2011.12.06.
【栗田ゼミ】初めての日本を満喫-ベトナム人学生が栗田ゼミで学ぶ

開発経済学を主専攻とする栗田ゼミでは、毎年3年次に、途上国の実情を学ぶために、アジアの国々を訪れ、農村でのフィールド調査を行います。今年は、日本学生支援機構 平成23年度留学生交流支援制度(ショートステイ、ショートビジット)プログラムの助成を受けて、2011年7月末~9月中旬にかけてベトナムのベンチェ省、ホアビン省で、貧困状況や労働移動などに関する農村調査をおこないました(ショートステイ)。

その際、一緒に農村調査をしたベトナム人学生たちが、2011年11月8日~13日にかけて日本に来日(ショートビジット)。経済学部で開催したインターゼミナール大会で論文報告したり、夏以来の再会を果たした栗田ゼミ生と共に新月祭(文化祭)に参加したり、兵庫・京都・東京へと観光に出かけたりと、初めての海外という学生も多い中、7日間の滞在を充実させました。

今回、初めて日本にやってきたというベトナム人学生のTrang(チャン)さんと、Thao(タオさん)さんにスポットをあて、日本や日本人、彼女自身について質問をしています。
また、 最終日にあった彼らのプレゼンテーションの様子も掲載しています!ぜひ、ご覧ください。

まずは、Trang(チャン)さんのインタビューをご覧ください。

Trangさん

Q1:What was your first impression of Japan/Kansai?
(日本/関西の第一印象は?)
A1:A clean Japan came to my first step in the airport. Everything seemed to be extremely neat and everyone in the airport was friendly and helpful. I was surprised because it came to be more wonderful than expected.
(空港に降り立つと、美しい日本が私の目の前に広がっていました。すべての物がきちんと整頓され、すべての人がフレンドリーで親切な人のように感じました。そのことは、想像していた以上だったので、とても驚きました。)

Q2:What’s surprised you most about being a student in Japan?
(日本で学生生活を体験してみて、一番驚いたことは何ですか?)
A1:The things surprising me most about being a student in Japan is the way and the point of view about learning. Different from Vietnamese students who often learn hard only, Japan students always try to be active they do volunteer in a very dangerous area, they try to be independent from their parents, they are very dynamic. That are exactly what I am trying to be.
(日本で学生生活を体験してみて一番驚いたことは、学習についての方法や考え方です。ただ一生懸命机に向かって勉強するベトナムの学生とは異なるからです。栗田ゼミの学生は、危険な地域でボランティア活動を行ったり、親元から離れて自立しようとしたり、そして、何よりとてもダイナミックです。そのような栗田ゼミの学生は、まさに私がなりたいと思う人物です。)

栗田ゼミ生とお食事会

Q3:Who is the person you admire the most and why?
(最も尊敬する人物は誰ですか、またそれはなぜですか?)
A3:This is not a person but a group of great people- JICA. They are not simply doing volunteer, I admirer their philosophy “if you are very full and the people around you are hungry, so are you happy? This philosophy makes me find the answer. I have been wondering for a long time “why Japanese are so different?

(人物でないのですが、偉大な機構であるJICA(国際協力機構 英文名「Japan International Cooperation Agency」の略)を尊敬しています。彼らは単にボランティアを行っているだけではありません。私は、彼らの哲学に共感したのです。「あなたがもしお腹がいっぱいでも、あなたの周りの人達が空腹なら、幸せと感じますか」この哲学から私が将来何をすべきか、という答えを導き出すことができました。ただ、なぜ、日本人はこの哲学と大きく異なるのだろう、と長い間考えています。)

栗田先生とTrang(チャン)さん

Q4:What do you want to say to your future self?
(未来の自分にメッセージをお願いします)
A3:I will try my best to achieve my future career; if possible I will work for an organization which betters the poor. Yet, first, I want to contribute myself to my country by learning new things. What you do for the whole society is always meaningful than just thinking for yourself.
未来の私は、将来のキャリアを成し遂げるために全力で努力しているでしょう。もし可能であれば、貧困を改善する組織で働いていたい。でも、まずは、新しいことを学び、母国へ貢献したい。社会全体のために行動する事は、考えている以上に意味のあることなのだから。

栗田ゼミの女子学生と

Q:5Last of all, what’s the best memory during your stay in Japan?
(最後に日本での一番の思い出を教えてください。)
The most memorable thing in my life in Japan is the dinner in Kurita sensei’s house.
I really felt a real Japanese home after a very long time living far from my home. After that, everyone including the kids danced. How excited it is!

(日本での一番の思い出は栗田先生宅での食事です。長年住んでいる故郷から遠くはなれ、本当の日本人の生活を感じることができました。食事の後、先生のお子様をふくめみんなで、一緒にダンスをしました。本当にたのしかったです!)

次は、Thao(タオ)さんのインタビューをご紹介します。

Thao(タオ)さん

Q1:What was your first impression of Japan/Kansai?
(日本/関西の第一印象は?)
A1:My first impression of Kansai was that it is a fresh and clean area with many trees.
The people here are free to express their characteristics but they also respect the freedom of others.

(関西の第一印象は、たくさんの自然の囲まれたフレッシュでクリーンな地域だと思いました。一方で、人々は個性豊かに自分を表現し、他人の自由も尊重しています。)


Q2:What’s surprised you most about being a student in Japan?
(日本で学生生活を体験してみて、一番驚いたことは何ですか?)
A2:Before going to Japan, I thought that Japanese students are lucky because they can benefit from an excellent education system. However once I know more about them, I understand that for them, leaning is not easy and they also have to try their best in order to succeed.
(日本に来る前までは、日本の学生はとてもラッキーだと思っていました。彼らは、すばらしい教育システムの恩恵を受けているからです。しかし、実際の日本の学生を知ると、学ぶことは、それほど容易ではなく、成功のためにはベストを尽くさなければならないということが分りました。)

酒蔵見学にて

Q3:Who is the person you admire the most and why?
(最も尊敬する人物は誰ですか、またそれはなぜですか?)
A3:I must say that I admire Japanese people in general on the street, I seldom see trash basket but I see little or no trash at all. That is one example of the Japanese‘s self- consciousness, which I admire.
(日本の道端では、ほとんどゴミ箱を見つけることができなかったにも関わらず、少しもゴミが道端に落ちていなかったことに驚き、日本人のマナーのよさを尊敬します。このことは、日本人が自分を意識している故の行動のひとつの例であり、私が日本人を尊敬する理由です。)

ホームステイ先にて

Q4:What do you want to say to your future self?
(未来の自分にメッセージをお願いします)
A4:I want to say that “the world is waiting for you” it’s not difficult to travel around the world, Just do your best and opportunities will come.
(「世界はあなたを待っています。世界中を飛び回ることは難しいことではなく、全力を尽くしていれば、その時は必ずやってくる」と未来の私に言いたいです。)


Q5:Last of all, what’s the best memory during your stay in Japan?
(最後に日本での一番の思い出を教えてください。)
A5:My best memory in Japan is with my host family. I was treated with warmth and friendliness.
(私の日本での一番の思い出は、日本のホストファミリーです。暖かくフレンドリーに接してくれました。)

プレゼンテーションの様子

帰国前日、チャンさんやタオさんらのベトナム人学生たちは、滞在期間中の最後のゼミの時間を使って、日本での経験を英語で報告しました。

お世話になったホストファミリー方たちとの思い出について、浴衣を着せてもらったことや折り紙を折ったこと、夕食の手伝いをしたことなどを紹介。日本の女子大生気分を満喫するためにプリクラやカラオケにも行き「本当の日本人の女の子になったみたいだった」とチャンさんは笑顔で話をしました。

また、短い滞在期間で大阪や京都、横浜、東京などの観光にも出かけ、大阪では道頓堀でたこ焼きを食べたことや京都では一念坂や金閣寺に、東京の原宿、浅草、お台場、秋葉原などの名所にも行けたことを紹介。観光だけではなく、スタディツアーとして訪れた、国立国会図書館、JICA兵庫、Panasonic大阪本社、京都町屋での伝統文化講義などでの学びについても貴重な経験となったようです。

報告の最後の方では、ベトナム人学生達の報告を聞いていた栗田ゼミの学生達が、別れを惜しんで涙を浮かべる姿もありました。

栗田先生が、ゼミ生たちとのベトナム訪問で改めて感じた「他者との出会いの中で自分に気づくことの喜びや驚きを知ってほしい」という言葉。その言葉をそれぞれが心に刻み、共に再会の約束を交わしました。

最終日、みんなで記念撮影