫ぶのは私かもしれない。高校時代、サッカー部の練習では、あまりの厳しさに仲間と叫び合わずには乗り切れなかったが、こちらの練習ではあまりの楽しさに叫ばずにはいられない。

「困」寮のクーラーを調節できない事には悩まされた。温度設定が19℃かというくらい寒かった。後はBank of Americaの口座開設に関して。パスワードを勘違いし、入力ミスを重ね、ロックされてパスワード変更すら出来なくなった。ただ、銀行に電話をしても、英語が早すぎて全く理解できない。複雑なやり取りだったため、最終的には電話で通訳を介して問題を解決した。

留学先できた友人とどのようなコミュニケーションをとっていますか?

インターナショナル生チーム

基本的に交流関係はアメリカ人のみならず、世界規模。そのため、皆、互いの言語には興味津々。言語を教えあっては、それを使いこなすために練習する。フランスからの交換留学生の友達に日本語を教えたところ、パーティーからの帰り道「イマ、オレハ、イエニ、カエル!!」と飽きることもなく、寮に着くまで叫んでいた。
また、スポーツは人を繋ぐというのを実感した。サッカーは素晴らしいコミュニケーション手段。サッカーには言語も人種も何も関係ない。楽しければ勝ち。体全体で世界を感じた。週2日と週末のサッカー部の練習のみならず、毎週金曜日には近くの大学の友達20人程とサッカー。さらに、大学内のサッカーリーグのために、インターナショナル生でチームを作り、参加。チーム内では積極的にメンバーとコミュニケーションをとり、信頼を得て、キャプテンをさせてもらった。

1週間の生活を簡単に教えてください。

休日の過ごし方

平日は基本的に授業や宿題、後は友達と過ごすといった感じ。取っているクラスによって宿題に取られる時間は大きく異なる。初めの学期で私が履修したのは、基本的な経済学のクラスばかりで、授業は比較的理解でき、試験でも高得点を出せたため、あまり勉強した記憶がない。勉強不足に不安を感じ、原作のハリーポーターを1巻読み終えたくらいだ。しかし、2学期目はハイレベルな経済学のクラスやスピーチのクラスに挑戦しており、毎日数時間の勉強なしにはクラスについていけない。ある経済学のクラスは、学生数が私を含めて4人。完全にディスカッション形式だ。討論をするための知識は膨大なリーディングの宿題から得る。週2回のクラスそれぞれに50ページほどの課題。それも教科書ではなく、専門書のため大変。とはいっても、勉強ばかりもやっていられない。私の場合は・・・

毎週火曜日、木曜日にサッカー部の練習8pm~10pm。
木曜日にビジネス関係の集まり5pm~6pm。
金曜日に近くの大学の友達とサッカー3pm~5pmに加えて、週4日ほどジムで友達と筋トレ(1時間半程度)。
週末は基本的にパーティー、映画鑑賞、外食、友達とサッカーや寮でゲーム。
ただ、日曜日はどこへも行かず皆、勉強。

留学をするために大切な準備は?

友人と一緒に

留学だからといってあまり肩に力を入れすぎる必要はないが、「自分自身」についてしっかりと考える時間を設ける事は大切だと思う。自分はどういう性格で、どういう価値観を持っているか。また、どういう時に喜びや、わくわく、悲しみを感じるかなど。長所や短所をきちんと理解しておくのも良いかもしれない。
というのも、こちらでは、アメリカ人に限らず皆、個性がはっきりしており、自分というものをはっきり認識しておかなければ、集団の中で自身の存在意義に戸惑いかねないからだ。日本のように空気ばかり読んでいては、自分自身が空気になってしまう。決して彼らの真似をしろと言うのではなく、「自分」というブランドを再認識し、主張する必要がある。英語に関して言えば、何よりもリスニングをしておくことが大事。最初の段階では喋れなくても聞ければましだと感じた。

留学で得たものは?帰国後は、その経験をどういかしたいですか?

友人のプールで

日本から海外へ留学に行く人は、語学力の向上というもの以上に、異国の地で「自分を変えたい」という動機が比較的強いように感じる。しかしながら、私がアメリカで、これまで約半年生活してきて得たものは、「変わった自分」ではなく、「ありのままの自分を受け入れ、活かす」習慣。                          アメリカ人は、長所、短所を含めて「自分そのもの」に自信や誇りを持っていると感じる。短所を短所と思っているかは分からないが。間違っていようが、どんなに変わっていようが、その人自身(その人なり)の考え、意見を持っている。そして、世界をしっかりと自分の目で見て、物事を自分で判断している。決して人の顔色をうかがったり、判断を人に左右されない。そういう彼らの良い所を私は上手く取り入れてきたように感じる。でも、それが全てでもない。同時に日本人の良さも深いレベルで理解が出来るようになりつつある。日本人特有の「空気を読む」。先ほどは悪い例で紹介したが、裏を返せば誇るべきもの。日本人よりも他人のことを考え、相手の意見を尊重できる人種は世界に他にはないと感じた。また、留学で得た貴重なものは、やはり友達。どんな苦労や困難も、心の繋がった友達のお陰で乗り越えられた。また、素晴らしい経験や、楽しさを友達なしには分かち合えない。

帰国後の目標は総合商社に入社し、世界を駆け回ること。これは留学前と変わらない。今回の留学では、語学力のみならず、様々な人との関わり、様々な価値観の中で上手く自分を出す力、また相手の意見を尊重し、理解した上で、自分も主張する力を養えたと感じる。それを今後活かしたい。というのも、近年の著しい発展途上国の成長や、日本経済の衰退により、時代は変わりつつある。いくら経済大国の日本とはいえ、安心していると足元をすくわれてしまう。自己主張が世界的に弱いと言われる日本人。それをアメリカで嫌というほど実感した。主張や他国とのコミュニケーションを必要としない、モノ作り大国、日本の姿は変化を必要としている。そこで、今後必要となってくるであろう、世界経済のリーダーとして何事も「発信」し続ける日本への変化の過程で、日本経済の力になることを望む。

パシフィック大学内